ここでは世界のSF映画に登場するメカニックを中心にその模型(プラモデル/ガレージキット)やグッズのコレクションを展示していきます。
「Fantastic Voyoge ミクロの決死圏」より
邦題:ミクロの決死圏が日本で上映されたのは1966年。物質をミクロ化する技術開発にしのぎを削る米国と某国。米国はその技術を確立したもののミクロ化できる時間が60分に限られていた.........
このブレークスルーの鍵を握る某国研究者の亡命から話が始まります。
無事米国に到着したのもつかの間、案の定博士の護送中に某国スパイらによる襲撃を受け博士は脳内に致命的な障害を負ってしまいます。外科手術は困難、結局医者たちを潜水艦に載せミクロ化して体内に注入する計画が発動されます。はたしてリミットの60分内に脳の障害除去を終えて帰還できるか........といったお話でした。
ミクロ化され血管内を移動する原子力潜水艦Proteus号が今回ご紹介するキット。古くはマルザンから地上走行電動プラモデルが映画公開とともに発売されました。
今ではたまに相当のプレミア価格でネットオークションに出ますが所詮ゴムタイヤ走行のトイライクのキット(Boxと全体的なフォルムよかった記憶が)。
手が出ないキットの話はここまでとして............
Proteus 1/48 Wilco Models
今は無きウィルコモデルより出ていたガレージキットです。
取り合えず前部コクピット部の内装も再現されています。
パーツのバリやゆがみが大きく、完成までには相応の覚悟が必要ですがフォルムやパーツの合いはそこそこ良く、また内装が再現されている完全スケールキットということで当時は唯一のプロテウスのキットといってよいものでした。
フィギュアに着底用の脚まで付属しています。
Box
Parts
Proteus Crow’s Nest Models
数年前の話になりますが米国のホビーショップ「Starship modelers」にCrow's Nestというメーカーによる1/48スケールのProteus ガレージケットの予約販売を見つけすぐさま注文しましたがそのあとすぐに完売状態に。
まだ生産を終了とはアナウンスされていませんが再販売は一向にアナウンスされません。いつも在庫なし。
届いたキット内容はProteusの決定版というべき素晴らしいキットです。
船内内装、ライティングもほぼ完全再現されてます。
この後に操縦席のグラスドーム下のリング状LEDライトがサードパーティーから別売されましたが高価で逃しました!
Boxと船体
組立解説書
parts
Small parts
「Planet of the Apes 猿の惑星」より
20世紀FOXの映画「猿の惑星」から宇宙船ICARUS:イカルス号のキットをご紹介。
イカルスはチャ-ルトン・ヘストン演じる主人公テイラ-宇宙飛行士を含め4名の乗員を乗せた恒星間探査船として映画の冒頭に登場します。
あまりに有名な映画故にスト-リ-を語るまでもないですが地球への帰還途中に起こった航行トラブルによって船は想定外の猿の支配する惑星に緊急不時着しまうことに。その惑星でテイラ-らが見たものは?といった筋書きで、惑星の湖に不時着水し、水没していくイカルスの先端が衝撃的でした。
本来はイカルス計画のリバティー 1(Liberty1)という船名でしたがICARUSが通り名になっていきました。
ICARUS 12inch Monster in Motion
無発泡レジンキャスト製のこのキットはだいぶ前から販売されていたと思うのですが、内部インテリアまで再現されたイカルスのキットとしては購入した当時入手可能な唯一のキットでした。発売はUSのMonster in MotionというHobby shop。
キットは結構大きく、また全体の出来もいいのですが一つ大きな欠点が。
それは船体両舷に張り出したメインフィンの後端以降の船体長が短く(つまり全長が寸詰まり)、それ故に船体内部のコクピット後方に設けられているはずの4つのコールドスリ-プカプセルが再現されていないのです。
加えて帰還カプセルであるイカルスの後部隔壁が中央ハッチのみを設けたフラットな隔壁として再現されているのですが、設定ではこのハッチの両サイドにはメインロケットノズルが存在することになっていたはずです。
あまりの設定の違いにこれはおかしいと?と調べなおしたところ、これは映画版ではなくTVシリーズの設定仕様だったようです。このTVシリーズは知らなかった!
そういったわけでこのキットはTV版のキットに分類されるのですがICARUS括りということで。
Box
Parts
仮組立
ICARUS 1/48スケール Wilco! Models
古いキットですが縁あって手に入れることが出来たWilco! Modelsの1/48スケ-ル、映画版ICARUSをご紹介します。
映画序盤で宇宙船に搭乗する4名のクル-中、唯一の女性飛行士スチュアートが装置の故障でミイラになっていたハイパ-スリ-プ装置まで再現されています。
このメ-カ-はすでに活動を停止(廃業?)してるので当時の秀逸キットを手に入れることは困難ですが、同じく活動を停止したLunar Modelsのキット同様に時たまオ-クションで見かけることもあります。
ちょっと前に米国Cult TVman’sのWebショップで「商品倉庫を整理していたらこのIcarusと2001年宇宙の旅のOrion号のキットが少数出てきたので早い者勝ちだよ!」といった急告がでましたが時すでに遅し。
ただこのショップの偉いところは通常なら相当のプレミア価格で取引されていたこれらキットを正価で放出したことです。信頼のおけるショップと前々から思ってはいましたがまあ欲がないというか......
話がそれましたがこのキット、やはりなかなかの出来です。
開口部のバリ、キャスト樹脂の大きな湯口が残っている点やパーツの一部に大きな気泡がありパテ埋め作業も必要ですがこれはしかたないでしょう。
この点においては上記MIMのTV版レジンキットの方が出来は上です。
機体内部のモールディング、船体後部の四台のハイパ-スリ-プ装置に加えて前部コクピットのサイドコンソ-ルパネルの細かいモ-ルドまで再現されています。その上、飾り台とネ-ムプレ-トまで付いています。
この後にご紹介するClows Nest製のIcarusが出るまでは手はかかるものの決定版というべきキットでした。
Box
Parts
Cockpit
ICARUS 1/48 Scale Crow’s Nest Model
2013年に新興メーカのCrows Nest Modelからリリースされたイカルスのキットで、決定版という名称を与えることにだれも反対しないでしょう。
レジンパーツを主体にホワイトメタルパーツ、エッチングパーツやレーザーカットされたクリアープラ板等、複合素材を適材適所につかい、精密再現性と作りやすさを両立させています。
最初からキット専用に企画されたLightingシステムを載せることを前提にしており、コクピットパネルは全面クリアーレジン整形されています。
ただし計器パネル類にはデーカールも用意され、ウインドウ枠組み塗装用のマスキングシートまでついています。
肝心のLightingキットは2013年中に販売予定と組立説明書に記されていますが販売されたという情報は掴んでいません。
どうもメーカー自体活動を休止いているのでしょうか?USのStarship ModelorのWeb‐shopの取扱い商品の区分タグであるManifuctureからは同社の名前がドロップしていますし同社のURLも現在利用できない状況です。
最上級のキット達を世に送り出してくれた期待のメーカーだったのですが.......
活動再開を祈る次第です。
完成予想図
Cocpit Panel
Resin Parts
Parts Detail
Metal ,Clear Parts
Decal etc.
Photo Etched Part
ICARUS FULL SHIP Concept
1/72 Scale
Fantastic Plastic Model
このキットを忘れていました。
映画公開後、このICARUSはアポロ計画でいえば司令船の部分であるはずで、打ち上げ・ミッション時はどういった形態だったのか、そのコンセプトについての論議がファン雑誌等でなされたことがありました。
映画では時間軸の異なる地球に帰還した姿としてカプセル部分(2では地上で大破した別機の姿が写されます)しか描かれていません。
このキットはJan Rukrという方のコンセプト図で、打ち上げ時はスペースシャトル方式。帰還時は映画で登場する先端の緊急分離カプセル部分を含めた上記の姿で動力飛行、水平着陸するといったものです。
映画では異常な時空飛行の影響によってか異常をきたした機体からカプセルが緊急放出された形で地球に帰還した筋書を想定しているようです。
キットはパーツ数は少ないですがカプセル内部も再現されています。
デカールの出来が素晴らしく、できれば着陸ギアも再現されていると最高でした(SSTや爆撃機のキットからの流用やホワイトメタル製のバージョンアップパーツを使うのも手かもしれません)。
こういったモデルがキット化されるのも非常に楽しいですね。
ちなみに現在新シリーズとして製作されている映画版猿の惑星の第一部創世記編(また5部作位に話を伸ばすのでしょうか?)では旧シリーズのオマージュとして映画進行と並行した形で火星有人探査計画「イカルス」ロケットの打ち上げと帰還時の通信途絶/遭難のニュースが流されます。
今回は旧作の諸刃の刀でもある「イカルス」のタイムスリップを必要としない筋書で話が進んでいますから(自身はいまのところこちらの方が気に入ってます)。
このキットを作成しました。
モデル製作記 No.3にて展示中です。
2018.10.26追記
残念ながらこのキットは今秋とうとうリスト落ち(廃番)になってしまいました。
今朝方STAR TREKシリーズでMr.Spockを永年演じたレナード・ニモイ氏が亡くなったというニュースが流れました。
追悼の意を表して当館手持ちの収蔵品をかき集め緊急企画とさせていただきます。
米国NBCネットワークで1966年秋からTV放映がスタートしたスペースオペラの金字塔的シリーズ。最初のシリーズ79話をオリジナルシリーズとして別格扱いしています。プロデューサーはあの親日家ジーン・ロッテンベリー。
その後このオリジナルTVシリーズのキャストで幾度か映画化され、以後はキャスト、時代設定を変えた新シリーズが製作され続けました。
このTVシリーズの日本放映は1969年。「宇宙大作戦」として当時のSF小僧の心をわしづかみにしました。
写真はオリジナルキャストで固めた映画シリーズ1~3と設定は同じとしてキャストを若手俳優陣に総入れ替えした最新シリーズ映画2編のパッケージです。
今更ストーリーを語るまでもありませんがSTAR TREKといえばやはり決断力と行動力にたけたカーク船長(ウイリアム・シャトナー)、論理的な思考を重視する副長スポック(レナード・ニモイ)のコンビがこのシリーズの要でしたね。
余談になりますがこのオリジナルシリーズにはパイロット版がありました。
船長はパイク(ジェフリー・ハンター:新シリーズ映画のパイク提督ということになるのでしょうか)という、どちらかといえば迷いも多い人間像として描かれています。
カーク船長の前任という設定とすればこの時からレナード・ニモイ演じるスポックが副長として登場しています。そして新キャストで2作上映された新STAR TREKでさえタイムパラドックスの危険をはらみながら老人スポックとして新メンバークルーを導く重要な役どころで唯一出演し続けていました。
レナード・ニモイのミスタースポックこそMr.Star Trekと言えるでしょう。
STAR TREK SPACE SHIP SET
AMT
これはTVシリーズのエンタープライズ号を含む敵艦のクリンゴンバトルクルーザーとロミュランバードオブプレイの古いキットセットです。
USS ENTERPRISE
COMMAND BRIDGE
エンタープライズのブリッジのキットで1991年のNew Ver.です。
この前に1975年版がありました。
ENTERPRISE
NCC-1701 CUT-AWAY
1/650Scale AMT
TVシリーズの初代エンタープライズのカットアウェイモデル。
第一と第二船体、ワープエンジンの内部が見られるように外皮や船体半分が外せるようになっています。
キット内容
箱絵の完成写真
U.S.S. ENTERPRISE
NCC-1701 1/850Scale BANDAI(1st.Edition)
バンダイが船体着色済み、メインエンジン、パルスエンジン、ディフレクターやブリッジ等のライティングシステムを標準搭載するという初めての試みで商品化したエンタープライズ映画版。
その後、旧式化した本線は同型代替船体の大幅改修でNCC-1701Aとなり、後日再販版では選択できるように追加されていました。誰でも簡単に組み立てられる精密再現されたエンタープライズとして画期的なキットでした。写真は当館長製作品です。
2016.09.15追記
電飾点灯の復活、船体全面のパネル接合部への墨入れに加え、インパルスエンジン欠損部の再生やデフレクター等のブルー色効果アップ等を完了し、「STAR TREKⅡ:カーンの復讐」よりカーンに乗っ取られたリライアント号(フルタ食玩)との対決シーンを撮影してみました。
第一船体下面の墨入れ
欠損インパルスエンジンの再生
第二船体の墨入れ
ディフレクター発光色(青)の強化
改修なったNCC1701
インパルス推進航行!
対決
U.S.S. ENTERPRISE NCC-1701 E
1/1700Scale BANDAI
1996年公開された映画STAR TREK First Contactに登場する新造艦。
この映画は船長がピカードとなった新シリーズで、Mr.Spockも登場しません。
前作のNCC1701同様に船体塗装済みでライティングシステムが最初から入っています。
船体に大きなダメージはありませんでしたが電飾が同じく作動しません。
2016.09.11追記
原因はNCC1701と同様にスタンド支柱に仕込まれているスライドスイッチのパーツ裏の接点On/Off用の突起の擦り減りでした。なんとか電飾効果は復活させました。
さあ、どんなシーンを再現しましょうか?
<追加展示>
NCC-1701Eのキットを使って..........
NCC-1701と同じ箇所の不具合から電飾回路が作動しなかったことが判明し、比較的簡単に修復なったバンダイのE型エンタープライズ。
フルタの食玩スタートレックシリーズの「BORG CUBE」を使って映画のシーンを撮影してみました。
BORG CUBEの電飾仕込み
一枚一枚カットしたアルミシールに開口キズを付けてからキューブの6面内側に貼付けて内部に仕込むLEDの光がそれなりにキューブの一部で発光する様にします。
BORG CUBE外観
遮光シールの準備
内部の遮光内張り
発光効果
NCC-1701E
電飾を復活させ、ダメージ部や窓部に墨入れを実施して再登場です。
修復なったNCC-1701E
前方から
側面第二艦橋
後部から全形を
NCC-1701E BORG CUBEとの遭遇
ボーグキューブと遭遇したNCC-1701E。戦力分析の結果、交戦を緊急回避し全速離脱を試みる1701Eという映画とはちょっと異なるストーリーで.........
遭遇
緊急旋回回避
反転完了
全速離脱
ENTERPRISE NX-01
1/850 Scale BANDAI
新TVシリーズSTAR TREK ENTERPRISEの新造船 NX-01。
とはいえこの船は人類最初のDeep Space探査用の船でエンタープライズNCC-1701よりもだいぶ前の話としてスタートします。いわばエンタープライズのルーツというべき船です。
U.S.S. VOYAGER
1/850 Scale BANDAI
STAR TREKの名を冠したスピンアウトTVシリーズです。
INTREPID級戦艦という最新鋭の船でありワープ中のフィールド安定化のために可変ワープナセル機構を搭載。またE型同様にドーサルネックを完全廃止した第一船体のみの船体デザインの船でした。
船体の機動性、防衛、攻撃システムともに最新最強のテクノロジーを搭載し孤立無援の星系で機械生命体ボーグと戦う日々を描いたシリーズでした。
船長もジェインウエインという女性です。
STAR TREKとしては異色のシリーズでしたが逆にファンも多かったと思います。
キットは御覧のようシリーズ同様に完全塗装済み、電飾システム搭載に加えて本船の特長である可変ワープナセル機構も再現されています。
U.S.S. ENTERPRISE NCC-1701
New Movie Ver. Playmatetoys
これはキットというよりもToyです。
若手俳優陣で新たに描かれた新作スタートレックのムービーに登場するNCC-1701です。
カーク船長(クリス・バイン)のコマンドVoiceやトピード、フェザーの発射音と連動したライティング効果が搭載されています。
全体のデザインも良く、おもちゃとしてしまうにはもったいない出来です。
U.S.S. ENTERPRISE NCC-1701
New Movie Ver.
1/500Scale Revell
こちらは最新映画版のNCC-1701キット。
真っ白な成型色のパーツで塗装等は一切されていません。
従って船体全体にアズテックパターンを自身で塗装再現する必要があります。
デカールという選択肢もあるのですが塗装で再現する際のパターンマスキングシートがサードパーティーから出ています。
またエンジンナセル先端のバサード・コレクタ内部のタービン機構や第二船体後部のシャトル発着ベイを再現できるエッチングブラスディテールアップパーツもParagrafix社からリリースされています。
キット内容
Masking Sheet
Photoech Set
アーサー・C・クラークの同名小説をスタンリー・キューブリックが映像化したこの映画。今でもSF映画の金字塔と言われています。
特に宇宙船、シャトルやムーンバスや月面基地の内部を含めたデザインはその後のSF映画に強烈な影響を与えました。これ以上語る必要もないでしょう。
それではこの映画に登場するメカのキットコレクションを...........。
この映画のメインメカというべき惑星間核融合推進型宇宙船。船体デザインは精子を模したものとよく言われますが球形の制御・移住区と核融合エンジンを可能な限り離して配置し、その間を物資コンテナーを並べたシャフトで繋ぐといった発想は非常に理に適っており、その後のSFに登場する宇宙船もこの設計コンセプトを踏襲しているものが多いのも事実です。
この宇宙船はHAL9000というAIがすべてをコントロールしていましたが、このAIがなぜか異常な行動をとり始めてクルーを殺害していきます。
一人残ったボーマン船長はHALを停止しようとAIの心臓部に入り...........
このHALは当時の世界的なコンピュータ企業IBMの各アルファベットをひとつづらしたものであることは有名な話ですね。
それではディスカバリーのキットコレクションを。
Lunar Models 1/211スケール
今は亡きLunar Models(ルナモデル)のディスカバリー1のレジンキット。
このキットは相当の技量が必要なキットながら当時としては手の届く価格帯、写真の通りの完成品ができるとあり結構購入された方も多いと思います。
このキットは時代とともに何度かパーツの改良がなされ、箱絵も変えて販売されてきました。この写真のものは会社が活動を停止する直前のものと思われます。
リリース初期版ではコマンドモジュールの球体部分は完全なレジン玉で箱絵写真の様にブリッジにライティングを施したり、EVAポッドの発着シークエンスを再現するにはこの球体内部を手作業で掘り起こす必要がありました。
また樹脂注型も未熟なところがあり中間部のカーゴベイ部の取り付けコンテナサポートパーツに欠けや変形等が散見され、これら修正を考えると気が滅入った位です。
この最後期版?では最初から球体部分の内部がくり抜いた状態になっており、また組立説明図には電飾システムの組み込み例まで説明・言及されています。
先のコンテナパーツもほぼ完璧に注型されており、何よりも組立説明図が丁寧なわかりやすい印刷物にグレードアップしている点は評価できます。
残念な点としては電飾システムは近くのラジオショップで個々調達せよとなっていることと、コマンドモジュールの球体部の扁平形状が改善されていない点でしょう。
しかし初期と後期でここまでパーツ等に大きな改善を施すとは驚かされました。
CM内は加工済み
CMはやや扁平
電飾組み込み例
初期版Box
初期版パーツ類
Stergazer Models 1/144 Scale
2009年暮れにStargazer Modelsから突然リリ-スされたもののあっと言う間に品切れとなった1/144スケ-ル2001年宇宙の旅「Discovery One」のレジンキットです。
Star ship modelersというWeb shopのPre-orderを利用して手に入れたものです。
このショップではPreorderしても最終的にはキットの入荷時点で購入の意思を最終確認してくれる様です。 このキットのみならずStargazerのキットは取り扱っているこのWeb shop上にパーツリストや組み立て説明書が掲示されているため購入前にその内容を確認できるのも良いところです。
Boxは極めてシンプルの一言(あっ、ちゃちゃだめだって手だしちゃ!)。
先に取り挙げたLunar Modelsのディスカバリ-号より一回り大きく、何よりもこのキットでは先頭部のCommand Moduleの内部が精密に再現されているのが売りでしょう。
Stargazerの“2001 A Space Odyssey
”シリ-ズは先発製品スペースシャトルOrionⅢ、Aries-1Bでもコクピットや客室船内の再現で好評を博しましたが、このディスカバリ-ではコクピットに加え、その背後に控えるHAL9000システムへのアクセスル-ム、下層の小型作業艇(EVA)格納庫まで再現されています(格納庫のフロアーにはHAL9000の端末まで!)。
内蔵してしまうとほぼ見られなくなってしまう部分ゆえにこれら船内パートは組み立てをスキップしてもよいといった選択肢が明示されているのも面白いですね。
惜しむらくはボ-マン船長が映画冒頭でジョギングをする中央のリング状通路が再現されていないことでしょうか?
EVAは小スケール故に一発抜きだですが3機同梱され、オプションでEVAの発進シークエンスも再現できます。おまけに乗員セットまで。
なによりも全体のプロポ-ションが申し分ありません。
Lunar製キットはコマンドモジュールの球形形状が扁平気味であること、この後取り上げるPlanetX製キットでは寸詰まり気味なプロポ-ションといった残念な部分があったのに対して、このキットはほぼ完璧なプロポーションでディスカバリーが組み上がります。
このようなディスカバリーの決定打的なキットですからあっと言う間に第1回分が完売となったのも肯けました。
パーツ
組立説明図類
デカール
エッチングパ―ツ等
PLANET X
手ごろな大きさとパーツディテール、作りやすさとお手頃価格で購入された方もいるでしょう。
コマンドモジュール形状は完璧な球体で個々のディテールは良いのですがどうも全長が寸足らずでもったいないキットです。
パーツ内容
全長寸詰まり?
組立説明図
LARSON DESIGN's
小粒でもピリッと締まった出来で、塗装を含めて一日で完成するお手軽キットですが結構見栄えが良いディスカバリーです。
どうもLunar Modelsとの繋がりもあるようです。
コンテナシャフト部のバリやコンテナ間のシャフト部を少し研磨修正し、細かい表面ディテールの汚しをすれば、はい出来上がりです。
パッケージ絵
修正したパーツ
各パーツの接着
塗装/汚しを実施
推進部
EVA:One-Man Space Pod
1/12 Scale Atomic City
ディスカバリーのブリッジ下部の格納庫内に3機収納されている船外活動用のワンマンポッドです。
映画ではディスカバリー号のマザーコンピュータHAL-9000の不審な挙動に気づいたボウマンとプール両飛行士がHALに気づかれない様秘密の会話をしたり、そのHAL-9000によって宇宙に放り出されたプール操縦士を救いにボウマン船長が操縦したEVAです。このアトミックシティー製EVAは大きさといい内部の再現性といい現在までもこのEVAのベストキットでしょう。
ただ価格もそれなりに......。
大きなキットですから正面ライトや内部操縦パネルに写真のVooDooFX製別売電飾キットを仕込むことでスタートレックのエンタープライズも真っ青、映画プロップ同様のカラフルで未来的なコクピットに改造できましす。
残念ながらこのレジンキットメーカーは現在活動を休止しているようです。
外部URLはこのキットの作例がアップされているショップサイトですがその完成度を確認していただけるでしょう。
追記 2016.02.07
このキットの再販品(またはコピー)だと思うのですが
Monster in Motion のWebShopで来月から発送開始との情報が出ています。
229.99US$となっていますので価格も現在の対ドル為替レートを見ても発売当時の価格に近いものと思います。
パーツ構成
コクピットパネルデカール等
VooDooFX Lighting Kit
ORION Space Shuttle
"Space Clipper"
1/144 Scale Wilco! Models
映画では地球から静止軌道上の宇宙中継ステーションまで月面で発掘された謎の遺物「モノリス」を調査する科学者を運んだ民間のスペースシャトルとして登場します。当時米国ナショナルフラッグキャリアーであったパンアメリカン航空(PAN AM)の機材という設定です。
このOrionがヨハン・シュトラウスのワルツ「青き清きドナウ」に乗せて宇宙ステーションに接近、格納されるシーンは有名ですね。
当のパンナムは1980年代から屋台骨が傾きだし1991年に倒産運行停止に。 PAN AMの商標は転売に次ぐ転売のはてに今ではローカル線で細々と運行が続けられていると聞きます。
キットはAURORAの倒産後、幻のキットとなった同社ORIONキットを型取りしたといわれるWilcoのレジンキャストモデルですが、プロポーション的にもプロップモデルに近いといわれてきました。ただこのWilcoも活動を停止し、たまにオークションで見かけることがある程度に。
Airfixからもインジェクションキットが出ていましたがこれはプロポーションがイマイチでした。
ORION 2001 Space Shuttle
1/144 Scale AIRFIX
つい最近まで何度か再販されてきたORIONのインジェクションキット。
残念ながらボディーのプロポーションが少しずんぐりしていて残念なキットでした。
ORION Space Shuttle
"Space Clipper"
1/144 Scale Stargazer Models
AURORA 、Wilcoのキットが永らく入手困難になった時、Stargazer Modelという新参メーカーがすばらしいレジンキットを次々とリリースしてくれました。ただ生産ロットが小規模なので取り扱いショップでもいつもOut of Stuckです。それでも生産は継続しているので予約してほしいとの注意書きが添えられている状況です。
このキットもプロポーションの良さだけでなくコクピットや客席コンパートメント内部まで再現されています。
同社からはカーゴタイプ等3タイプのオリオンがリリースされています。
パーツ内容
コクピットおよび客室の再現度合い
ORION Space Shuttle”Space Clipper"
1/160 Scale Moebius Models
当館の展示品として何度かその名前が出てきますメビウスモデル。AURORAの幻のキットの復刻版や60-70年代のSF映画やTVシリーズのメカを完全新規金型で精力的にリリースしているメーカーです。
このメビウスからAURORAのORIONの完全復刻版インジェクションキットがリリースされたのはつい最近のこと。
インジェクションキットですから胴体内部が空洞ですのでここにエッチングパーツで先のStargazerのようにコクピットと客室を再現できる改造パーツ、PANーAM仕様のデカールもサードパーティーから発売されています。
キット内容
改造エッチングパーツ
PAN AMデカール
ARIES 1B 1/144 Scale
LUNAR MODELS
地球周回低軌道に建造途上の国際宇宙ステーションVと月面基地間を往復するシャトルがこのアリエス1B。
写真はだいぶ前に活動を停止したルナモデルからリリースされたレジンキャストモデルです。
4つのランディングギアは格納/展開が可能ですが船体内キャビン等の再現はされていません。
古いガレージキットですがプロポーションは良い出来です。
パーツ類
ARIES 1B 1/144 Scale
Stargazer Models
こちらは数年前に新興メ-カ-であるスタ-ゲイザ-モデルからリリースされたアリエス1Bのレジンキットです。
同社のディスカバリー1やオリオン同様に非常に出来のよいキットです。
トップのコントロールルームに加えて
船体中央部の客室コンパートメント内のインテリアまで再現されています。
現在もStarship Modelersで取り扱っています。
パーツ類
Moon Bus 1/55 Scale
MOEBIUS MODEL
このキットは1969年に公開された2001:a Space Odyssey 2001(邦題2001年宇宙の旅)に登場する月面移動用ビークル「Moon Bus」を完全復刻した製品です。
映画公開とともにAurora社から短期間発売されたキットはその後一度も再販されておらず、幻のキットとしてオークションでは最低7~8万円位で取引されていたものです。
2009年冬にこのキットがMoebius Modelから完全新金型(とは言えたぶん現存キットから型をとったものと思うのですが)で復刻されるとアナウンスされ、即座に予約しました。
リリースまで相当の時間がかかりましたが予約したショップ(Cult TVman’s)ではEary Bird Price:38.95US$で送ってくれました。国内輸入代理店経由のほうが若干早く日本に上陸したようですが8000円弱程度の価格で流通していましたのでUSPSの発送代を足しても割安なお買い物でした。
ボックスア-トは旧Auroraのボックスア-トをそのまま復刻しており、当時は写真の復刻版パッケ-ジのMOEBIUSの社名がAURORAとなっていました。
1/55の半端スケールですがインテリア(コクピットと客室)が精密に再現されていて発売当時から秀逸な出来のキットとされていました。
ただし当初からボディーパーツのゆがみやコクピットのウィンドシールドの形状ミス等も指摘されていました。このコクピットのシールド問題に対してMoebiusではオリジナルのものと改良版の垂直型ウインドシールドが同梱されています。
今回同時に(というよりもキットよりも先に)Paragrafixからリリースされたディテールアップ用エッチングパーツも追加注文しました。
Parts
搭乗者等ディテール
Photoetch Set
ULTIMATE MOON BUS 1/35 Scale Monster in Motion
Monster in Motionで取り扱っていたレジンキットのムーンバスです。1/35スケ-ルのビックスケ-ル。
ボックス絵はこちらも完成品を使ったジオラマ風のものです。
このレジンキットのコクピットのウインドシ-ルドは映画のプロップ通りに平面直立のサイドカ-ブ形状のものです。パ-ツ点数と分割構成はさすがにインジェクションキットである旧Auroraの方が複雑ですが、1/35スケールという大きさと製造元のキット原形師のこだわりによって少ないパーツ構成ながらもすべてのパーツがAurora製Moonbusよりも数段上の出来です。ちゃんとチキンとハムのサンドイッチの宇宙食を立った状態のフィギアが映画よろしくサーブしているのを再現できますから(笑)。
余談ですがこの映画における宇宙食の描写は興味深いものがあります。
軌道上の中継宇宙ステーションⅤと月面基地を結ぶ連絡船であるAries1B内でキャビンアテンダントが食する機内食はすべてストローで吸う流動食。
月面のMoonbus内で科学者たちが頬張るのは本物をまねたとは言っていましたが外観はサンドイッチその物の固形食(本人たちも宇宙食も良くなったといいながら食べていました)。
そしてその約1年半後となる木星調査の途の宇宙船ディスカバリー1の中ではまたまたシチューの様な流動食に近いものになっていました。ただしこれらはちゃんとトレイからスプーンですくって食べてはいました(たまたまメニューがそうだったのかは不明ですが)。
確かに宇宙食は進化しましたね。今ではお寿司をちゃんと握って食べるんですから。
残念ながらこのレジンキットは今では手に入らない状況です。
キットパーツの写真としてMoebiusのものと比較したものを載せました。
左のブルー色のパーツ類がこのレジンキットです。
完成写真例
搭乗員機器類等のディテール
車両外観
車両内部
パーツ類
Detail up Set for Moebius Moon Bus
Moebius/AuroraのインジェクションキットとMonster in Motionのレジンキットのパ-ツ比較をし、古さとスケ-ルから前者の出来についての難点を幾つか挙げました(幻のキットがお手頃価格で再び手に入るだけでも感謝しないといけないのに)。ただ本場米国内ではやはり同じような不満を抱いているお方も多いのか、Stargazer Modelsよりひっそりとこの復刻版Moon Busのディテ-ルアップキットが上市されました。取り扱いは今のところこのメーカーのキットを積極的に扱っているStar-ship Modelerのみです。全般的にメーカーの1バッチ当たりの再生産数が少ないために次の再ストックまで比較的長いインタ-バルが設定されるためかいつもout of stock(在庫無し)状態だです。このディテ-ルアップキットをたまたま見つけたときも在庫はなしでしたが根気良くWeb-shopを覗いて再ストックの残5個でオ-ダ-をかけました(まあpre-orderをかけた方が得策でしょう)。ディテールアップ/修正のポイントは車体下部、キャビンのインテリアと車内及び後部バルクヘッドと窓枠とほとんどパーツ入れ替えの様な状況に。これであの究極と銘打たれたレジンキットに相当近づいたと言えよるかもしれませんね。(写真2及び3)
製品Box
入れ替えパーツ構成
Parts のディテール
EL Lighting kit for Moebius MoonBus
Moebius の1/55スケール ムーンバス用の車内ライティングキットです。
Nゲージ車両等の車内灯ではアクリル板とLEDを使った安価な導光システムが使われますが、このキットはなんとエレクトロルミネッサンス(EL)シートを使った極薄シート状の発光システムです。
前部コクピットは赤、後部キャビンは白という映画のプロップ同様の2色の電飾効果が得られます。
Star Ship Modelの取扱い商品にはOut of Stock状況ですがまだ掲載されてます。
EL発光シートにバッテリーパーツ等
Moon Bus 1/72 Scale Planet X
旧オ-ロラの幻のインジェクションキットの復刻盤ともいえるMoebius のムーンバス、レジン製ガレ-ジキットながらも素晴らしい出来栄えのMonsters in Motion製1/35スケールキット両者を紹介しました。
今回紹介するのはMonsters in Motionのミニサイズ版(1/72スケ-ル)ともいうべきキットでプロポ-ションはなかなか良いものです。このキットはPlanet X製で英国FRONTIOR MODELS.COM で扱っていましたがもう絶版かもしれません。
このキットも小さいながらキャビン内部が再現されていますが、残念ながらコクピットまでは再現されていません(フロントパーツ内部にコントロールパネルらしきモールドは見受けられる)。
また多少バリやパーツの摺り合わせが必要ですがモールドの方はまあまあでしょう。(写真2)
それにしてもこの組立説明図でどうパーツ配置を理解しろと言うのでしょう?
(写真3)裏面は白紙でこれだけです。脚周りにホワイトメタルの細かいパーツが思いの外に多く使用されていますからよくよく段取りを決めて作成に入る必要がありますね。
Parts
一枚きりの説明書