この展示室では現代のクルーズ船のミニチュアモデルを展示していきます。
新造クルーズ専用船として初めて7万トンを超えたRCLのソブリン・オブ・ザシーの 登場を機に10万トン、20万トンと次々にメガシップの投入に走るクルーズ業界。
1970年当時、やっと1~3万トン級ながら(当時はこれでも大型船と言われていました)クルーズ専用の新造船として注目を集めた船から最近のメガシップまでのモデルをご紹介します。
老舗のQunard、P&Oの新しいクルーズ専用船は展示スペースの制約上からイギリスの客船展示室にまとめています。
Sovereign of the Seas
ソブリン・オブ・ザ・シー
RCCL(現在はRCI:ロイアルカリビアンインターナショナル)が世界初の7万t級クルーズ専用船として世に送り出した白亜の巨船、Sovereign of the Seas 7万3192t。
当時活躍していたクルーズ船は浅瀬域のカリブ海や地中海の海岸線、離島を巡るため喫水線が浅く小回りのきく1~2万t級が主流でした。
キュナードのQEⅡ、フレンチラインからNCL(ノルーウェージャン・クルーズライン)に破格値で買い取られたフランスといった7万t越えの大西洋横断定期航路で活躍した豪華客船がクルーズサービスに活路を見出すべく改装されて運行される例もありましたが、大洋の荒波を超えて高速安定走行することが第一であったこれらの大型豪華客船は船体の喫水線が深いので大型港にしか立ち寄れず、また港ではタグボートの牽引による着岸が必要といった大きな障害が付きまとっていました。
その様な状況において運行コストを下げクルーズ旅行をもっと大衆化すべく専用巨船の新造に踏み切ったのが当時のRCCLであり、その一番船がこのソブリンです。
このビジネスモデルに早くから着眼していたのは先のフランスを買い取りノルウエー(後日登場します)としてクルーズ船に改装し運行させたRCCLのライバルNCLの方が先でしたが、NCLは新造船を投入するより廃船・係留中の巨船を安値で買い取り改装する策をとりました。どちらにしてもこのクルーズ船のメガシップ化は大当たりし、以後各社が争って超大型船の投入にしのぎを削っている状況に至っています(現在は20万トン越えの巨船の就航までに)。
このソブリンは姉妹船にモナーク、マジェスティーの2隻がありますが2番船のモナークオブザシーから若干総t数が増えています。
クルーズ各社とも自社の改造・新造船のファンネルには各社の特徴を持たせるのが常で、RCCL/RCLはファンネルに全周囲型の眺めの良いラウンジを設けています。
このモデルについて
CMKR社製の1/1250スケールのダイキャストモデルです。届いたときにB箱内での固定が甘かったのか左舷艦橋と船首が変形していました。クレーム返品も考えましたが当時入手も困難で、時計修理用の精密ハンマーややすりで修正作業をしました。
基本的に使用されている金属が柔らかめであったので何とかここまで整形できました。
手を加えた箇所は以下の通り。
1) 船首の整形。
2)折損したブリッジの接着
3)曲がった小物突起部の修正。
4)塗装の剥げの修正
5)デッキ塗装の追加処理
恒例作業の船窓等の墨入れはこのモデルでは蝕刻が深く、このままでもいいかなと。
Grandur of the Seas
グランジャー・オブ・ザ・シー
ソブリン級に次いでRCCLのメガシップクルーズサービスを支えたヴィジョン級:Vision Classの一隻であるグランジャーオブザシーズ:Grandeur of the Seas 7万4136総t。
このVision Classは3タイプ、各2隻の計6隻が就航していますがクラス命名船であるVisionはクラス最後の建造船で同クラス最大の785500弱の総トンを有する船です。
写真のグランジャーは3番船に当たり同型姉妹船は5番船ほエンチャントメントです。 先代ソブリン級とほぼ同じ規模のクルーズ船でデザインも似通っていますがこちらのVision級の方が船長が長く、スレンダー美人といった感があります。
ソブリン級、ヴィジョン級一番船(レジェンド)/2番船(スプレンダー)までは船体の中央部にあったファンネルと周囲ガラス張りのスカイラウンジ(Viking Crown Loungeと呼ばれる)をこの船から切り離してファンネルを船体最後部に移し、その間にソラリウムと呼ぶガラス張りの天井式屋内プールスペースを設けている点が特徴です。
以降続々と投入されるラディアンス級、ボイジャー/フリーダム級そしてオアシス級と再び初代のソブリン級と同じラウンジとファンネルが一体化したデザインに戻っているのも面白い点です。
このグランジャーはソブリンに次いで均整のとれたRCCLのメガシップだと思います。船体側面中央に見えるガラス張りの円筒形の構造は第4から第7デッキまでの4層複抜け構造として有名なセントラム。後ろ寄りにある同様な広いガラス張り構造はグレートギャツビーダイニングを囲んだバルコニーとなっています。
フランス、QE2といった先代のエレガントで美しい船を思うに付けパナマックスサイズ(パナマ運河を通過できる船幅の船)という条件下ではダビンチの人体黄金比率の如く、7~8万t辺りが均整のとれた船の姿になる限界点なのでしょうかね。
このモデルについて
モデルはCM-KRの1/1250ダイキャスト製です。
実はお店から到着した時点で船体固定用としてBox底に貼り付けてある高粘着両面テープから船体が外れて輸送中に動いたようでレーダーマストとファンネルの上部構造が変形し、船首の塗料も少し剥げていました。
気を取り直してこれらの補修に着手です。
1)ファンネル改修:ファンネル上部のパイプ構造はソブリンに近いデザインのですが
今回あえてフリーダムのU字形 に似せてみました。うーん、こっちのほうがいいな。
2)細部塗装の追加:モデル自体の造形は良いのですがこれまたライフボート、プール等
のレジャー施設と喫水線の塗り分け程度しか塗装されていないので大幅な追加塗装が
必要となります。また先に記しましたセントラムやソラリウムは銀で塗装されている
のでクリアーブルーで軽く重ね塗りすると質感が増すようです。
3)船側改修:大きな問題はセントラム等の船体側面ガラス張り構造の前にあるべき支柱
が省略されており、片面5本(計10本)の支柱増設が必要です。
これは今回0.7mmの真鍮線で新造し、船体と同じマットホワイトで塗装しまた。
船体は比較的柔らかい金属製なので支柱を設ける位置の上部デッキ部に精密ヤスリで
溝を付けるように傷を付け、そこに少し長めの6mm長に切断した真鍮線を上下とも
瞬間接着剤で接着固定してやりますと結構ラクに支柱が設置できます。
4)次に船体上部の第9デッキ周囲のブルーグラスシールド等を0.5mmアートペン(青)
でライン引きしてやると船体がきりっと引き立つようです。
5)最後に0.2mmの真鍮線で船首フラッグマストとブリッジ後部左右にアンテナを追加。
ソラリウム横に設置されている左右の衛星通信レドームが小さすぎるので切断して
ガンダム用の関節ボールジョイントセットから適当な大きさのものを選びシャフトを
切り詰めてから底部にピンバイスで穴を開け切断したレドーム支柱に接着しました。
これら追加部分をつや消しホワイトで塗装して完成。
でももう一段小さいボールジョイントにすべきだったかな?
Serenade of the Seas
セレナーデ・オブ・ザ・シー
RCIの9万t級Radiance Classの3番船であるSerenade of the Sea。
一番船のRadiance、二番船のBlillianceそして四番船のJewelの四姉妹。
2003年10月に処女航海し、主に夏は地中海、冬はカリブ海クルーズに従事しています。
高出力ガスタービンを主機としているため他のクルーズ船より若干高速航行が可能となっており、揺動を抑制するコンピュータ制御のスタビライザーを装備した最初のクルーズ船でした。
このモデルについて
Scharbak Models製の1/1250スケールのセラミック系キャストモデル。
全体的にモールドも精細でよくできているのでブルーグラスや船窓等を紺、黒の水性耐水ペンで墨入れしたのみ。堀の深いプライベートテラスルームはそのままとしました。
これだけの追加処理ですがオリジナルのものより結構質感は増したと思うのですがどうでしょう?
Freedom of the Seas
フリーダム・オブ・ザ・シー
ロイヤルカリビアンクルーズラインRCCL(現RCI)から14万2000総tという当時世界最大のメガクルーズシップとして2000年11月に華々しくデビューしたVoyager of the Seas(同型5隻就航)の船長を27mストレッチした拡張型船として2006年に就航したFreedom級(現在3隻就航)の1番船、Freedom of the Seas 15万4400総t。
QueenMary2の就航でキュナードに世界一のメガクルーズシップ運航の栄冠を奪取されたRCCLが再度その名誉を取り戻すべく投入した船(ただし全長はQM2の方が約6m長い)だが現在は同社が2009年に就航させた総トン数22万5千強、船長361mともにの世界最大のクルーズ船Oasis級に抜かれて2位に陥落。その後、他のクルーズラインからも15万t級の船がぞろぞろ就航しているのでもう何位なのか........
このモデルについて
CMKR社製の1/1250スケール ダイキャストモデル。
1)デッキをタンで塗装
2)ブルーグラス部を紺の水性ゲルペンで塗装
3)Viking Crown Loungeや船首VIPスイートや船側の窓類を黒で墨入れ
OASIS of the Seas
オアシス・オブ・ザ・シー
2009年12月にRCIによってカリブ海クルーズに投入された22万5285tの当時世界最大のクルーズ船。
同型姉妹船アルーアオブザシーズが一年後に就航しています。
写真のように船体中央部にセントラルパークと称するストリート状の完全開放空間を持ち、まるで細身の2隻の船を並列合体させた様な船上構造をもっています。
これだけのスーパーメガシップになると船体上部をすべてプライベートルームに充てた場合、窓がないインサイド仕様の客室割合が相当多くなってしまうからだと推察します。中央に解放空間を設け、海側、陸側のアウトサイドルームを多く設定できるアイデアでしょう。最近改修されたボイジャーオブザシーではインサイドルームに大型の液晶スクリーンを壁に設置し、海側アウトサイドルームの如くバーチャルな景色を提供しているくらいです。
すべてにおいて高い顧客満足度を求められるクルーズ船として大きさ的に一つの上限を感じさせるケースであり、設計デザイナーチームも相当知恵を絞った上での回答だと思います。
現在までもこの船を超える25万、30万t級のウルトラスーパーメガシップが出現しないのもそんな理由があるような気がするのですが。
このモデルについて
Scharbak Shipmodelsの1/1250スケールのセラミック系キャストモデル(大きさの割に軽い)。
あまりの巨船にどこから手を付けようか思案中です。オリジナルのまま写真をアップしました。
Celebrity Millennium
セレブリティー ミレニアム
今はRCIの傘下に入ってしまったセレブリティークルーズ。同社が2000年記念に就航させたミレニアムクラスの1番船のMILLENNIUM 9万1000tです。
ギリシャのチャンドリスラインの流れをくむファンネルのXの飾にコバルトブルーとホワイトで塗り分けられた個性的な船体デザインはそのままで斜めからの外観は先代7万t級のクラッシッククラスの拡大版のようにも見えますが、9万tクラスの船体をパナマックスタイプとしたために船長が300m近くに伸びた非常に細長い印象の船です。そのために劇場やレストランといったパブリックスペースを中央客室デッキを挟んだ上層と下層の2層に分けて集中させてゲストの動線を配慮した配置となっていますがそれでもシルバー層のゲストには少しきついとも..........
親会社のRCIの方針がセレブリティーは一段上のラグジュアリーというクラス設定ですのでゲストにも高齢者やハイソの方が多いのかもしれません。
そういった点から船体屋上デッキが何でもござれのレジャーランドではないのがいいですね。
このモデルについて
キットはSCHERBAK SHIP MODELSの1/1250スケールのレジンキットです。
箱絵ではクラス4船選択可能の様な書き方をされていますが別段船名等のデカールが入っている分けではありません。
ご覧の通り船体は一発抜きですが両舷のバルコニーの並んだゲストルームデッキの造形や抜けも良く、後はライフボートとファンネルを含めた屋上の造形物をつけていくだけです。
このキットの肝はホワイトにブルーの船体塗装ですね。
JUBILEE
ジュビリー
英国の老舗船会社であるキュナードとP&O、コスタクルーズ(伊)、HAL(蘭)、プリンセス等の名だたる名門ラインをM&Aで傘下に収め現在世界最大のフリート群を有するカーニバルコーポレーションのメインライン、カーニバルクルーズライン(CCL)の船をご紹介。
今では10〜20万トン超の超弩級クルーズ船が犇めくカリブ海で総トン数5万t弱の中型船ながらもCCLのクルーズコンセプト「ファンシップ」の名を世に知らしめたJUBILEE:ジュビリー。
純白の船体に無数の船窓が並んだまさに白い方舟とも言うべきデザインはその後のCCLのクルーズライナーの模範となっています。
やや後部に配置されたイルカの尾ひれの様にも見える赤と青のCCLファンネルがややもすればのっぺりとして特徴がないと言われるこの船の一際目立つポイントになっています。姉妹船CEREBRATIONや同型クラスの命名船であるHOLIDAY、少し小型のTROPICAL(Holiday級としてはTROPICALは除かれることが多い)の4隻に加え、デザインはほぼ同じで船体を長く大型化したFantasyクラス(7万t級)の8隻がカリブ海に次々と就航しました。
ここまで船体側面に凹凸のない船はCCLのこのシリーズだけで、現在はCCLも他フリート同様にアウトサイドに積み木のようにバルコニー付きキャビンをずらっと並べた、まさに海上ホテルというべき巨大は方舟デザインの船になってしまっています。
まあ、お金を払っている乗船客の方々が楽しくなければ失格ですし、船の外観は二の次なんでしょう。船舶の大型化による低価格路線をとりながら顧客満足度を最大化するとなると船のデザインはおのずと似てきてしまうのかもしれません。
古い定期航路豪華客船クルーズに今も熱烈なファンが多いのも事実ですがプレミアクルーズも潰れるし.........時代なんでしょうね。
2004年までCCLに所属し、P&OクルーズでのPacific Sun時代を経て2012年には中国船Hennaとして存命中です。
このモデルについて
モデルはCMKRの1/1250スケールダイキャストモデルです。
出来も良く、手を加えるとしても船窓の墨入れ程度しか思いつきませんでした。
これだけ不規則に並んだ船窓(実は規則的なんですけど)に墨入れすると目立ちすぎるか悩んだのですが、やっぱり少し窓が目立ちすぎてしまい失敗かな?黒でなくグレーで墨入れすればよかったかもしれませんね。
Carnival Spirit
カーニバルスピリット
8万6千t弱ながらパナマックスタイプの比較的スリムなクルーズ船で同クラスの命名船ともなった一番船(2001年4月就航)です。
この後順次Pride, Legend, Miracleの姉妹船三隻が就航しています。
元々はカーニバル傘下のコスタライン向けコスタ・アトランティカ級の船体デザインと同一で、外見上の差としてトップのファンネルとレーダーマスト廻りのみを変えたもの。 主機はディーゼルエレクトリックですが環境に配慮した低Nox(窒素酸化物)タイプのディーゼルエンジンを搭載しています。環境配慮型というコンセプトも今のクルーズ船の売りの一つですからこの点でも先駆でしょう。
このモデルについて
メーカDragon Waveの1/1250スケールモデル。
客船モデルとしては新進気鋭ですがプラモデル業界では鼻息が荒いDRAGONブランドです。
船体は亜鉛ダイキャスト製ですが、そこはプラモデルメーカとして確固たる地位を築いた同社ゆえに、素材にとらわれずプラスチックで表現した方が質感が出る部分はプラ素材で、細かいレタリングもペイントをベースにデカールやタンポ印刷まで使い分けて新たな世界を作り上げています。
それゆえにこのキットはほとんど手を加えるところが見当たらず、安価な値段に反してとても完成度は高いと思います。 「完成度は高い」と書いたのはやはり鮮やか過ぎてプラモデル的な指向がちょっと強すぎる様にも見え、昔からのメタル客船モデルファンには敬遠されるかもしれません。そんなわけか同社からは以後、後継モデルがリリースされていないようで、個人的には安価な価格帯でもっと商品を出していってもらいたいところです。
MS Starward
スターワード
1968年11月にNorwegian Cruise Lineが就航させたクルーズ専用船スターワード1万6000tです。造船所は独 A.G. Weser, Werk Seebeck。
小さい船ながら何度か船会社を移籍と改修を受けながら現在もサービスを続けている古参クルーズ船の一隻です。
姉妹船にはSkyward、Southwardが。
後にデザインが似通っていたCunardのCunard Adventurerを移籍させファンネル周りを改修し、少し年の離れた末娘SunwardⅡが加わりました。
Sunwardのみブリッジデッキのデザインとファンネルの高さが若干異なっているのはこのためです。
船体後部の置かれた2本のファンネルは現代のカーフェリーのお手本とも言える垂直尾翼のようなデザイン。レーダーマストが立つガラス張りの2階立て半ドーム状のプールラウンジが特徴の純白の船でした。
後期には船体にグリーンの一本帯を追加していました。
最初の移籍先であるFestival CruiseではBolero(ボレロ:1995~2006)と名を変えてこの時代のみブリッジ上左舷よりに大きなレドームを増設しています。
今回のモデルには船体両舷にロゴマークがプリントされていてこれを消すのももったいないところでこのままとしました。
このモデルについて
HANSA社製の1/1250スケールのダイキャストモデルです。
就航直後の姿を模した塗装もほぼ完璧で、細かい塗装傷やはがれ部のリタッチと船首の波よけ部とファンネル部の塗装修正を兼ねたドルフィンブルー塗装部分の追加のみとしました。
後はブリッジとプールドームのガラス窓及びファンネル間のグリル部を墨入れ処理をしています。
最後に50番カタン糸で張り線等を最小限追加しました。
ブリッジ上のフィンアンテナを落として大きめな球状レドームとポールアンテナ類を追加すればBoleroにも出来ますが寸法が大きめな飾り棚は実はこの船の売店で販売されていたプラ製のスーベニアシップモデルで、ネットで個人の方から譲っていただいた物です。
経年変化でいろいろな部分が崩壊(笑)し出していますが瞬間接着剤も効きづらい材質のようで修理は断念。
ただこの台座の裏側には当時のキャプテン、パーサーといった三人の上級船員の直筆サインが入っています。当時クルーズ乗船時に売店で購入したこの品に記念のサインをねだったと記されていました。
NORWEGIAN CROWN
ノルーウェイジャン クラウン
元はRoyal Cruise LineのCrown Odyssey:クラウン・オデッセイ。
同社のフラッグシップでしたがノルウェイジャンクルーズライン(NCL)に移籍し、Norwegian Crownとして永らく親しまれてきた船です。
2007年からはFred Olsen Cruise LineのBalmoralと名を変えて運行サービスを続けています。建造当時は3万4250総tでしたが、1988年にBalmoralとして再デビューした際には全面的なアコモデーション改修を受け4万3500総トンに。
クルーズ船としては船体のLength/Wide比が比較的小さめでずんぐりした割腹のいいというか堂々とした印象を与える船体です。
公室も広く、特にダイニングの豪華さとサーブされるフランス料理には定評が(あるらしい........食べてないので)。
このモデルについて
モデルはCMKR製の金属モデルで比較的新しい時期のもの。
各デッキがきちんと塗り分けられています。ただその塗装が雑なので結局はほとんどの部分を修正しました。
最上部のパノラマラウンジの窓を黒で、その下プロムナードデッキ(このデッキの船首部もブリッジではなくフィットネスジム等のスポーツスペースで占められていて、ブリッジはその下の角窓が並んだ部分です)の防風グラスをブルーにて墨入れ塗装し、ファンネル基部や前部のブラック部も追加で塗り直しています。
あとはレーダーマストやアンテナ類のディテールアップの実施です。
NORWAY
ノルウェー
French Lineの豪華客船S.S. FRANCEがクルーズ専用船としての第2の人生を歩むことになったS.S. NORWAY:ノルウェー。
既に廃船スクラップになり、存命していませんがノルウェイジャンクルーズのフラッグシップ的な存在として同社のクルーズサービスの中核的な存在でしたのでこのコーナーでご紹介としました。
世界的なジェットトラベル時代(なんか古めかしい言葉)による利用客の激減とオイルショックによる運行経費増大というダブルショックで経常的な運行赤字が累積していたフレンチラインは1974年7月の国庫補助金注入打ち切りをもって同年10月にこのフランスの運行停止を決定します。この決定は時間の問題でしたが航海中のフランス船内では母港のル・アーブル入港直前に運行継続を主張する船員たちによってシージャック(これも古い)されるという事件まで起こしました。さすがに乗客は即座に開放されましたが船員たちは同船内で1カ月間籠城するも孤立無援の状態でギブアップ。会社は即日フランスの廃船を決定し係船に。
この廃船となった世界最大の豪華客船に目を付けたのが当時クルーズ業界で躍進するNorwegian Cruise Line(NCL)のオーナー。
彼は格安ともいえる1800万$(当時の邦貨レートで30億円)でフレンチラインからこの船を買い取り、6200万$かけてクルーズ船に改造します。
Norwayと名付けられたこの船には以下の改造がなされました。
1)運行経費の大幅削減策
前部の機関室を廃止し、4軸中の外側2軸を撤去して内側2軸のみの推進
とし高速運行からクルーズ向けの低速運行へと最適化。
2)クルーズに欠かせないサンデッキ拡張策として後部張り出し甲板を設置。
3)ブリッジ前にあったカーゴベイデッキに400人乗りの大型テンダー船を
2隻を収容する昇降装置を新設。
4)船首サイドスラスター新設による港湾内での自立回頭能力の付与。
5)完全モノクラス化と内装リニューアル及び船体塗装の一新。
1)によって前部第一ファンネルは事実上ダミーとなりましたがこれを撤去しなかったのはデザイン的にもこのファンネルが重要だったからでしょう。
それにしても運行経費が往年時の6割減(40%)まで最適化されたという事実からも如何に高速性能に特化した機関回りであったかが分かります。
3)のリトルノルウェー1、2と名付けられた大型テンダー船(はしけ)は元大洋横断定期航路船ゆえの喫水の深さによって直接接岸が不可能な小さな寄港地も多く、船客の乗下船をスムーズに行うための奇策でした。
一回の往復で800人が移動できたのですから数回で全乗客の乗り下ろしが可能となりました。デザイン的には強引な感もありますが、ここまで来ると機能美が勝ってなぜか許容できるようになるのは自分だけでしょうか。
このモデルについて
さて、手に入れたモデルは製造元不明の素材もメタルではなくレジン素材のキャスト製の様です。そのためか細部蝕刻の切れがイマイチですがほぼ無償でした。
塗装作業は多少の塗装剝げの修復と船窓の墨入れだけです。
追加作業として第二期近代化工事で改造された船上中央部のインマルサットと思われる海事通信アンテナドームと船体中央部の船名プレートを追加。
入手モデルは第一期工事直後の外観がまだフランスそのものだったときのものですから海事レドームの追加はご愛嬌。
NORWAY 改修版
鮮明な俯瞰のカラー写真が手に入ったので、船体色の変更とデッキ塗装の改修を済ませました。
上部に展示したメーカーオリジナル時の船体塗色は水色に近く、入手時から変更を考えていました。もう少し紺を強めた色合いにしたかったのですがファンネル塗分けパターン最上部色に合わせた色合いにしてみました。
各デッキと2隻のテンダー内はもう少し赤みがある赤茶色のようです。
後部より
NORWAY (最終形体)
その後1990年に2回目の改造を施され、オリジナルの最上デッキに12・13階のアルミ製軽量フルラウンドグラスデッキを乗せられた時の姿です。
ほとんどがペントハウス、バルコニー付きスイートルーム等の高級船室とサンデッキ拡張を目的としたものでしたが、2本のフィン付ファンネルから元はフランスだったということは辛うじてわかりますが優雅な姿は崩れ、無骨になってしまった様に思います。もう少し何とかならなかったのでしょうかね?
それでも往年の名船フランス時代のファンもあって活躍をつづけました。
運行会社NLCの業績悪化によるサンクルーズラインへの吸収統合、何よりも船歴の古さは如何ともしがたく、もはやボイラー周りの寿命は限界に達しており機関室周りの大改造が必要と診断されたその矢先にボイラーの爆発事故を起こしてしまい、船員に多くの死傷者までだしてしまいます。
係留型のカジノ船への転用やら、第3の人生を模索された本船も結局廃船と決定されてしまいます。船名をBlue Lady:ブルーレディーと改名されスクラップヤードへ。
その廻航中に今度は機関室で多用されていたアスベストの撤去問題が持ち上がり、スクラップ地への接岸寄港すらままならない状況に陥ります。すったもんだした揚句に受け入れを許可したインドで44年の生涯に幕を下ろしました。
このモデルについて
入手したモデルは中古のCMKR社1/1250スケールのダイキャストモデルです。
最初の写真のようにファンネルの間の船名板が破損紛失し、細かいパーツも紛失していました。
ただ今回国際荷受け請負業者のミスによる物品行方不明騒動に巻き込まれ、商品到着時には船首、ブリッジ他のあちこちが潰れ、大きなダメージを受けて到着という想定外の事態に。当館第3展示室にて展示中のREXよりも重傷で修復に倍の時間がかかってしまいました。
1)まず船首と右舷ブリッジの潰れの修復から、いつもどおり船首の潰れを慎重に精密
ハンマーで叩き出して整形・研磨。フラットを足したロイヤルブルーとフラットホワイトで修正塗装。艦橋は折りたたむように潰れた部分をこれまたゆっくり、慎重に引き出しながある程度整形したのち、底からプラ板で目立たぬように補強。
同色塗装でなんとかごまかしました。
2)ネームプレートは0.4㎜の針金を一筆書き状に折り曲げ同サイズのアルファベットを
準備し抜け部分に接着した後塗装しました。
3)第一ファンネル上部の衛星通信ドームを新設。
4)船首アンテナブームに0.2mmの新抽選でアンテナ2本追加。
5)メインレダーマストを修正・塗装。
6)後部マストに不足上部構造(アンテナ)を追加し、後部のスリット部を塗装再現。
7)船窓の墨入れ
8)喫水線以下の塗装にムラがあったのでこれも修正。
9)船首と船尾のフラッグポール新設。
なんとかここまで仕上げました(本人は満足です)。
SEA WARD
シーウォード
Norwegian Cruises Lineが1988年に本格的専用クルーズ船として投入したSEA WARDS 4万2275総tです。
造船所はWärtsilä Perno Shipyard。
1997年に改名したNorwegian Seaやアジアクルーズの雄スタークルーズに移籍後(2005年)のSuperStar Libraとしてご存じの方が多いかもしれません。
1980年に始まった第2世代クルーズ船からのクルーズ船大型化。80年代後半には次世代巨船計画(当時ですよ)として4万t越えのクルーズ船の発注計画の公表が続きました。P&Oのロイヤルプリンセス、カーニバルのホリデイやジュビリー.........その流れを受けた一隻がこのシーウォードです。
4万t級といえば確かに豪華客船TITANICに近い総t数ですから当時クルーズ専用の超大型船/巨船建造の文言が踊ったのも無理もありませんが、その後ロイヤルカリビアンが7万t越えのクルーズ船ソブリン・オブ・ザ・シーを世に送り出したのを皮切りにクルーズ業界は10万、15万そして20万t(アリュール・オブ・ザ・シーズ:22万5000t)と超弩級船建造競争に突入していくことをだれが考えたでしょうか。
このモデルについて
HANSAの1/1250スケールダイキャストモデルです。
同社パシフィックビーナス同様に全体的に綺麗に塗装された好感の持てるモデルです。
しかし残念なことにボートデッキ上にある屋上プロムナードデッキを支える支柱類が省略されているのと船首と船尾の下部までホワイトのスプレー塗装が行き届いていない点は大きな減点。
ただ塗装不良の件は印影強調の意図的方策なのかな?とも思える節もあります。
支柱の省略はCMKRのグランジャー・オブ・ザ・シーでもありました。製造工程上やむを得ない所なのかもしれません。
まあここはグランジャー同様に真鍮ロッドを使って支柱を追加再現してみました。
まずは左右のブリッジの張りだしは各2本(5.0mm・0.6φ)、ボートデッキはライフボートを挟むように支柱を7本立てていきます(6.1mm・0.6φ)。ただしプロムナードデッキ張り出しの最前列と中間部の一本は少し細めの支柱のようなので0.3φくらいの真鍮線に換えてみました。
あとはレーダーマストとファンネル前面のグリル状パネル部も塗装で再現。
ファンネル根元のハウス構造物もゲルペンで塗装追加してあります。
最後はプロムナードデッキ全周のスモークグラスの上下のライン出しとともに船側のウィンドウやブリッジに墨入れをして完成です。
久しぶりにちょっと手間をかけました。
船首部(船尾も)の塗装不良
ボートデッキの支柱が省略
フラットホワイトによる再塗装と真鍮線によるデッキ支柱を再現しました。
オリジナル
オリジナル
オリジナル船首部
オリジナル船体後部
改修後
改修後
改修後船首部
改修後船体後部
Norwegian Wind
ノルウェージャン ウィンド
ノルーウェージャンクルーズラインが1993年に就航させたWind Wordがこの船の前身。カリブ海クルーズに従事する3万9000tのクルーズ船でしたが、1998年に姉妹船のDream Wordとともに船体中央部を40mストレッチするという大改造を施され5万t強の堂々たる船容に生まれ変わりました。
この船体ストレッチは改装前船体長の20%(190mから230m)でしたが数値以上に巨大化したように感じるのは錯覚なのでしょうか。
もともとクルーズ生活でゲストに物足りなさを感じさせないよう良く考えられた船内設備と配置が為されていた船でしたが大型化に伴い多数の乗船客がスムーズに移動できる様、さらにその動線を考慮して公室配置を行い、クルーズの長期化を考慮してゲストの食へのサービス・設備にも力が注がれています。
2004年から傘下のスタークルーズに配船され2007年に正式に移籍し、アコモデーション改装を受けSuper Star Aqueriusとしてデビュー。
ディーゼル機関(2基)による最高速度は21ノットを記録しています。
Norwegian Wind (Wind Word時代)
完成・就役 1998年 (1993.03.04)
処女航海
総t数 50760総t (39127)
船体長 229.8m (190.04)
船体幅 28.85m (28.85)
このキットについて
Albatrosの1/1250スケールダイキャストモデル。
外観、細部とも良い出来のモデルなのですが船首に大きな塗装はげに加え、縦に大きな亀裂も走っていましたので格安価格でした(たぶん床に落としたのでしょう)。
この程度のダメージはもう慣れっこですから逆にお買い得だったかも。
1)船首の縦ヒビには低粘度の瞬間接着材を充填・乾燥後、軽く研磨。
船首の波よけのゆがみ(前所有者の方が修正にトライしたのか潰れのような船体
ダメージは僅少でした)を叩き出しと研磨で修正後にグランプリホワイトで厚塗り修正しました。
2)船体中央スカイデッキ張り出し部の塗装回込み 不良は筆塗りで終止し、墨入れを
実施。
3)船体部に散見する小さな塗装剥げと塗分け部の被りを修正。
4)喫水以下のブルーラインのゆがみを修整。
等を施しました。
船首の亀裂
船首のダメージ
修正後の船首部
正面の姿
後姿
SUN PRINCESS
サンプリンセス
カーニバルの軍門に下ってしまった老舗のP&Oクルーズ(ペニンシュラ・オリエントライン)の子会社であるPrincess Cruisesの豪華クルーズシップ「Sun Princess:サン・プリンセス」。
7万7000総tのこの船は1995年の就航時世界最大のクルーズ船として話題になりました。
世界的なデザイナーを何人も起用して建造された本船は外観のみならずその内部にも趣向が凝らされており評価が高い船です。
今では14万t級のロイヤルクラスも就航しておりこの船も中型船扱いです。
本船がクラス命名船となったSun Classには姉妹船にDoan Princess、Sea Princess、Ocean Proncessの4船がありますが4番船のオーションプリンセスは就航直ぐにP&Oクルーズに移籍しています。すべて基本的に同じコンセプトで造られており、特に「ゆとり空間:Spacious」を掲げたゆったりとした船内施設が自慢の船です。さすがに老舗P&Oの船らしく白い船体が似合います。
2013年春から日本を起点とするジャパンクルーズの企画を展開するためにこの船が配船されており、TVコマーシャルでの露出も相まって日本でもなじみの深い船です。
このモデルについて
モデルはMercatorの1/1250スケールメタルモデルです。
すでに同社のモデルシップは市中の在庫と中古品の売買でしか入手できない状況ですがこのモデルは同社製品の中でもP&Oのオリアナ、キャンベラに次ぐ出来の良いものでした。
ファンネルの細かい造形や各デッキの塗り分けのみならずサンチェアー等の小物がずらっと並んだプールデッキやサンデッキはこの価格帯でよくぞここまでと思えます。
ただ今回入手したものはクリスマス商戦時期の注文だったためか、専用箱の中での固定が甘かったようで発送用の専用箱の緩衝材の海の中で何度も専用箱裏に打ち付けられたらしくファンネルの8本の排煙管は根元から折損し、細かい突起物はすべて折れ曲がっていました。
専用箱、外箱にまで折損部品がこぼれおち、折損部品を探すのに一苦労した位です。
郵送箱に壊れ物「Fragile」のシール一つ貼られていなかったのも一因でしょう。
まあ部品はほとんど見つかりましたのでまずは修復、修復。
ほぼ修復が完了したところで、ブリッジの窓、船首のラウンジ周りのブルーグラスに墨入れし、ファンネル周りの塗装を微調整しました。
Disney Magic
ディズニー・マジック
ディズニークルーズ初の自前豪華クルーズ船ディズニーマジック8万4000総tです。
Magic級の命名船であり2番船にはDisney Wonderが就航しています。
フロリダとバハマのディズニープライベートアイランド、キャスタウェイ・ケイ間を運行するクルーズ船で1998年に竣工しサービスを開始。現在は13万tのDisney Dream級2隻を合わせ4隻体制で運航しています。
このモデルについて
1/300 Scaleの木製ハンドメイドモデルです(多分中国製?)。
通常この手のハンドメイドモデルはほとんど船体長が寸詰まりで縦長のモデルが多く、なぜちゃんとプロポーション重視のスケールモデルにできない!とため息がでるものばかりなのですが、このモデルはそれでもまだいい方と思いました。
モデル長が1mで実船長が300mですのでほぼ1/300スケールとしました。
さてさて出来はそこそこのこのモデル、米国のショップから日本まで到着するのに難儀したモデルでした。ショップではまあそれなりの木枠組みに固定して段ボールに入れ送ってきたようですが最終輸送請負の国際宅急便側がこれでは商品輸送を保証できないと判断したらしく追加補強の梱包を承諾してくれるかとメールで問い合わせが。このままショップに返送返金させるのも申し訳なく、承諾の回答しましたところ、梱包にお時間をいただく旨の返答が(少し嫌な予感も..)。
1か月ほどして届いた荷は予想だにしなかった度肝をぬかされる姿で。
ツタンカーメンの棺でも入っているのかい!?といった太い木で組まれた木箱に木蓋は五寸釘の如く太い鉄くぎで厳重封印。自前の釘抜きでは全く歯が立たず、すぐさまDIYショップで50cm位の頑丈なバールを購入して悪戦苦闘の末に開封。
その中にショップの梱包のままにきちんと入っていました。
ショップ梱包の寸法に併せハンドメイドの頑丈な木箱を造ってくれたようです。
いやいや、大物の空輸はご法度と肝に銘じた事件でした。
MV RADISSON DIAMOND
ラディゾン ダイアモンド
RADISSON Seven Seas Cruise(現Norwegian Cruise Line 傘下Regent Seven SeasCruises)が1992年に当時世界初、最大の半没水型大型双胴客船として就航させたラディソンダイアモンド 2万295総tです。建造はフィンランドのRauma Finnyards。
就航当時はこの様な大型の双胴船が広いデッキスペースの確保と大洋の荒波下での安定性の両立策として実績を作れるか世界の注目を集めました。
比較的低速域の航行速度を選択したこの船は2台のWärtsiläディーゼルエンジンを搭載して12.5ノットでクルーズサービスを実施。
2隻のスリムな船体を並べ上部を結合するように広いステージ状のデッキを載せた本船はその高い容積率を生かしてスペーシャスで豪華な公室や客室もハイクラスの設備を有する全室アウトサイドキャビンが自慢でした。また双胴船体水没部に設けられた海中展望室はこの船自慢の施設です。
船としては現在までクルーズサービスを継続(2005年からはクルーズカジノ船)していることよりそれなりの成功を収めたようですが、その後このタイプの船は近海航路向けの小型高速連絡船や特務用途船としてしか建造されていません。
このモデルについて
HANSAの1/1250スケールのダイキャストモデルです。
ご覧の通り特殊な形状の再現、ラディソンの塗装のみならずデッキも綺麗に塗装されています。
①しかしスプレー塗装が届かなかったのか船底となる内側部が金属地金のままでした
ので船首と船尾部底部内側も艶消しホワイトで再塗装。
②船体キャビン窓部ブルー帯部のラインの乱れを0.05mm4の水性ゲルアートペン(青)
で実施
③船首のブリッジ窓等を墨入れ
④2本のファンネルの先端排気管群をフラットブラックで修整塗装
等を追加で施しています。
オリジナル船首から
オリジナル船尾から
改修後船尾から
オリジナル船首部
オリジナルデッキ
MV EUROPE(Ⅴ)
オイローパ
ドイツのHapag-Lloydが世界に誇るファイブスター+(プラス)の豪華クルーズ船 MS EUROPA(V)です。
Hapag-Lioydの前身である北ロイド社の初代大西洋定期航路船から数えて4代目となる同船は当然同社のフラッグシップでした。同様に高い評価を受けてきた先代オイローパ(4代目)を1999年にスタークルーズに売却した(MS Saga Sappireと改名)Hapagが同年、9の並ぶ1999.09.09にデビューさせた次世代型クルーズ船で、それに相応しい未来的なフォルムにファイブスター+の格式の高さを詰め込んだ新造船です。
決して華美な豪華さはなく、質素とも思えるドイツ堅気の堅実でモダンな内装を売りとしています。
28,600総tと比較的小ぶりな船体ながら船客数を抑えて一人当たりの専有トン数が71tとこれまた大きなスペースを割いていることからもそのサービスのクオリティ-の高さが伺えます。
先にも述べましたが格式高い豪華船と思いきや、船体後部に複数のゾディアック(元々は軍事用ボートのこと)を装備し、小型の船体と相まって各地の秘境クルーズを回るといった船客の冒険心にも十分に応えられる船として設計されています。このタイプのクルーズ船は需要も高く、当時からキュナードのシーゴッテスⅠ、Ⅱ姉妹船をはじめ、シーボーンクルーズのスピリット、プライドとレジェンドの3姉妹や日本が送りだした「おせあにっくぐれいす」などが一部の根強いファンを獲得しつづけています。
ただしこれらの船は5,000~10,000tの小型プライベート船であり、このオイローパはこれらのコンセプトを踏襲しながらさらに船体を大型化した船とも言えます。
事実Hapag-Lloydは1997年にこれらのプライベートクルーズ船のコンセプトそのままに船体を14000tと少し大きくしたColumbus:コロンバスというこのオイローパの先駆けとも見えるワールドクルーズ船を就航させています。
コロンバスの成功からさらに船体を大型化し就航させたものがオイローパということになるのでしょう。
このモデルについて
モデルはCMKR製の1/1250スケールダイキャストモデル。
同社の製品の中でもこれまた出来がよい部類のひとつです。
各デッキがきちんと塗り分けられていたり、船体後部デッキの天蓋布屋根まで再現されており、船体最後部のボートプラットフォームにはゾディアックと思しきモールドもあります。
今回中古品を市価の半額以下で手に入れたので船体が若干薄汚れており、まずこの汚れを中性洗剤の希釈水を含ませた布でふき取って船体本来の白さを復活させました。
次いで擦れていた船体の緑と朱の2本ラインを水性ドローイングペンで引直しました。
黒と青の水性顔料ペンで船窓等を墨入れし、ファンネルの煙道パイプを黒から銀にプラカラーで塗り直しました。
またどう見ても塗り残し?のように見える一部デッキの未塗装部(デッキ幅が狭すぎて塗れかった?)を追加塗装しました。
このモデルは1999年の就航当時の姿のため、衛星通信レドームがレーダーマスト直後に一基あるのは正しい姿です。しかし2004年に実施されたアコモデーションでこの衛星通信レドームは2個に増やされ、ファンネル前の後方デッキに移されました。
こちらの方が見栄えがいいのでこれらを追加してしまいましたが、そうすると本来ならこの改装時にゾディアックもファンネル直後の最上階デッキに移動されているのでこれも再現しなくてはいけないのことになりますが後部デッキ全体の大改造となるためパス(だったらドームもそのままにそとけばいいのにということですが)しました。
MS Hamburg
ハンブルグ
この船は上のオイローパ(Ⅳ)においても取り挙げましたが同社が1997年に就航させた1万4000tのラグジュアリーワールドクルーズ船Columbusが前身です。
2006年6月、あまりクルーズサ-ビスには縁がないConti Grpupに売却され、オペレートはPlantours Kreuzfahrtenが受け持っています。
基本的にColumbus時代と大きな変更はなく、サービスもカリブ海や地中海といったメジャーな地域から耐氷能力を生かした極地探検と世界中を駆けまわっています。
このモデルについて
CMKR社のダイキャストモデルです。
小さな船体の割に船首の部のデッキ構造がきちんと再現されているためデッキの塗り分けも心して実施しないといけませんね。アウトサイドルームの船窓は窓が大きいので黒で墨入れすると純白の船体が少し汚く見えてしまうかもしれませんのでグレー辺りで実施しようと思っています。
M/Y Alexthunder
アレキサンダー
1965年ドイツのLubecker Flender 造船所で建造されたモーターヨットAlexthunder です。
プライベートラグジュアリーメガヨットの走りとされるこの船はキャビン数39室80人のゲストに対し60名のクルーという接客サービスの高さとそのゴージャスな設備に注目が集まりました。
船はギリシャの船舶富豪Jhon S. Latsisのプライベートヨットになっていましたが1985年にHapaq-Lioydの手で2年間に及ぶ改修を経てチャータークルーズヨットへと生まれ変わりました。
40室に増強されたキャビンにはジャグジー付きの最上級マスタースイート、14室のスイートと12室のステートを設定。室外プールにはスパプール、会議室にバーや映画館、加えて小児用プレイルーム、病院施設に美容サロン、ギムナジウムまでも設けられ、クルーズ中のゲストに不自由を感じさせない設備を誇っています。
後部デッキにはヘリポート、各寄港地で活躍する探検用ゾディアックも搭載しています。
Hapaqにとっては後日高い評価を得た前述のコロンバスやハンゼアティックといった同様の小型ラグジュアリークルーズ船のコンセプトをまとめあげるきっかけになったのではないでしょうか?
残念ながら現在は係船中とのこと。
このモデルについて
アルバトロスの1/1250スケールダイキャストモデルです。
小粒ながら出来は上々。グリーンに塗装されたデッキ部以外はタンで追加塗装しようか迷いましたが小さなモデルですのでこのままに。
追加の加工は船体塗り分けラインや塗装かぶりの微小な修正に加えて船首デッキの附機類塗装。
跡は後部デッキに集中しています。
ヘリパッドの目印を0.5㎜の白と黄色のアートラインをカットして描画。
プールは厚紙、ジャグジー(スパプール)は綿棒の柄をスライスしたものです。
ファンネル排煙管部とその排煙による汚れを目立たせない目的と思われる後部マストの上部を黒で塗り分けてみました。
改修後船首から
オリジナル
改修後船尾より
オリジナル
船首部
船尾部
MS HANSEATIC
ハンゼアティック
1991年ドイツのHapag-Lloydが小型エクスプローラー/ラグジュアリークルーズ船コンセプトの先駆となったCunardのSea Goddessに習って就航させたクルーズ船でファイブスターの栄光を冠するハンセアティックです。
Sea Goddessのコンセプトは日本において「おせあにっくぐれいす」や「フロンティアスピリット:Hapagに売船後BREMENとして活躍」といった耐氷性能を持ち、北極、南極までを含む極地対応型のエクスプローラークルーズ船を生みました。
このハンセアティックもこれら日本船と同様に極地探検に加え、さらに南国の珊瑚礁域では搭載したグラスボートが活躍するといった世界広域クルーズ船として設計されています。
造船所はフィンランドのRauma Repola Oy Shipyard。
喫水の浅い小型船故に大型クルーズ船が入れない海域にまで直接立ち寄れ、さらに数隻のゾディアック(大型のゴムボート)を搭載してさらなる奥地まで探検を可能にする行動能力に加え、洗練された船内設備とサービスによりクルーズファンのみならず知的好奇心の旺盛な人々の要求に応えています。
Hanseatic
完成・就役 1991.01.05/1991.06.07
処女航海
総t数 8378総t
船体長122.8m
船体幅18.0m
このモデルについて
Holsatia Modellの1/1250スケールダイキャストモデル。
オリジナルの状態で船窓やファンネルグリルの墨入れくらいしか手を加える必要がないほどの良い出来でした。
1993年の就航後まもない頃の姿ですから今の姿に近づけるならファンネルをハパク・カラーのオレンジとブルーに塗り替えマークも現在のハパクマークに、船体ラインも同色一本ラインにし、ファンネル前にも大型通信ドームを新たに設置しないといけません。結構大仕事です。
現状2本の細いオレンジラインの仕上がりが素晴らしいのでここは就航当時の姿のままで。
オリジナルの姿
墨入れ等修正後の後姿
CRYSTAL HARMONY
クリスタルハーモニー
日本郵船系のクリスタルクルーズが1990年にデビューさせた4万8621総tの豪華クルーズ船、クリスタル・ハーモニー。
造船所は三菱重工長崎造船所。
船名命名者は米国女優、コメディアンヌのメアリー・タイラー・ムーアです。
デビュー1年後にはファイブスタープラスの評価を受けるほどの洗練されたサービスが好評を博した国際的レベルのクルーズ船です。5年後には姉妹船クリスタルシンフォニーが就航、さらに2002年には6万t級のクリスタルセレニティーが投入され、クリスタル3姉妹として有名になりました。
クリスタルクルーズの親会社である日本郵船クルーズのフラッグシップだった飛鳥の売船によって2006年に本船は日本郵船に配船替え(実際はグループの業績改善を目的とした体制合理化で逆のプロセスだった)となり、現在は飛鳥Ⅱとして活躍しています。
このモデルについて
当館初の小西製作所のメタルモデルです。
ハンドペイントによるデッキ等の塗装にはムラや被り等がほとんどない丁寧な仕上がりです。
少し古いもので海外コレクター放出品を安く譲っていただいたものです。
船体には埃が薄っすら積り、船側のところどころにはヤニ状の汚れも。
左舷をぶつけたか落としたかで船首ブリッジウイングが若干折れ曲がり、船体にも多くの塗装の欠けも。まあ新品の半額以下でしたからこの程度は良しとしましょう。
まずいつも通り中性洗剤の薄め液を含ませた綿棒でデッキ等の埃や汚れを除去。
次いで洗剤液でも落ちなかったヤニ汚れ?はエナメル塗料薄め液をしみこませた綿棒で擦りながら除去。これだけで結構見栄えが良くなりました。
曲がったレーダーマストと左舷ブリッジウィングを精密ラジオペンチで丁寧に修正後に再塗装し、塗装の剥がれも再塗装してダメージ個所の修復は完了。
次にこの船の顔でもあるブリッジ上、リドデッキ正面のガラス張りラウンジ部の修正にチャレンジしました。
このオリジナルモデルではラウンジ正面にスリット状の窓枠が付けられていますがその形状や高さが少しオーバー表現気味に見えます。
そこでまずスリット内にMICRO KRISTAL KLEARゾル液の膜を爪楊枝を使い形成させ一晩乾燥させて透明膜としました。次いで窓枠の上部を拡張するようにグラスウォールの高さを狭め、印象を実船に近づけました(まあこんなとこかな)。
ファンネル前部のプール上部の可動式グラス天井も枠だけですので同じようにKRISTAL KLEAR液でガラスがはまっている様に仕上げました。
船尾から
本船の特徴を良く捉えた造形
グラスドームも被膜加工を
オリジナル造形
ゾル膜を形成
乾燥後の透明被膜
窓枠の修正
WIND STAR
ウィンド スター
1986年Wind Star Cruisesがハイテク技術を満載した新型帆走クルーズ船として世に送り出した3姉妹船の長女、Wind Star 5300総t。
同規格の姉妹船にはWind Spirit、Wind Songの2隻がありましたが後者はエンジンルームでの火災から2003年に沈没喪失しています。
古き良き時代の木造帆走客船の香りを残しつつ、コンピュータ制御の帆操システムにディーゼル機関推進機一基を補機として搭載。また揺動防止のフィンスタビライザーまで搭載して凪いだ海においても静かな航海を約束。
このウィンドシリーズは細身の船体ながらよく考えられた公室や船室のレイアウトと加え、内装もシックで豪華クルーズ船に劣らぬグレードに設定されています。特にクルーズ中の船外マリンスポーツとの親和性を十分に考慮した船尾のマリンアクセスステージも全船に標準設置されており、多種のマリンスポーツを愛するゲスト達に好評を博しています。
マリンスポーツを愛するマッシブな客層のみでなく、ゆっくりと船上での風と潮の香りを楽しみたい高齢層等のゲストまでに愛される船としてそのコンセプトの先駆となった船です。
レジン製のモデルです。製造元はRich Creation Internationalという会社。
実船の船長が134mに対しモデル長はジャスト200㎜ですから1/670スケールと国際標準スケールの約2倍の大きさのモデルです。
現役クルーズ船ですが現在は船尾に大型通信用レドームを設置していますのでフロアー塗装、船窓墨入れとともに改修しようと思っています。
クルーズ船交換パーツ
1/1250スケールのモダンクルーズ船のパーツセットです。
落として破損したり、取れて紛失しやすいレーダーマストやクレーン、衛星通信レドーム等のパーツセットですが少し前の定期航路客船の改装ディテールアップ用にも使えます。
このセットと共に貨客船のマストやデリックポスト、デリックブームのセットもあります。
MV Seabourn Odyssey
キアヌ・リーブス、サンドラ・ブロック共演の映画「SPEED」の続編となる「SPEED 2」は舞台をバスから豪華クルーズ客船に移し、降板したキアヌに替わってサンドラブロックを主役としてまたまた爆弾テロと対峙するといったストーリーでした。今回はこの映画の舞台となったMV Seabourn Legendを含む数々のラグジュアリークルーズ客船を運航するSeabourn Cruise Lineが自社新造船第二陣として世に送り出したOddasey級の一番船、3万2346総tの船です。
Seabournの船は初代新造船Pride、Spirit、Legendの三姉妹からその船体デザインをほぼ踏襲させて大型化したものでSeabournスタイルと呼んでもいいスタイリッシュな姿をしています。
初代三姉妹の後に数年間のみ他社から移籍運用した3隻の船(Seabourn GoddessⅠ&Ⅱ、Seabourn Sun)のみはさすがに外観は異なり、GoddessⅡは英国船の展示室にてCunard船の展示コーナーにてもSea GoddessⅡとしてモデルを展示中です。それでも雰囲気の似た船と言えるでしょう。
無論2021年現在、現役船です。
メーカー名不詳、1/1250スケールのレジン製モデルですがディテールは素晴らしいと思います。
惜しむらくは喫水線の赤ラインの一部が乱れているので(マスキングエラーでしょう)後ほどレタッチ修正します。
先の写真をアップした後に気が付いたのが左舷側ファンネル整流フィンが欠損していたこと。
仕方ない。ここはプラバンで修復するしかありませんね。
Seabourn Odyssey 修復完了
①喫水線のレッドラインの修正
②船体側面の浅い船窓モールドと
アンカー収納部の墨入れ
③前部ブリッジ上のパラソル状天蓋
構造の塗分け塗装
④中央サンデッキプール前のハウス
部窓等の改修
⑤左舷ファンネル上部の整流フィン
の修復
等を行いとりあえず修復完了としました。
2023.10.13追記
2023.10.12 商船三井が同社のクルーズ事業部商船三井クルーズの拡大計画を発表。三井オーシャンクルーズと社名変更するとともに新規にこの「Seabourn Odyssey」を購入し「Mitsui OCEAN FUSI」と改名して現役のにっぽん丸との2隻体制でクルーズサービスを提供すると発表しました。2024年12月に国内クルーズにてデビュー予定。
修復後の船首より
修復後を船尾から
整流フィンの欠損修復