当館の小さな吹き抜け階段の壁に掛けている絵画や納戸に入れっぱなしのコレクションです。
展示品に関する説明は譲り受けた骨董店店主から伺った話や書籍資料等からの受け売りです。
絵画等の写真は前面ガラスを外したいところですが額の裏面が水張テープで封印されてものが多いので直接撮影しています。そういった訳でガラスに映り込みや斜め撮りも多くありますがご容赦のほどを.............。
(本当に難しいですね、写真撮影って)。
Red Cage (Louis Icart)
赤い鳥籠 ルイ・イカール作
フランス、アールデコ時代(1900-1950)に活躍したルイ・イカールの赤い鳥かご(Red Cage)です。
京都策市左京にこの画家の作品のみを展示するルイ・イカール美術館があります。
この絵は近所の骨董屋さんで求めたものですが、同一作家のまったく作風が異なるHappeningと数か月悩んだ末に最後は左下の黒猫で決めました。
画寸法 285㎜x225 ㎜
作者サイン
Edition No.
モンマルトル(服部和三郎作) 1982
パリ在住の服部先生のリトグラフに手書き彩色した作品。モンマルトルの空間を切り取ったような構図です。
額裏に取扱い画廊の作者経歴が張られていました。
作者サイン
作成年?
夜空のハンモック A.Willette 1916年
リトグラフ(石版画)
フランスの風刺画家、イラストレータ
Adolphe Leon Willette(1857-1926)の
夜空のハンモックです。
モノクロリトグラフなので見ずらいかもしれませんがちょっエロティックな大人のウイットふれる風刺画?です。
フランス版浮世絵といった性格の作品なのかもしれません(こういった作品の事情に疎くてすみません)。
同様な題材のイラストやリトグラフが多いのもこの作家の特長かもしれません。
当時のアカデミーからは黙殺されていたであろうまあ大衆向けの画題ですが技量は素晴らしいと思うのですが....。
左下に描かれているおまけ?のイラストも面白くて購入したものです。
画寸:415㎜x295㎜
額寸:742㎜x562㎜
エディションはありません。
作品部分
作者直筆サイン
作者サイン?
作者いたずら書き?
Circus Andre Cottavoz
現代リヨン派の重鎮アンドレ・コタボの「サーカス」と題された作品です。
このエディションはブラウン(ゴールドと記載されている場合も)ベースですが別の色で刷られたバージョンもあるようです。
サーカステントの中で繰り広げられている空中ブランコ、騎馬隊行進にピエロ達のジャグリングに興じる観客達。
一見雑然と詰め込まれた画中から歓声が聞こえてくるような絵です。
リトグラフ
画寸:575mmx380mm
額寸:850mmx665mm
Edition No.:34/75
直筆サイン
Edition No.
Garden Pavillion(Sahall)
ガーデンパビリオン(サハール作)
女流画家サハールのガーデンパビリオンです。Editionは193/199で額裏に販売元のCertificationが入った白封筒や作者略歴等のシールがいくつか張られています。購入先の骨董屋さんは先の持ち主の方は未開封のままだったとのことで当館も購入後未開封のままでした。整理に当たって開けてみましたところ額にはめられているアクリル板が紫外線カット機能のあるものとシールされていましたので昨年12月から飾っています。
シルクスクリーン
絵のサイズ:702㎜x518㎜
額のサイズ:915㎜x711㎜
Edition No.:193/199
SignとEdition#
Certification
旅路 府川 誠 作
北海道の広大な青い空とトウモロコシ畑?を背景に走る荷物満載の白い軽自動車。
旅路と題された小さなスクリーン版画です。
水彩画の様な淡いタッチの版画で20年以上前に浅草のロックスビルにあった画廊コーナーで気に入り、自身として最初に買った手ごろな価格のアートでした。
この広大な北海道の大地の前に色々なキャラクターが配されたシリーズものとしてファンも多い作品群です。
Edition#
画題
作者サイン
ビーライトバック レオ・パシリコ作
サンフランシスコ、ビバリーヒルズやサンタモニカを中心として精力的に個展を開き、日本にも何度か来日し個展を開いているLeo・Pasillicoの2002年製作作品「ビーライトバック」です。
明るい色使いと独創的な構図で日本にも多くのファンがいる作家です。
シルクスクリーン
H.C.限定40部
画寸:485mmx410mm
額寸:760mmx660mm
直筆サイン
Edition
販売元作品証明書
Tea Time Eric Holch
アメリカ東海岸の風景を切り取った様な画題で人気のあるエリック・ホルクの
「Tea Time」という作品です。
全体がパステルカラー、白い家の窓から爽やかな風にたなびくカーテン、緑の芝生の庭の前に拡がる青い海。
大都会の喧噪から一時逃れたいと思うニューヨーカーの憧れなのかもしれません。
シルクスクリーン
画寸:530mmx415mm
額寸:772mmx732mm
Edition No.:115/300
直筆サイン
Edition No.
静物Ⅱ 藤本清子 作 1987年
メゾチント(銅版画の一種で黒のべた地が刷れる)作品を数々発表している藤本清子さんの作品。
写真では見難いと思いますがまるで細かい模様柄の黒布地を2枚重ねたような地にこれも和紙の貼り絵の様な細かい線画を重ねた作品です。
ED数も20と少ないもので一目で気に入りました。
画下に左からED#/サイズと作成年、画題、作者サインが記載されています。
ED# /20
画寸 395㎜x295㎜
額寸 745㎜x560㎜
花揃春対面図 国貞作
三枚続きの錦絵です。
国貞は後年に豊国の名継ぎ数々の浮世絵を遺しています。
コバルトブルーとエメラルドグリーンの色合いが綺麗な作品です。
骨董屋さんは後世の復刻版ではなく1840代の江戸後期もので3枚続きで退色もない完品はそうめったに出ないと太鼓判を押されました(笑)。
前の持ち主の方が和紙に挟んで大切に木箱に仕舞っていたものと聞いています。
色合いだけで購入を決めた門外漢のもとで少しぞんざいな展示扱いをしていましたので今は休ませています。
保管の和紙
一枚目(左)
2枚目(中)
3枚目(右)
印
海 (島田三郎 作)
フランス在住の作者はヨーロッパとりわけフランス画壇で高い評価と人気をもつ方です。
もちろん日本にも多くのファンがおられます。
この絵は大海を疾走する客船のデッキか岬の高台から見下ろした海を描いたかのようなとてもダイナミック絵です。
画寸 変形4号
作者サイン
専用ケース
モンマルトル 石川佳図 作
SMサイズの小さな額装油絵ですがモンマルトルの街角を切り取ったシリーズの一つです。
街路樹もすっかり枯葉が落ちた路地裏の街角を行きかう人々を描いた冷たい透明感のある絵でとても気に入ってます。
こういう小さい額装の絵もいいですね。とてもリーズナブルな値段でした。昭和60年代の作品だそうです。これも10年以上前に買い求めたものです。
最近このモンマルトルの同じ構図の絵が売られているのをネットでみましたが構図がちょっと違うんですね。
上部の3本の尖塔が短く、また全体的に色調も明るめで、街角の風景もシンプルになっています。季節感が全く別のようです。自身はこっちの方が好きです。
オランダ坂 福井 勇 作 F10号
物故作家になられた福井 勇氏の油絵
です。「オランダ坂」と名付けられた1974年の作品で翌年に個展を開いた大阪のギャラリーで販売されたものだそうです。ガラスを外していないので見づらいでしょうが長崎港を見下ろす丘の旧家と坂を描いた作品で遠くにはたぶん三菱重工長崎造船所と思われる景色も。
初めて絵画を購入した記念の品です。キャンパス裏の作成年と署名はすでに綺麗に額装されているので写真だけもらったものです。
当時の個展開催のお知らせの古いはがきも一緒に付けてもらいました。
左下のサイン
キャンバス裏
個展開催のはがき
農家の一隅 川田 茂 作
二元会名誉会長、新協美術界委員を歴任し、日展入選16回、総理大臣賞を受賞した作歴を有する物故作家:川田 茂さん(1909-1999)の「農家の一隅」と題された油絵です。
10数年前のことですが骨董屋さんが入手したときには古びた額にガラスがヒビ割れていたので撤去の上、画自体に剥落やキズがないことを確認したとのこと。
当館で専門店でガラスを新調しました。
昭和30~40年頃の作品ではないかとのことでした。
絵のサイズ:395mmx303mm(F9)
サイン
額裏いっぱいに書かれた題名と署名
あぐり船 石井伝三 作
白日会会員、日展友の会会員で生まれ育った茂原市の海岸や港の絵が有名な洋画家石井伝三さんのあぐり船という油絵です。
茂原市立美術館にも作品が幾つも所蔵されています。
この二隻の漁船を描いた作と似たような画題の絵も所蔵されています。
あぐり船とは巻き網漁船のことだそうです。
画寸:327mmx236mm(F4)
額寸:519mmx427mm
額裏の作品管理票?
サイン
石庭 木下純寛 1971年作
漆工芸作家の木下純寛さん直筆の日本画です。
竜安寺の石庭(方丈庭園)を切り取った構図画ではないでしょうか?永らく当館和室に飾ってあるものです。
前面のガラスを外さずに撮影しましたので上部に映り込みがあるのはご容赦のほどを。
竜安寺の石庭といえば京都・奈良修学旅行の訪問先の一つでした。
大ぶりのゼスチャーを交えたユーモアあふれる和尚の説話に干菓子付のお抹茶をいただき、お抹茶って結構おいしんじゃないかい?と納得した記憶が(裏で流れ作業のようにお茶を点てているのを見てしまいましたが)。
抹茶碗や茶道具に興味を持つきっかけとなった経験だったように思います。
花鳥風月図 上条東観 作
横1020mmx高さ763mmの大作で当館最大の収蔵品です。
奈良の骨董屋さんから譲ってもらったものです。
ご覧の通り工芸品や金閣寺にも使われている110x110の金箔を綺麗に張り詰めた下地の右半分に菊の大輪や笹、木蓮の木を、そして左天井を伸びるその枝に鳥が止まる図柄の花鳥を描き込み、左半分下を意図的に空間にした構成です。
作品全体に素材の詳細は判りませんが透明漆?のような厚手の保護が施されています。
作品には落款等はありませんが作品裏板に日本絵画作家連盟の保証書が添付されていました。
花木細部
花鳥細部
添付されていた保証書
漆画
漆絵というと通常江戸時代の浮世絵の中で黒墨の版画に手作業で彩色絵の具を置いていった精緻な極彩ものを指しますが、漆画は何色もの色漆を用いて絵いたものを指します。
彫漆画 「緑山」 英之作
これは漆に顔料を混ぜた何色もの色漆を重ね、最後に漆黒の黒漆で仕上げたのちにこの多層の漆板の表面を削り出して中の色漆を浮かび上がらせる彫漆という技法によるものです。
緑山と題された銘の如く青、緑、黄等の重ねられた色漆が彫の深さと広さで緑豊かな山が漆黒の漆の中に浮かび上がっています。
漆画部分の縦横137mmの小さな作人(額装:縦横302㎜)ですがとても緻密な計算がなされているように思える作品です。
桐の共箱の蓋裏に書かれたサインは彫漆の大家、豊沢英之さんでしょうか?
共木箱
蓋裏の署名と朱印
彫漆部
彫漆技法
沈金漆絵 吠木正樹作
彫刻した木版に漆を被せ、さらに溝に金粉を置いていく沈金手法で作成された「木立」と題された小さな絵です。
あアルミシルバーの額装仕立てで全面はアクリルでした。柄の右下にM.Masakiの刻印サインに裏面に作者の作歴が貼られていました。
昭和60年前後の作品だそうです。
漆絵のサイズ:横130㎜x縦115㎜
額のサイズ:横312㎜x縦297㎜
ハードケースに仕舞われていました。
錦絵沈金部分
作者の作歴
ハードケース
題「木立」
七宝額絵 長谷川よし子 作
七宝焼きのアート作品を数々製作している長谷川淑子さんの作品でしょうか?
同名異人の方の作品でしょうか判然としません。
購入したのが2003年で当時5年ほど前の作品という事でしたが......
春夏秋冬の4部作であったようですがお店の方も冬と春の2つしかお持ちでありませんでした。「冬」はお店からのプレゼントとしていただいたものです。
シェラザードの春
冬の女王
彫像類
テラコッタ
十二支像 「寅」 黒田嘉治 作
日展参与の著名な彫刻家、黒田嘉治さんのテラコッタ作品のひとつとして九州の骨董屋さんから買い求めたものです。
作者は永らく世田谷の等々力に構えたアトリエでブロンズ彫像やテラコッタの作品を精力的に造られており、残念ながら1984年12月、76歳でお亡くなりになっています。
その後は奥様がアトリエと作品を管理されていたように記憶しますが.........
当時ウサギ(卯)と龍(辰)を同時に購入しました。犬だったか馬だったか後日購入を逃して「もういいや」状態に。
うーん、すぐ熱が冷めるのが欠点だ........。
ご覧のように敵を威嚇しているのか?いいポーズしてます。この角度が一番威勢いいようでちょっと角度を変えると愛嬌のある姿に変る作品です。
同時購入3作品
(友箱)
蓋裏の署名と落款
(共布)
共布を披くと
十二支像 「卯」 黒田嘉治
今回は「卯:うさぎ」のテラコッタ像です。
黒田さんの作品にはこの像と同じ造形でブロンズ製の「月のうさぎ」という作品もあります。
実はこの品購入してから13年一度も開けていませんでした。
今回写真取りに初めてご開帳です。
最初なんでターバン巻いてるんじゃ?
とびっくりしましたが、お店か前の持ち主の方が耳が欠けないように大切に保護してくれていたんですね。台座の後ろに作者彫り印があります。
初めて箱を開けました
作者の刻印
十二支像 「辰」 黒田嘉治
こちらはシリーズ「辰(龍)」です。
胴体にも渦雲のような彫り込みが全体になされています。
右臀部(辰におしりがあるのかは別として........)に作者の刻印があります。
全体(ヨコから)
作者の刻印