4号館A:ガラス器・陶磁器の世界

この4号館では世界のガラス器や陶磁器の収蔵品を紹介します。


シャンパングラス 

BIMINI Factory

1923年から15年間の短い期間オーストリアで製作活動していたビミニ工房時代のシャンパングラスだそうです。

ステムのバブル内に紅白のS字飾りが取り付けられた対グラスです。

当時26文字各一組ずつしか造られなかったといわれていますので世界で一セットのグラスということになります。

手作りとあって対でも大きさが少し異なっている様です。

 

それにしてもガラスの写真は難しいですね。もっと勉強しなくちゃ。



Venetiak Wine Glass(MURANO GLASS)

ステムに海獣(海豚)の細工が施されたワイングラス(赤)です。現代のものでつい最近までネットショップでも取り扱っていましたがいまはすでに完売状態とのこと。

多分ムラーノ島のガラス美術館には年代のあるアンティークグラスが展示されているはずです。

家の近くの骨董店で手に入れました。

4脚飾られていました。1脚ごとでもお売りするが4脚まとめてくれればお安くするといわれて購入を決めましたところ、実は5脚あったのだが1脚の金彩の海獣飾りの胸鰭の片方が取れてしまったとのことでこれも持ってってくださいとおまけで5脚いただきました。

胸鰭の接合部が弱かったのかもしれません綺麗に外れていましたので少量のクリアー系接着剤で止めたところ全く見分けがつかなくなってしまいましたのでこの1脚のムラノのシールは剥がしてしまいました。

 

金彩海獣飾り 

 

5客セット



Venetian Champagne Glass

これも近くの骨董屋さんで見つけたものです。

時代も産地もよくわかりません。

ステムの金と瑠璃色の飾りからベネチアグラスではないかと思っています。

葡萄色がかったピンクの色ガラスで金彩の中の瑠璃がマッチしてます。



Load of the Ring Goblet(エントの杯)

指輪物語を映画化したロードオブザリング3部作。

日本でも大反響を呼んだ映画でした。

その映画の中で登場したかどうか定かではないのですが、樹木を模したピューター製ステムにグラスがはめ込まれている高さ16cm強の杯です。

ピューター製品で有名なROYAL SELANGOR社製の公認グッズでEnt White Knightと名付けられた杯です。

この他12の図柄がありアルコール度の高いお酒を注ぎ、火をつける写真が掲載されているパンフレットが同梱されていました(2015.02.11追記)

 

 

シリーズパンフ

 

 

  



Meissen Cristal Champagne Flute #msc007161

クリスタルグラスに精細な蝕刻でアラビアンナイトの一場面が描かれています。

マイセンクリスタル製で図柄違いのシリーズものです。自宅近くの骨董屋さんで買い求めました。

2つとも同じ図柄で箱もないとのことで安くしてもらいました。

 

一客プレート部のチップ

 



Glass Plate

厚手のガラス板の裏面にバラとカスミソウの花束を立体的に描いたものです。

多分花束はプレス製法によりものではないでしょうか?(骨董屋さんは溶着製法ではないかとおっしゃってました)時代ものではないと思います。

飾り皿のようですが3つのバラの蕾がちょうど3点支持の足のように板が水平になりますので、花台や冷製料理とかデザート用の皿にも使えるかもしれません。



Glass Decor 「ファイアー」横山尚人作  1994年

日本の現代ガラス工芸の第一人者の一人、横山尚人さんの作品で「ファイアー」と命名されたガラス器です。杯部表面の細かいドットは金粉です。

高さは16㎝、上部径10㎝の小ぶりながらもとても重たい作品です。

底部の「naoto」の署名が刻印されています。

 


Val-saint-lambert   Wine Glass   1930s

関西の骨董屋さんから譲ってもらいました。

骨董屋さんの話ではベルギー王室御用達のバルサンランベール1930年代のワイングラスということです。

関西の有名百貨店でガラス専門店を開いていたお店が閉店した折に引き取ったものだそうで、そのガラス店主さんが直接欧州に買い付けに行ったものだそうです。

サインやシールはありませんでした。

高さ152㎜、カップ径90㎜の肉厚手のクリスタルグラスのハンドカットによるグラスです。

ステム部も全面ダイヤカット、フット裏は剣菊文。

一目で気に入り2脚セットでもらいました。



Val-saint-lambert   Champagne Glass   1930s

このシャンパングラスも上と同じ経緯で入手しました。

高さ125㎜、カップ径94㎜。デザインから同じシリーズとして作られたものと思います。

ステムのダイヤカットは丁寧に面取りされていて非常に持ちやすいグラスです。

これも2脚セットでいただきました。(2脚で微妙に寸法が違いますが1㎜内でほぼ同じです)

 



Val-saint-lambert   Wine Glass   1930s

これも同じ経緯で入手した同じデザインシリーズのグラスで大きさが異なる各1点(セットで残っていなかった)ものでした。

中:高さ119㎜、カップ径70㎜

小:高さ100㎜、カップ径56㎜

 

 


窯彩ガラスグラス 雨宮喜能登 作

淡い紫のクリスタルガラスに雨宮さん独自の窯彩図柄を焼きこんだグラスです。

窯彩は釉薬(粉末ガラス)でガラスに絵を描きそのままガラス器の上で焼成定着させる技法で古くは19世紀にガレが広めたものですが、釉薬の調合、手作業による彩色、焼成工程の温度管理等手間と難しさが付きまとい、いつの間にか廃れていったガラス工芸手法でした。

作者の雨宮さんが長年の研究により技術を復刻し、現在国内では唯一制作されている方です。

口直径68mm✕高さ122mmの小ぶりのグラスに紋章と花文をあしらったシンプルなものですがグラス自体の淡い紫色がとてもきれいです(背景を白にすべきでしたね)。2客セットでハードケースに仕舞われています。

ハードケース内 

 

 

作品紹介小冊子

後面彩色柄

グラス底部



German Clystal Vase

近所の骨董屋さんにご挨拶がてら顔をだしたところちょっと変わったアールデコ風の絵彩の花瓶が目につきました。

花畑の蝶をデフォルメしたものでしょうか?

絵柄とガラスの質感が気に入って買い求めました。底に署名彫りとメーカーシールが付いていましたが骨董屋さんも時代も作者が誰なのかもわからないとのこと。

さほど古いものではないと思いますがご存知の方がいればお教えいただければ幸いです。

 

裏の絵柄

 

上からの見ると 

メーカーシール

作者サイン?



Hungarian Chanpagne Glass

翡翠色の薄いガラスに紋章唐草を3つあしらった背の高いシャンペングラスです。

カップ部径:85㎜

高さ210㎜

骨董屋さんからの受け売り情報ですが胴受けからステム・ベースまでがプレスガラス、カップ部が宙吹きガラスの接合とのこと。

生産地ハンガリー 1960年代の製品。

三脚あったのでまとめ買いしましたが一つのは小さなチップがあったので安くしてもらいました。

胴部紋章図柄

 

ステム部

カップ部の俯瞰

3脚セット



Val-saint-lambert Wine Glass

緑のグラスで蕾を模ったワイングラスです。

カップ部直径(呑口):67㎜

高さ:175㎜

ベルギー王室御用達のバルサンランベール社の1910年代の製品とのことでした。

2脚セットで購入しました。

胴部

 

ステム部

カップ部の俯瞰 

2脚セット



German Wine Glass

先のグリーンの蕾様ワイングラスに似ていますがこちらは1940年代のドイツ製だそうです。赤の発色は金混入で出しているとのこと。まるで開きかけたチューリップの様な造形です。

カップ口径(呑口):66㎜

高さ:162㎜

これも2脚セットでした。

胴部

 

ステム部

カップ部の俯瞰

2脚セット

 



Val-saint-lambert Liqueur Glass

一見単純なカットに見えますがカップの下部には15面の剣菊カット、その上に2段同心円を切り、その内部に22個の丸紋を施しています。上から見ると非常に複雑な文様が現れます。

カップ径:52mm

高さ:105mm

の小さなリキュールグラスですがこのカップ内に写る文様に惹かれて購入しました。

お店の話では1940年代のベルギー製とのことです。

カップ部

ステム部

 

真上から覗くと......



Venetian Cacktail Glass

骨董屋さんの話ではカップ部に幾つもの気泡が残っていて出来はあまり良いものではないものの1880年代の古いイタリア製のものだそうです。

非常に薄い手作業による吹きガラス製で、手にするとその軽さにまずびっくりします。

カップ径:82㎜

高さ:153㎜

の比較的大きなカクテルグラスですが重さが80gを切っています。

 



Champagne Grass from Sothebys Auction

1991年5月3日付のサザビーズのロット票がつけられた5脚シャンパングラスです。

カップ部表面全周にわたって草花文がカットされています。

ベース裏に文字が刻まれています。

作者か会社名でしょうか?

アイスクリームの様な冷菓を載せても似合う形ですね。

カップ径:85㎜

高さ:131㎜

胴部の文様

5脚揃い

 

 

ステム部

 

オークションタグ

ベース部研削文字



KOSTA BODA Glass Vasel

ちょっとシュールな現代風造形のガラス器です。

厚いガラスに色とりどりの色ガラスを絵画のように被せ、また一箇所メッシュが埋め込まれていてこの部分が格子窓の様になっています。

10年ぐらい前までSwedenのKOSTA BODA社のWeb-shop販売リストに写真が載っていた記憶がありますが用途を含めて定かではありません。

そのときは花瓶の分類ではなかったと思います。 飾りガラス器でしょうか?

メーカーとデザイナーの工房名と思われるシールとともに研削文字で「KOSTA BODA  A VALLIEN 3058H0201」と刻まれています。

 



金彩磁器ワイングラス

高温焼成された白磁器に肌色の釉薬を見込み部に外側はコバルト釉をかけて、さらに金彩絵の具等で鳳凰や鹿に花草の細密図柄を描き再度低温焼成したカップ部に金メッキされた金属ステムを取り付けたワイングラスです。専用ケースに2客入っていました。

ガラス器ではありませんがワイングラスということなので................

 

カップ口径:68mm

高さ   :154mm

関西の骨董屋さんから購入したものです。

ケースに入っていた栞には製法の説明が書かれており、「鹿窯」と製造元名が明示されています。

このグラスは15年前に入手したものですが、まだ同じものは紙箱ケース入りで販売されているようです。

 

ケ-ス内

 

サイドの図柄

2客

 



BOHEMIA Crystal Cut Glass

茶道具の世界にて展示中の短冊をいただいた方から同時に譲っていただいたオールドボヘミアグラスです。

戦前にご家族の方がチェコに旅行に行かれたときのお土産だったと思うとのことでした。

口径:133mm

高さ:160mm

小ぶりですが重い厚手のクリスタルガラス全面に500PK番という有名な細かいレースカットデザインが精緻に切られています。

裏は剣菊文です。

 

 

2015.07.05追記

国名は1993年以前の分離前の旧チェコスロバキア。トレードマークは同国の高級ボヘミアグラスメーカーのBOHEMIA CRYSTAL社のものでした。

同社は今もチェコ共和国で活動を継続しています。同社のホームページで社歴を確認しようと思いましたが記述は見当たりませんでした。

2015年の同社カタログが閲覧可能になっておりその中に40周年記念のマークが1カ所ありました。同社の活動が本当に40年前からとすれば戦前に購入されたというお話は記憶違いなのかもしれませんが箱(蓋)裏のデザインが時代で異なっているようで、このタイプは古い部類の様にも思えます。もう少し社歴を調べてみます。

ただ2015年のカタログではこのような留め金式の外箱はさすがに使われていないようです。

ハードケース

ケース内部 

 

斜め上から

真上から

底裏



BOHEMIA Crystal Cut Glass

これはつい最近手に入れたものです。

先のボヘミアクリスタル社の少し大きめな花瓶です。

カット模様は500PKのレース模様でシールが残っています。シールやBox蓋内部に掛けられているリボンの国名はCzech RepublicではなくCZECHOSLOVAKIAで前述の花瓶と同じですが色やデザインが異なります。このメーカーの製造時期の特定はこの箱蓋裏が決め手になるような気がするのですが確定情報はありません。

この商品は三越で取り扱われていたものです。

ハードケ-ス

マーク

箱内

斜め上から

真上から

底裏

添付シール

三越管理タグ?

箱裏リボン



玻璃珪の壺 カメイガラス

玻璃とは珪砂ガラス(クリスタル)のことでこの壺は陶器ではなくクリスタルガラスに属することを意味しています。

地は乳白色ですが確かにトランスルーセント様(半透明)で持ち手が透けて見えるくらいです。

高温焼成された壺のその乳白色の地にガラス絵の具で絵を描き、低温焼成で焼き付ける溶彩ガラスの手法と手間のかかる行程で絵付けされ、現在ではほとんど作られていないそうです。

直径130mm

高さ254mm

の壺いっぱいに大きな牡丹と梅が絵付けされています。約50年前の作品だそうです。

ハードケース

 

中身

彩色図柄

 カメイ社管理シール



大正プレスガラス皿

明治から大正期に大量生産され、主に欧米に輸出されたプレスガラスのお皿です。

ブルーのガラスにドルマークと「SMALL GAINS BRING RICHIS IN.(塵も積もれば山となる)」の格言がラウンド状に配置されています。

このお皿は別冊太陽の「明治・大正ガラス」に掲載されているお皿だそうです(本がなく未確認)

直径:132mm

高さ:21mm

大正プレスガラスはまだ幾つかあるはずですから見つかりましたら追加掲載します。

 

 

2015.11.06

まとめて保管してあったのを見つけましたので以下に掲載しました。

 

 


プレスガラスの小皿 A

さきに展示しました大正ガラスよりも古い全面レース柄のプレスガラスの小皿です。

プレス柄は全て裏面で、初期のプレス機によるガラスの斑や小さい気泡が見られますが欠け等もなく2002年の購入当時、今後入手がどんどん難しくなりますよと言われました(笑)。

直径:106mm

高さ:14mm

明治後期から大正初期の製品だそうです。

4枚セットで購入しました。

 

 

 

 



プレスガラスの小皿 B

これも明治後期から大正初期に海外輸出用に製造された初期プレスガラスの小皿5客揃いです。

見づらいかもしれませんがMADE IN JAPANの刻印が入っています。

直径:115mm

高さ:20mm

 

 

 

 

 

 

 

 

 



プレスガラスの小皿 C

一枚物のガラス皿2点をまとめて購入しました。

見込みの剣菊紋に唐草模様、縁の玉飾りの組み合わせと同じモチーフ柄のレース皿と呼ばれる主に輸出用に造られたガラスの小皿。

当時のまだ稚拙な機械で造られたものですがこういったものが今の日本を造っていったんですね。

 左の皿 径  98mmx高さ18mm

 右の皿 径102mmx高さ19mm

 


花のしらべ 岩田糸子作

イワタ硝子元社長であり世界的に活躍されたガラスデザイナーの岩田糸子さん作のガラス花器です。

古いオリジナルの紙箱に赤い厚手の羅紗布に包まれてしまわれていました。

ブルーガラスに白ガラスを練り込み、流れる水面のような模様を浮き立たせています。

 

器本体には作者のサインは彫られていない様です。

直径(最大部)252㎜

高さ 145㎜

ズシリと重い結構大きな花器です。平成元年近傍の作品と聞いています。

 

紙製箱

蓋裏の作品名

 

箱内には厚手羅紗包み

シリーズ名?

花器斜め上から

水面の渦の様な文様

花器を真上から

花器を真横から2