私鉄ロマンスカーやJRの新幹線、ブルートレイン、海外の高速鉄道車両のNゲージを中心に、HO、Zゲージ等も加えた鉄道模型のコレクションを展示しています。
小田急ロマンスカー3000系(SE:Super Express車)
1957年に登場した小田急開発の高速車両。徹底した軽量化、低重心構造を採用して高速性能を目指しました。その高性能に当時の国鉄も注目し、小田急に国鉄軌道上での高速走行試験の実施を打診し、実際に走行試験されました。
その際、函南-沼津間で時速145kmを記録。狭軌道での当時の世界記録を樹立したことは有名です。この時のデ-タがのちの新幹線ゼロ系にもつながっていると言われています。
写真は小田急オリジナルブランドで予約販売されたNゲージトレインセット。メーカーはマイクロエースです。初期型(写真)と先頭車両改造後の2種がありました。
小田急予約品には車両のガイドブックがついてきました。
外箱
8両編成車両
特典ブックレット
小田急ロマンスカー 3100系(NSE:New Super Express)
1963年登場のロマンスカー車両。3000系SE車で高速車両サービスの一時代を築いた小田急電鉄でしたがその後近鉄ビスタカーや東武のデラックスロマンスカーの登場で小田急も更なる豪華な車両を投入しようと製作した車両です。
小田急ロマンスカーとして展望先頭車両を初めて採用し、基本設計がしっかりしていたために永らく現役にとどまっていましたが2000年に全車廃車となりました。
小田急ロマンスカー7000系(LSE:Luxury Super Express)
1980年に投入されたロマンスカーで基本的には3100系を近代化しブラッシュアップしたような車両でこの車両も国鉄からの要望で国鉄軌道での走行試験が実施されました。2015(追記:2018)年現在でも一部の編成車両がロマンスカーとして運行されています。
小田急ロマンスカー10000系(HiSE:High Super Express)
小田急ロマンスカー初のハイデッカー車両。1987年小田急60周年記念として登場しましたがハイデッカー構造が災いし、7000系よりも早く車体に金属疲労が見つかり一時全面的に運行が停止されました。点検改修後、サービスに復帰し2012年まで現役にとどまりましたが一部の編成車両は長野電鉄に譲渡されました。
小田急ロマンスカー20000系(RSE:RESORT SUPPER EXPRESS)
あさぎり
小田急電鉄が国鉄の御殿場線の松田~御殿場間を使い新宿・御殿場の旅客輸送を開始したのが1957年。当時はキハ5000型気動車でその一編成が「あさぎり」と名付けられましたがこのキハでは25%上り勾配を上るだけでも大変だったそうです。
1968年7月御殿場線が全線電化されたことであさぎりは3000系SE車にバトンタッチ、夏場の富士登山客の大量輸送に活躍しました。
1989年には新生JRからの申し入れで実現した両社による新造特急車両の運行開始時に小田急が投入したのがこの20000系でした。
JRも371系という新型特急を投入しますが両者は基本的な設計コンセプトは同じ形で作られていました。7両編成の3/4号中間車2両をダブルデッカーとし、シートやサービスもほぼ同一の仕様とされています。
一度ダブルデッカー部に設けられたスーパーシートを利用したことがありますが座席の肘掛部に格納された液晶テレビは山間を駆け抜ける路線故か電波が不安定でほとんど雑音ばかり、使い物にならないねと話した記憶があります(笑)。
JRは1編成のみの投入でしたのでこの車両がメンテナンス中は小田急の20000系のみで運行されました。
あさぎりは2012-2013年の小田急20000系とJR371系のリタイアに伴い、今は小田急の最新60000系ロマンスカーにチェンジしています。
MODEMO製小田急2000系
小田急ロマンスカー30000系(EXE:Excellent Express)
1996年にデビューしたロマンスカーですが今までの都心と行楽地を結ぶゴージャスな観光特急というコンセプトから外れて、今では郊外通勤圏となった行楽地沿線からの通勤客もターゲットとした新しい高速車両として開発された車両でした。ただロマンスカーとしての評価はデビュー当初から散々でこの車両のみブルーリボンを逃しています。
1993年に登場した西武のレッドアローⅡ(10000系)のコンセプトを参考にしているような気がするのですが......
江ノ島方面のロマンスカーは現在この30000系が主体でちょっと残念なところ。
ただ座席の座り心地も悪いものではなく、また車内のデザインや色彩も落ち着いた色合いでけっして歴代のロマンスカーに劣っていると言うほどではないのですがリゾート/行楽特急とするとやはり面白みがない車両に見えてしまします。
Box
セット内容
車両
小田急ロマンスカー50000系(VSE:Vault Super Express)
2005年に小田急が新宿~箱根ル-トに投入したフラッグシップロマンスカ-
の50000系VSE車。全面白を基調とした明るい車体、車内も窓より上を白とウッドの使い分け、窓下と床は淡いブルーを基調としたシックな色彩配置として今までの歴代ロマンスカーで最も豪華な設備を各所に採用。
乗り心地と高速性能の両立にも抜かりはなく最新の空気バネ式車体傾斜制御(振り子列車)台車を採用して乗客への違和感を大きく低減しながら高速カーブ走行を実現しています。
デザイン、性能ともに歴代ロマンスカー最高ランクの車両故にデビュー年にはグッドデザイン賞、翌年には鉄道友の会のブルーリボンのみならず幾つかの世界的なデザイン賞まで受賞しています。
また社内サ-ビスにはワゴンサービスではなく往年のロマンスカ-には当たり前だった喫茶・軽食のシートサ-ビスや売店の復活といった利用者にはうれしサービスの復活も実現しています。
新宿-江ノ島ル-トを差別するな~といいたいところではありますが(笑)
Box
セット内容
車両セット
特製パンフレット
デラックスロマンスカー 1700/1720系 MICRO ACE
1956年に当時の国鉄日光線の特急車両に対抗すべく浅草~日光路線に投入された東武の特急車両。デラックスロマンスカーと呼ばれ国鉄との日光観光客の争奪戦にも圧勝し、日光観光の足として永らく親しまれてきました。
1960年に登場した改良型車両の1720系に暫時置き換えられ、スペーシアの登場まで浅草~日光間を「けごん」号、鬼怒川温泉間を「きぬ」号の愛称で活躍しましたがさすがに引退が近いころには車体内外の傷みも目立ってました。
1991年全車退役しました。
東武100系 特急スペーシア(粋Ver.) TOMIX
先代デラックスロマンスカー(1720系)の後継車両として1990年6月1日にデービューしたスペーシアです。
既に32年も活躍しているんですね。
2023年には新型スペーシア(N100系)のお披露目が予定されており現在東武線の各駅に告知広告も。この4月にはとうとう廃車となる編成も出始めたとか.....
5年前位の話ですが日光行「けごん」に乗車中のこと、下今市付近だったかでバケツの水をひっくり返したような雷雨に遭遇し、その豪雨の中を疾走するスペーシア内で自身の座席から五六列斜め前の席天井から結構多量の雨漏りが発生し、乗客からの通報で駆け付けた車掌さんは直ちにその区画の使用をやめて指当該定席客を別の車両に案内していました。
まさかスペーシアで老朽化の雨漏り?とビックリしましたが、よく考えれば天井内の空調廻り(先頭車は三基、中間車は各4基のヒートポンプ式冷暖房空調機器が格納されており、その両サイドに排気ルーバーが設置されています)から雨水が侵入したんでしょう。モデルの天井にもきちんとエアコン位置横にルーバーが再現されてます。
与太話はこの位にして.......
緩やかな丸みを帯びたノーズに運転席正面ウィンドウ周りをブラックとした出立はちょっと見「2001年宇宙の旅」のデスカバリ―号を彷彿させると言うと過言でしょうか?
そしてジャスミンホワイトの車体の客室窓部を運転席同様にブラック帯とし、先頭車のノーズ下部から両サイドへまわり込むようにオレンジ(サニーコーラルオレンジというらしい)の帯をそのブラック窓部の上下に併せ引いた姿で登場しました。
その後幾つかの塗装色を変更したバリエーション編成が登場しています。
これはスカイツリーのライティングパターンの一つ「粋」をイメージしたシルバーパープルカラーバージョンです。
自身は先代デラックスロマンスカーの配色を取り入れたロマンスカーバージョンが好きなのですがこれは未だモデル化されていない様で。
基本車両セット
スカイライナー(New Airport Express)
京成といえばスカイライナー、スカイライナーといえば2010年の成田空港線開業に併せてデビューした3代目NSE。
160km/hの歴代スカイライナー最速車両で「ジャパンスピード」のCMコピーも記憶に新しいですね。
2代目のスカイライナーはデザイン的にあまり好きではありませんでした。まだ初代AE車の方が良かったように思います。
この3代目、ユーロライナーチックのデザインと配色はイイ線を行っていると思いませんか。さすが、2010年グッドデザイン賞および2011年鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞し、2代目の無冠のリベンジを達成しています。
Box
セット内容
8両基本編成車両
近鉄20100系ダブルデッカー おおぞら
1962年登場の世界最初のオールダブルデッカー(総二階建車両)20100系。
翌年にブルーリボンを受賞。修学旅行生や団体旅行の輸送に活躍し、ファンも多かったビスタカーの系譜の車両で愛称は「あおぞら」。
1898年に老朽化から現役引退しました。
モデルはマイクロエ-ス製です。
外箱
セット内容
6両セット
近鉄ビスタカー 30000系
近鉄ビスタカーとしては3代目に当たる30000系。その前の10000/10100系はダブルデッカー車両1両に付き前後フラット車の連接式3両が基本編成でしたが、この30000系ではダブルデッカ―中間車両2両連接とした4両編成を基本とし、全車ボギー車方式となっています。
モデルは車両更新前のデビュー当時の姿です。
近鉄特急アーバンライナー 21000系
名古屋-大阪間をノンストップ結ぶ次世代特急車両として開発され、1988年1月にデビュ-した初代21000系車両。
近鉄の特急といえばダブルデッカ-車両ですがこのアーバンライナーは開発に先立って市場調査を行い新規開発車両には移住空間にゆとりを持たせた全車貫通型のフラットフロアー型車両を採用しています。
車体デザイン的にはドイツ国鉄(当時は西ドイツ)の403型Intercity:インターシティー特急にそっくりだと騒がれました。
写真はLIMA社のHOゲ-ジ車両です。特にフロント周りの処理がそっくりといえばそっくりです。
現在はシートや社内設備のアコモデーション改良が施された21020系車両に置き換えられています。
アーバンライナーは近鉄を背負って立つ特急車両として今でも活躍しています。
Box
セット内容
車両
IC403型車両
先頭部
南海空港特急 5000系 Rapi:t
高橋商店
大阪なんばと関空を結ぶ南海電鉄の特急ラピート。
ロボットとも古代戦士の鉄仮面にも見える特異なフェイスは鉄人28号とも。
開業当時は難波-関空を28分のノンストップで結ぶラピートαと中間停車駅をもつラピートβで運行されていましたがその後の関空への陸路アクセス網の整備でリムジンバスに集客力で破れてしまいノンストップタイプは廃止に。
モデルは車輪のみ金属で無動力プラスチックモデルですがスケールやディテール感はまずまず。
パンタグラフを別途TOMYやKATO等の金属製のものに付け替えればメジャ-メ-カ-ではモデル化されていない貴重なラピートがお手元にといったところです。
特急車両と寝台車
24系25型特急寝台(トワイライトエクスプレス)&EF-81電気機関車
1989年にサービスを開始した大阪-札幌間寝台特急トワイライトエクスプレス。
最長の区間を約一日かけて走破する豪華寝台車として多くのファンをもつこの車両も2015.03.13(本日)でサービスを終了しました。昨日のお昼、別れを惜しむファンのみなさんであふれたホームの映像を見るにつけ、ちょうど当館でも撮影をすすめていた車両コレクションがなんとか間に合いました。
牽引機関車は青森までを受け持つ専用同一デザインのEF-81です。
ともにTOMIX製。
まずはお疲れ様。
外箱
7両セット
ヘッドマ-ク
EF-81
トワイライト仕様
E26系 カシオペア
少し前の2015年3月にまだまだ熱烈なファンを持ちながら引退した寝台特急トワイライトエクスプレスと北斗星。その北斗星と同じ上野ー札幌間を運行する豪華寝台特急カシオペアの車両セットです。
まだカシオペアの引退は正式発表されていませんが事情は北斗星と同じで北海道新幹線の開業による供給電圧の変更から従来型牽引電気機関車が使用できなくなるために同じ運命をたどる可能性が指摘されています。
同じく増結車両セットも購入していました。
残念ながら初代の牽引機関車EF-81は持ち合わせていませんでしたが未電化の北海道内五稜郭以北区間は当館展示中のDF-200 RED BEARディーゼル機関車が一時期けん引していました。
運行開始は1997年7月。当時運行前に上野駅等で大々的に車両内装の豪華さを紹介する寝台料金表が入ったパンフ等が配布されました。
2016.03.21
とうとう定期運行が終了しましたね。最終上りが発車した時には上野駅正面ホームは乗車券を持っている人以外の入場規制のアナウンスが流れていました。
ただ北斗星とは異なり、カシオペアは定期運航の停止ということで臨時特別運行といった復活の道は残されている様です。
基本セット
パンフ小
基本セット
パンフ大
増結セット
中は見開きで4ページ
増結セット
当時の予定寝台料金表
特急「あさかぜ」
Nゲージ鉄道模型誕生30周年記念 KATO
Nゲージ鉄道模型は1965年の関水金属(現KATO)製C-50蒸気機関車と言われていますがその30周年記念として同社から発売されたEF65直流電気機関車と20系寝台車両の記念セットです。
おまけで「あさかぜ」のヘッドマークを模したバッジが同梱されていました。
セット内容
30周年記念製品紹介文
ヘッドマークピンズ
フラノエクスプレス
JRのジョイフルトレインとしてJR北海道が富良野プリンスホテルとタイアップし1986年(当時は国鉄)に登場させたディーゼル特急車両でした。
北海道の新車両として初のブルーリボンを獲得した記念すべき車両でもありました。
リゾート特急として3両編成で夏の避暑客、冬のスキー客の輸送に活躍し、その後はANAとのタイアップ企画「ビッグスニーカー」号として先頭車両にANAのエンブレムが入るとともに4両編成に増備され、その後はこの4両編成が標準編成となりJR北海道の顔役特急として旅行客に親しまれてきましたが、1998年のラストランを経て2004年に廃車となっています。
このセットはビックスニーカー号以後の4両編成フラノエクスプレスを再現できます。
内容
4両編成セット
JR九州 787系つばめ
ちょっとロボットチックな先頭車両、メタリックなグレーの車体色に包まれ無機質的なタッチを強調したデザインの車体、車内も同系色の色合いにグラスドアやビュッフェや個室コンパートメントに近未来的なデザインが盛り込まれ、その年のブルーリボン、グッドデザイン賞等を総ナメにしたのもうなずける車両でした。
九州新幹線の開通でリレー特急に格下げされ、好評だったビュッフェも普通車両に改造されてしまいました。車体色も濃いダークグレー一色に変更され、今更ながらこの車体のデザインを任された事務所の力量の高さがうかがえます。同系色ながら車体色を変えただけで印象が変るんですね。自身はデビュー当時がお気に入りですがまだまだ頑張ってほしい車両です。
セット内容
基本7両編成
超伝導磁気浮上型高速車両:MAGLEV(リニア新幹線)
JR東海によるリニア新幹線開業に向けての動きが本格化し、時速500㎞で日本を駆け抜ける超高速鉄道もいまや現実のものになりつつあります。
今回は磁気浮上型鉄道(Maglev:マグレブ)、リニアモーターカーを取り挙げましょう。
このマグレブは磁石同士の反発・吸引作用を利用して車体を浮かし、従来の車輪とレ-ルによる粘着駆動方式の抱える速度限界をブレ-クスル-する画期的テクノロジ-として古くから日本の国鉄(現JR)鉄道総研やドイツのMBB(メッサーシュミット社)等で鋭意研究されてきました。
現在一般的に用いられているリニアモ-タ-カ-という通称は本来はリニア-モ-タ-による推進駆動方式を採用しているものを指すだけで厳密には磁気浮上式列車を意味しません(都営地下鉄の大江戸線がその典型例です)。
しかし今日ではリニアといえば磁気浮上型の高速鉄道を意味するようになっているのも事実で、まあここはリニアとしておきましょう。
磁気浮上方式といってもご存知のとおり、従来のレ-ルに相当する軌道ガイドと車体の間に作用する力を反発力として車体を浮かすか、吸引力で浮かすか(通常反発方式の方が両者のギャップが稼げて有利です)の区分と推進力の発生方式によって幾つもの方式に分類されるのですがここはいつもライバルとして比較されるJR東海のリニア新幹線方式と中国も技術導入したドイツのトランスラピッド方式を比較しましょう。
まず浮上方式はJRが反発式、トランスラピッドは吸引式と相反します。
推進力はJRが車体・ガイド共に電磁誘導コイルによる同期式、トランスラビッドは近距離用の02型が車体に電磁コイル、ガイドは導体板(鉄軌道)の誘導方式を採用(大江戸線で採用された方式)しているのですが、郊外型の05型はJRと同じ同期式です。
どの組み合わせが優れているかは即断できませんが、少なくともJR方式は数々の新技術・新素材をJRの総力を挙げて独自開発してきたノウハウの塊です。
さらに地上一次方式といって軌道側に設置した電磁コイルを制御してS/N極性をネオンサインよろしく可変していきますので地上側のガイド設備は大掛かりなものにならざるを得ません。
一方車体に搭載された磁石は場合によっては永久磁石でもいいのですが、発生させる磁力強度の点から観て現在でも強力磁場を発生できる電磁石を採用せざるを得ません。そうすると地上から浮いた車体にどうやって電力を供給するかといった集電技術が問題となります。JRはここで当時世界の度肝を抜いた技術を採用しました。超伝導磁石による磁気浮上です。
簡単に言ってしまえば電磁石を極低温下に置いてコイルに電気を流すと電気が流れる導体(まあ銅線)の電気抵抗がゼロになる原理によって一回回路に電力を供給すると電流は流れっぱなしになり、その後は電力を供給しなくても電磁石は磁力を発生し続けるという夢のようなお話が実現するわけです。
JR方式は先に述べましたように地上側で極性を制御するので車体側は磁力を出し続ければよいわけです。
ただ「言うは易い」のことわざ通りに実用化にはいくつもの難関が立ちはだかりました。発生磁力密度の高い電磁石/材料の開発、その電磁石を極超低温に保つための車載可能な小型液体ヘリウム循環システム、極低温下で長期間安定に磁力を発生させられるタフな電磁石コイルの素材を含めた開発、発生する強力な磁力をいかに遮断して車内への影響を無くするか....etc。
これらを官民挙げてひとつひとつ解決し、営業速度時速500kmオーバ-の運行システムを実現していったわけです。
国有鉄道時代から続けられた永い基礎研究、試験車両によるテストがやっと花開く段階になったわけです。(自身も少しだけ超電導磁石の付随関連材料開発に携わった経験があるもので......テヘ)。
前説が長くなりましたがそんなJRのリニア新幹線に関連したモデルをご紹介していきましょう。
MLU-001
宮崎の初期実験線で試験を繰り返した初の有人搭乗型の車体です。
リニアモーターカーのキットやモデルはほとんどリリースされていませんがこのMLU-001の編成車両がカバヤのビックワンガム(デラックス)のおまけとして販売されました。
当館も保有しているのですがすぐに出せない場所に仕舞われているため後日写真をご紹介しましょう。
ビックワンガムシリーズはたまに価格に対してびっくりするような出来良い珍品アイテムをピックアップすることがあり、当時目が離せない食玩シリーズでした(本来食玩コーナーで展示するつもりでした)。
2015.04.14 追記
見つけました。段ボールにビックワン/デラックスビックワンのコレクションがいくつか入ってましたので残りは食玩のコーナーに展示します。
1/110スケールで内部の座席や連結構造に車輪滑走装置もきちんと再現されています。ここまで組み込んでおいて軌道が無いのは片手落ちというもの。もったいないの一言です。
当時の定価150円のキットとしては力作と思うのですが。
MLU-00X1
JR東海が当時公開したモックアップモデルをリニア新幹線の宣伝用にNゲージモデルセットとして販売したものです。
当館は十年位前にコレクションを整理なさるという方から譲り受けました。
実際に宮崎/山梨実験線で走行した実車ではありませんがリニア新幹線のコンセプト車両としては結構インパクトのあるデザイン、カラーリングですね。
空気抵抗、高速走行安定性データからカモノハシの口ばし様にどんどんノーズが伸びている現在の試験車両よりも美しいデザインです。
三両編成の車体に短いですが展示用の高架軌道も付属しています。動力は搭載していませんが実車に似せて磁気浮上(永久磁石ですが)にてこの軌道上を結構スムーズに走行するのでもっと長い専用軌道が追加販売されないかと思った位です。
ちょっと車体を押すとすーっと軌道から飛び出すほどです。
あっぱれ!
Box
セット内容
販売会社
MLX01-1 & -901
これもだいぶ前(2005年?)に関西・中部地方に出張時JRのキオスクで見つけ購入したものです。
当時開催された愛知万博のリニア館でこのMLX-01-1が展示され、その記念グッズとして販売された商品の残り?だったのかもしれません。
MLX01-901Aは営業車両試作車L0系のデザインの基礎となった実験車両のモデルです。
ひと箱で二度楽しめる(笑)裏表に2つの試験車両をセットしたお得な商品でした。
先のMLU-00X1からの空力デザインの変遷が良くわかります。
Box
MLX01-901モデル
販売元
スタートレイン!
L0系リニア新幹線 ディスプレイモデル
Noel Corporation
2022.05.22
最近手に入れたリニア新幹線L0系実用試作車両のディスプレイモデル。
Nゲージスケールで三両一体化した車両に実験線のガイドレール3本(本当は全6ユニット)がセットされたものです。
この展示コーナーにてご紹介済みのJR東海がリリースした当時モノのMLU-00X1三両編成セットの現代版といったところ
ディスプレー車体は専用軌道上を車体の永久磁石と軌道上のラバー様のリボン磁石(電磁石ユニットがずらっとリアルに印刷されています)の磁力効果で手押しで滑走します。残念ながら滑走性はJR品モデルよりはちと劣ります。
それでもこのモデルは車両よりも専用リニア軌道が売りでしょう。
Transrapid 07 1/87 Scale Revell
これはプラモデルですがマグレブの開発歴史上外せないドイツの磁気浮上型の試験車両トランスラピッドの07型です。
ドイツ(当時は西ドイツ)は日本と共に早くから磁気浮上型高速輸送車両の開発に取り組んできました。
ただしJR(国鉄総研)方式とは異なり磁気吸引式で電磁石と強磁性磁石との組み合わせで軌道とのギャップは約10mmしかなく、JR方式に比べ車体/軌道建設コストは大幅に下げられるものの地震国のような軌道の変動が予想される国土には不向きで長距離区間よりも郊外型の短い区間の輸送に向くとされていました。
当のドイツを含め欧州ではその後は粘着式(通常の車輪式)の高速鉄道の開発運用が盛んになり、輸出も中国のみと振るわず結局開発は途絶えてしまっています。
まあ、技術的な優位性はさておき永きにわたってJRの良きライバルとして存在したトランスラピッドに敬意を表して.........
このモデルはレベルの古いキットです。塗装済みの車体と車体を載せるだけ飾り台的な軌道のみがセットされたデスクトップモデル的な物でした。
新幹線車両
東海道新幹線0系(初期大型窓車)
東海道新幹線開業50周年としてTOMYから発売された記念セットです。
最近TOMIXから再び記念商品として販売されたものです。
三丁目の夕日64とか第二回東京オリンピック開催決定とか昭和39年当時を思い起こさせることが多かったせいですかね?
セット内容
セットの6両編成車両
先頭車両
東海道新幹線 100系 グランドひかり
この100系は国鉄としての世に送り出した最後の新幹線車両です。
当時の国鉄技術陣の執念が造り上げた傑作車両と思っています。
0型のイメージを残しつつ力強くかつシャープな印象を与えるデザインと車内のゆとり感は素晴らしいものがありました。
特に車内のスペーシャス感は歴代新幹線の中でも1位とできると思います。
その後に鳴り物入りでデビュ-した300系「のぞみ」のゆとりのなさというか、居心地の悪さが余計際立って感じられた位です。
確かに所要時間は短くなりましたが出張の疲れが全くとれない車両で嫌いでした(笑)。
真剣に100系の復帰を望んだくらいです。
当初Nゲージの初心者セット(基本レール、パワーパック)で100系新幹線をもっていましたが親戚の子供に持って行かれてしまいました(笑)。
セット内容
車両
山形新幹線400系 つばさ
分類上は新幹線ですが実際は新幹線直行特急(ミニ新幹線)と呼ばれていました。
東京-福島間の東方新幹線区間では200系新幹線やEー4系Maxと併結して走行し、在来線区間(奥羽本線内)は切り離され単独走行する形式で運行されたため、車体は在来線車両規格内で設計され、
通常の新幹線よりはスリムな断面車体となっていました。全面シルバーの6両編成車両は小さめ故にその高速性能のみならず見た目も高速車両の雰囲気にあふれた魅力的な列車でした。
同類のコンセプト車両である秋田新幹線こまち(E-3系)への車両置換により2010年4月に廃車となっています。
セット内容
六両編成車両
東海道山陽新幹線 500系
JR西日本が大阪以西の山陽新幹線ルートにおいて航空機との旅客シェア争いに勝利すべく社運をかけて開発投入した高速車両でした。
車体を極力軽量・スリム化し、強力な駆動モーターを編成全車両に分散配置することで常用最高速度において当時JR東海が運行する300系のぞみ(270km/h)、その後継の700系のぞみ(285km/h)を上回る300km/h運用を可能とする車体でした。
先頭車両は現在の新幹線車両の先駆けとなる様な超ロングノーズ、航空機と同じ円形断面にアルミ合金のハニカム構造を採用するなど航空機を非常に意識した車体構造を採用しています。
最初は山陽新幹線内でのぞみとして運用されていましたがすぐに東京ー博多間全線でのぞみとして運用されました。
速度性能は優秀でしたが車両製造費が高く、運行経済性やコンパクトを追求した故の運用性に劣る面も目につき始め、700系の登場で「のぞみ」としての運行からは外れ、山陽新幹線「こだま」編成としてJR西日本で継続使用されています。
航空機同様の円形断面であるため確かに窓際の席は頭上と足元に窮屈さが否めませんでしたが(DC-9よりも圧迫感はありましたね)座席と静音性が良かったのか300系のぞみよりは疲れなかった(100系の次にお気に入りだったからか.....)記憶があります。300系のファンの方ごめんなさい。
セット内容
基本7両編成セット
九州新幹線800系 つばめ
JR九州が2004年に開業した九州新幹線用に開発した初代新幹線車両です。
JR東海からの技術指導により開発した車両で基本的には700系のぞみの技術を採用した車両です。
700系デザイン案の一つをさらに改良したもので意外と好き嫌いの激しいJR東海が採用したあのロングノーズとは異なり、最新型のTGVやユーロスターを彷彿させるスタイリッシュな先頭車両デザインが光ります。
車内は逆に木や西陣古裂といった日本古来の伝統芸術を散りばめた珍しいデザインです。
E2 系0番代 北陸新幹線 あさま
1997年JR東日本が北陸新幹線あさまと東北新幹線やまびこ(秋田新幹線こまちと連結運用)用に開発した車体です。
やまびこ車両としてはその後、窓の大型化や車内アコモデーションの大幅改装や走行性能の改善を施した1000番代車両に置き換えられ、現在では最新のE6系と並行運用されています。
あさま車両としては近々E7/W7系の最新車両に置き換えられ完全引退も近いものと思われます。
内容
基本6両編成
E1 系 東北上越新幹線 MAX
総2階建新幹線車両として鮮烈なデビューをしたE1系新幹線、愛称はマックスでした。自身も一度だけ出張で乗った経験があります。
時速240kmの高速で大人数の移動を可能にすると期待され、15年間活躍した初代総2階建てE1系新幹線MAXは2012年12月に東北新幹線においては全車廃止となっています。
同様なE4系2階立てMAXが上越新幹線でまだ活躍していますが近年の新型車両の営業運転速度増加傾向に追いつけず、総2階建て車両の使い勝手の問題や、構造負荷を考慮して2階立ての新型新幹線は登場していません。
セット内容
基本4両セット
機関車(蒸気、電気及びディーゼル)
C53-43 流線型蒸気機関車 ARII
輸入した米国製C-42蒸気機関車を基にして国産化したC-53を当時世界的に流行した流線型機関車に改造した車両(1943)です。
97両製造された43番車体がピックアップされて流線型に改造されました。
当時は海老茶色でしたがその後全面黒に塗り直され、モデルはその塗装変更後のものです。
流線型ブームは高速時の空気抵抗を減らすことでさらなる速度アップが期待され、いろいろな交通機関に採用されましたが当時たかだか100km/h程度の速度の機関車等にはその効果はほとんどありませんでした。
それでも走行中の車体周りの空気の流れは思いの外に制御されて排煙効果やホーム通過時の風圧低減には効果があったとされて残りの車両も全て流線型に改良される計画でしたが結局メンテナンスの難しさ等から実現せず、この車両1台のみとなっています。数少ない流線型機関車として今でも人気がある車両でしょう。
当時東海道・山陽本線でつばめ車両の牽引等に活躍していました。
箱裏の車両説明
DD54 TOMIX
1966年、国鉄が非電化区間用特急件引用機関車として製造したディーゼル機関車(DD)です。
三菱重工業が当時の西ドイツから技術輸入して製造した2000馬力の液冷式ディーゼル機関を搭載した大出力機関車として登場した当機はどことなく欧州の機関車の風合いが感じられます。
ライセンス生産による国産化水冷エンジンは良好な性能を発揮しましたが国産技術の駆動系とのマッチング等にまだまだこなれていない点も多かったようで運用開始後から故障が続きでした。
駆動軸の再設計・交換後はこれら故障は格段に減ったものの結局失敗作として早々と引退していきました。
現在一両(33号機)が唯一国内に保存されています。
車両のディテール
DF-200 KATO
JR貨物の誇るディ-ゼル機関車。
製造は川崎重工業。
非電化地域の幹線においてそれまでの主役であったDD51のパワー不足を解消するためJRF(JR貨物)が1992年から導入を開始した本機は現在も7000番台系として製造増備されています。
公募によって決まった愛称が
ECO-POWER RED BEAR で1994年には鉄道友の会のローレル賞を受賞しています。
モデルは側面にレッドのJRFのロゴが描かれている初期~中期の車両です。
車両ディテール
EF-200 KATO
国鉄民営化後のJRF(JR貨物)が1990年から導入した直流電気機関車(日立製作所製造)です。
欧州調のデザインにシングルパンタグラフを搭載し1993年に鉄道友の会のローレル賞を獲得しています。
大出力による長大牽引運行を目指したため電力消費量が高すぎて運行沿線の変電所泣かせの機関車とされ、出力制限を規定しての運行が続けられました。
モデルは20両製作された量産型(低屋根型)で側面にはINVERTER HI-TECH LOCOのロゴが描かれています。初期型の問題を改良すべく投入されたこの量産型も改良した足回りが災いしてわずか20台で打ち止め。
現在はこの量産型も含め、次世代機210型にバトンタッチし廃車が進みつつある機関車です。
車両ディテール
EH-500 一次型 KATO
JR貨物が1997年から導入した現役三電源方式交直流両用電気機関車。
製造メーカーは東芝。
EH-10型に次ぐ2車体連結構成として交流区間では変圧器から主変換器(コンバーターで単相交流から直流に変換後にインバーターで三相交流に)経由で誘導主電動機を駆動、直流区間ではインバーターを介して電動機を駆動しています。
モデルは一次型となっていますので最初の量産型1及び2号機ということになりますね。
車両ディテール
オプション付属品等
EF-510型交直流電気機関車500番台
特別寝台列車カシオペア牽引用車両
JR東日本が上野-札幌間特別寝台急行として運行していた「北斗星」、「カシオペア」の牽引機関車として活躍した電気機関車EF-510型。
2009年から2016年3月16日のカシオペアラストランまで使用されてきたこのEF-510型交直流電気機関車は2001年から製造されてきましたが、2009年から先代EF-81型電気機関車の更新車両として新たに500番台車両15両が順次製造され、北斗星(E26系客車編成)牽引車用車両がブルーに金帯の車体色に、カシオペア(E28系客車編成)用牽引車がシルバー色とされました。
白に赤、黄、青に塗り分けられたカラフルな初代EF-81よりもこのメタリックシルバーのEF-510型の方がカシオペアの客車にマッチした機関車に思えます。
残念ながらJR東日本がすべての寝台編成の廃止を決め、2015年に北斗星、続いて2016年にカシオペアの運行を停止したことでEF-510型はすべてJR貨物に売却されています。
KATOのNゲージ510型交直流電気機関車をやっとゲット。
車体番号510-509と510-510のプレートにマグネット装着式のヘッドマーク2種交換用カップラーが別パーツとして同梱されています。
ディテール
マグネット式装着ヘッドマーク2種
南満州鉄道
パシナ型蒸気機関車&979客車(一次型) あじあ号
1934年大連-ハルピン間にて約9年間豪華特急列車として運行されていた「あじあ号」。世界の鉄道技術に追いつけ追い越せと当時の日本の鉄道技術の粋をつぎ込んで設計開発された列車でした。
流線型機関車、最後尾の展望車と欧米、ドイツの車両デザインを参考にし、標準軌道での最高時速は公式記録では135㎞(標定速度82㎞)。速度は当時欧米における標準的な特急機関車といったところですが日本国内(むろん狭軌という制限付き)の列車より1割以上高速性能を発揮しました。むしろ客車の居住性や豪華さ、質の高いサービスといった点で日本の特急列車の最高峰とされる車両でしょう。
モデルはマイクロエースの記念販売セットで木箱に入っています。
外箱
セット内容
車両セット
フランス国鉄「Train à Grande Vitesse」TGV
1981年2月26日に時速380Km/hの当時の速度記録を出したTGV量産車両。
KATOの6両基本セットに中間車4両増備セットです。珍しく紙箱の簡易包装の製品でした。
TGVは初期ガスタービンを搭載した電気駆動式機関車としてTGV-001試作車が作られましたが石油ショックと原子力発電のメッカフランス故に電気集電式に変更されたのがこの車体です。
その後TGVもどんどん改良され現在では574kmの速度記録を樹立しています。
このモデル車体の営業速度は270km/hとされました(現在は300-320km/hの営業最高速度)。
つい最近JRのリニア新幹線試作車両によってこの記録は破られています(603km/h)が鉄輪-鉄道による粘着駆動方式の有人列車としての記録としてはまだ破られていません。
車両セット内容
EUROSTAR ユ-ロスタ- KATO
着工から8年にもおよび難工事の末1994年に開通した英仏海峡トンネルを通じて英国とヨーロッパ大陸を結ぶ高速列車のユーロスターです。
時速300㎞でロンドン-パリ-アビニヨン及びロンドン-ブリュッセルを結んでいます。
ユーロスターは各国異なるのシステムをまたいで運航される国際列車ゆえにテムズ川をくぐる英国内では第3軌条集電方式で走行し、大陸内では通常の架線集電に切り替えるとともに各国内の電圧変動にも対応する仕様になっています。
販売初期のセットですのでTGVをベースにした初期373型のモデルと思われます。リリース当時には英仏両国への輸出販売を考慮してか外箱に欧州指令CEの警告文シールが張られています。