戦闘機・攻撃機キットの展示室

世界主要国の戦闘機や攻撃機のキットを国別に新旧交えてご紹介します。

 特に最近の実戦配備中のステルス機とその今競作機は#3Gの航空技術テーマ別展示室「見えない航空機を目指して」のコーナーにて展示しています。

またVTOL機も実戦配備機をこちらで紹介し、開発の系譜と各種試作機は同じく#3G展示室の「ヘリコプターを超えろ」のコーナーにて展示中です。

 


US Fighter/Attacker

US Air Force(空軍),US NAVY(海軍),Marines(海兵隊)3軍の歴代正式採用航空機とその採用を目指して熾烈な競争を演じた競作機(流産機)といった試作機もこちらで展示します。

系譜を網羅するほどの機数はありませんがご容赦のほどを。

 

 

US Air Force:米国空軍機

Fighter:戦闘機

F-82 TWIN MUSTANG 

1/72  Scale    TAKA

まずは古い珍しい機体から。

当時陸軍航空隊(後のUSAF)は長距離爆撃機護衛用の長距離戦闘機の必要性からメーカー各社にその機体仕様を打診。

ノースアメリカンは自社で製造していた高性能レシプロ戦闘機P-51ムスタングを二機合体させた双胴機体を提案し、P-82という名称で正式発注を受けました。

試作機は1944年に完成し、その2年後に正式採用されています。USAFの新組織化でF-82と名称変更されました。

二機の機体を中央主翼と尾翼でただ繋げたように見えますが、そう簡単に双胴化が成功するわけはなく、各所に再設計が加えられています。

エンジンは同一ながらそれぞれのプロペラを逆回転(左の機体のエンジンにギアを追加)させてトルクを打ち消し、2つのコクピットに搭乗するパイロットは交代で操縦できるようにシステムが統合されています。

まだまだ昼間戦闘機(目視飛行)が一般であった当時、右側操縦席をレーダー手席に改造し、中央翼下に大型の増槽型レーダーユニットをつけた夜間戦闘機P-82F/Gも製造されました。F/G型はそれぞれ搭載レーダー(メ-カ-)が異なっています。

高性能機として活躍した本機も1953年には全機退役しています。

キットはTAKA ブランド(鈴商)の1/72スケール・インジェクションキットです。

写真の様に夜間型も再現できるキットでした。

 

 

MD F-15B/D EAGLE 

1/72 Scale              HASEGAWA 

当時戦闘機においても広まりつつあったミサイル万能信仰により制空権獲得に苦労したベトナム戦争での教訓に加え、ソ連の航空技術の進歩、新型戦闘機群の登場に対してそれらを凌駕する格闘空戦力にたけた超音速制空戦闘機を渇望したUSAF。

その回答が第四世代機として最強の制空戦闘機と呼ばれたこのF-15EAGLEでした。

キットはこのイーグルの複座型B/D 1/72スケールシリーズ。

この機体をベースに日本がF104Jに代わり次期要撃機として導入したF-15Jは自衛隊の装備機コーナーに展示中です。

 

 

General Dynamics F-16A

Fighting Falcon

1/72Scale  Hasegawa

F-15の機体価格が膨れ上がり十分な機数の導入が難しくなっていた空軍が(海軍でもF-14にて同様な状況を招いていた)それを補完する軽量・高機動で低価格な機体の開発研究を目指す次期軽量戦闘機(LWF)計画を立ち上げ、その後本格的な開発計画に格上げされた空戦戦闘機(AFC)計画にて最終的な勝者となったF-16 Fighting Faicon。その量産型F-16Aの古いハセガワのキットです。

当初からフライバイワイヤ技術やブレンディッドウィングボディーコンセプトおいった新技術を導入し、軽量でありながら耐G強度にも優れた機体にF-15と同一の高推力のP&W F100エンジンを単発ながらも組み合わせ高機動戦闘機を目指した本機は選考最終段階でNothropのYF-17 Cobraとの一騎打ちとなり、性能比較審査の結果高機動、加速性、航続距離性能でYF-16に軍配が。

本格導入後もブロックアップデートと呼ばれる改良型更新機の導入を続けながら海外の空軍への積極的なセールス活動を展開し海外輸出も進み空軍機としてはトップクラスの総生産機数を誇り、ロングセラー機として確固たる地位を築いています。

 

余談ですが敗れたYF-17は空軍向けの機体ながら海軍が絶対条件とする双発機であり、機体デザインにとりいれられた空戦スリット付きの大型ストレーキによる離着陸性能の高さから同様にF-14の導入コストに苦しむ海軍により艦上戦闘機としての可能性を見出され、艦上機の開発・採用に経験豊富なMcDonel Dougrusの協力によって(ほとんど横取りに近い......)洗練されたF/A-18艦上マルチロール機Hornetとして生まれ変わり、こちらも現在の海軍統一機種にまで上り詰めています。

 

 

General Dynamics F-16XL

1/72Scale     Monogram

USAFのETF(発達型戦術戦闘機)計画でMcDonell DougrusのF15E(ストライクイーグル)と一騎打ちを演じたF16の発展型試作機XL最初の(古い)キットです。

長らく収蔵庫の奥に積まれていたのを思い出しました。

ETF計画とは老朽化したF-111の代替機開発計画でした。

一旦は計画自体が中止になりましたが再度の仕切り直しでF15EとF16XLの2機の既存機をベースにした試作機の評価試験へ。

このXLはF-16の翼をクランクドアロー翼(バルカンやコンコルドで採用されたデルタ翼)に変更し、翼下の兵器搭載量と航続性能の増大を狙ったものの空力抵抗増大による超音速巡行性能は若干犠牲となったようです。

まだ発達途上のCFRP成型技術を全面採用したため機体の軽量化には大きく貢献したものの製造コストが高くついたとされています。

もともと大型ながら高い格闘戦能力を持った母体をベースとし、チタンを多用したF-15Eの空戦性能、兵器搭載量と生存性能(対弾性)が評価されマクドネルの勝利となりました。

 

 

ATF(Advanced Tactical Fighter)

先進戦術戦闘機開発計画:F-22 Rapter

今もって最強のステルス戦闘機とされる現米国主力戦闘機F-22とその競作機YF-23はATFステルス戦闘機の開発経緯として第3G展示室に公開中です。

 

 

JSF(Joint Strik Fighter)

統合打撃戦闘機開発計画:F-35 LightningⅡ

 ステルス戦闘機F-35とその競作機YF-32についてはATAステルス戦闘機の開発経緯として第3G展示室にて公開中です。

 

 

 

US NAVY :米国海軍機

 

Attacker:艦上攻撃機

Douglas A-1H Skyrader

1/40 Scale  Revell History Makers

ダグラスAH-1スカイレイダ-

1945年の初飛行から朝鮮戦争、ベトナム戦争に至る実戦において米海軍を支えてきたエド・ハイネマンの手によるレシプロ攻撃機です。
このRevellのキットは1/40というハンパスケールながらすごいキットでした。

なにがすごいってキットに盛り込まれた可動部とそのギミック。
なにせ発売当初のコピ-が「このキットに出来ないことは実際に飛ぶことだけ」だったとか。
さすがにキットは発売当初のものではなく同社の記念再販企画ヒストリ-メ-カ-シリ-ズのものですがこの企画自体が今や古のシリーズかしていて貴重なキットではないでしょうか。
ギミック(Gimmick)は「秘密の仕掛けの意」でただ動く可動部とは本来ちと違うのですがこのキットは本当にギミック満載なのです。
主脚は実機同様90度回転しながら翼内に格納されるわ、艦上機の必須の翼端折り曲げ機構はそれなりに再現されていて畳んだり展開したりできるわ、フラップを下げると機体側面のダイブブレーキが開き、尾輪はせり出すわ。
可動部も各動翼可動は無論のことキャノピーはスライド、エンジンカウルを開けると内臓エンジンが見えるわで、今はやりのマイクロモーターでも仕込めば、あっ動き出した!(嘘)。
これをリンドバ-グ的なおもちゃキットでなくスケールキットで実現しているところが素晴らしいところ。ギミック・可動キットの1つの頂点と言えるでしょう。レシプロ機には興味のない当館館長でもこのキットだけは.......

 

 

DOUGLAS model 1186-c

1/72 Scale        SHARKIT Models

1948年に米海軍が打出した長距離侵攻艦上攻撃機研究開発仕様115に対してダグラス・サンタモニカが提案したModel 1186-cのレジンキットです。

一種の親子ジェット機構想で10000lbsの爆弾を積み、1700nmの航続距離を持ちMach1.2の最大速度を出せる機体として計画されたものです。

無人の長距離フェリー用大型子機に同時期に同社で開発中だったX-3スティレットに似た有人の小型親機をパイロンに載せた独特の形態はスペースシャトルにも似て今でもインパクト十分です。箱絵の如く当時の空母の古めかしさに比べて飛び立つ航空機のなんと斬新なこと。このギャップがたまりませんね。NAVY Blueが映える機体です。

同スケールのConvair YF2Y-1 SEA DARTと並べた作例をHPで展示されている方がおられました。なかなかのグッドチョイス。

そう言えばこの時代はまるでシャープペンシルが飛んでいるかの様なデザインの爆撃機や戦闘攻撃機の計画が多かった時代でもあります。

まあ実用化(試作すら)されない機体ばかりでしたが。

 

キットの内容

同時に並べたいNAVY Blueの機体

 

 


North American A-5A Vigilante

1/72 Scale             Revell

冷戦時、US NAVYの核抑止力の一翼を担った超音速艦上攻撃機ノースアメリカンA-5 ビジランティ。

同機の攻撃機時代のモデルとしてはなんとか手に入る唯一のキットではないでしょうか(これはラジルレベル品です)。

実機同様に双発ジェットエンジンに挟まれた機体内中央部に設置されたトンネル状の核爆弾射出筒も再現されているキットです。

 

一方下段のハセガワの古いキットは同機が攻撃機として退役後に超音速偵察機に改修されたRA-5C型のもの。

これは今でも箱絵デザイン替えで再販されています。

今ではビジランティのキットはこのRA-5Cばかりで........

 

 

LTV  A-7U  CorsairⅡ

1/72 Scale       REVELL

A-4スカイホーク艦上ジェット攻撃機の代替計画に Ling Temco Vought(現Vought)が自社の超音速艦上戦闘機F-8をベースに小型化する案で応募。正式採用されたコルセアⅡ。

名称由来は逆ガルウィングで有名だった自社のレシプロ機F-4Uコルセアから引き継いでいます。

まさにF-8を小さく(寸詰まりに)した弟分という姿ながら主翼の可変取付け角機構は主翼フラップの増強で十分としてこの機体には搭載していません。

その分機体構造を単純軽量化して燃料搭載量と兵装搭載量を図ったとのこと。

ただF-8では露呈しなかったカタパルト発艦時のエンジンストール問題(発艦時にカタパルト蒸気を吸い込みやすい状況になってしまっていた)に直面し、一時期発艦重量の制限が加えられた同機も新エンジン換装で何とか解決へ。

亜音速機ながら搭載量、搭載可能兵装が豊富な高性能なマルチロール攻撃機として空軍も早くから興味を示し、不要な主翼端折畳機構は残しつつも機構を簡素化、空軍型空中給油口(レセプタル式)を機体背中に移動新設、エンジンと機関砲を換装してコクピットには電子装置類のアップデートとともにHUD:ヘッドアップディスプレーを導入したD型を500機近く採用。ただ愛称のコルセア(海賊)が気に食わなかったとかで.....

 

キットは古いレベルの1/72スケールキット。

タイプの記載がありませんが機首横に格納式空中給油ブームのふくらみが見られますので空軍向けタイプのD型以外の初期A~C型またはエンジンをTF-41に換装したE型ではないかと。

ちゃんと翼端折畳機構も再現されてます。

 

 

ATA(Advanced Tactical Attacker)

先進技術攻撃機開発計画:A-12 Avenger Ⅱ

モックアップのみにとどまったステルス艦上攻撃機A-12はATAステルス戦闘機の開発経緯として第3展示室Gに展示中です。

 

 

 

Figher:艦上戦闘機

XF5U-1 Fluing Pancake 

1/72 Scale     HASEGAWA

これは海軍が空母での運用を目指して開発していた全翼(円盤翼)機です。

離着陸性能や航続距離の飛躍的アップを目指して艦載機の老舗ヴォート社が開発していたものを海軍が正式に2機の試作開発決めた機体でしたが結局正式採用には至りませんでした。

画期的な操縦性能を実現できる機体として注目されていましたが肝心のヴォート社が正式発注された機体F-4Uコルセア(ジェット戦闘機のファントムではありませんよ)の製造で手一杯だったことで機体開発が遅れたこと、開発が本格化した時にはすでにジャット機が進歩し始めていたことに加え、搭載兵器として投下兵器は問題ないもののこれから一時代を築いていくロケットやミサイル等の射出には不向きな機体デザインであったことが致命的と判断され開発は中止されています。

とはいえ試作機体は完成しましたが装着予定のプロペラの開発が遅れたため飛行はせずにもっぱら地上試験のみ実施されています。プロペラとして一時期仮の代用品をつけていたため完成機体の初飛行も行われた様に思われてきましたが実際は地上駐機時の写真のみが残っています。

この機体を開発する前段階でスケールダウン機V-173が試作され、これは飛行に成功していたのも混乱の一因のようです。

画期的な機体であった故に一度も飛行せずに中止されたところに何らかの憶測も出てきますが一度くらい飛ばせてみれば良かったのに...........

キットはハセガワのもので資料が少ない同機ながらハセガワの定評ある非常にデリケートな出来の秀逸キットでこの機体のベストキットといえるでしょう(というかほとんどキットがありませんからね)。

こういった珍しい機体もドンドンラインナップしてほしいものです。

 

 

GRAMAN F-9F PANTHER

1/72 Scale        Hasegawa

海軍艦上ジェット戦闘機としては写真の直線翼を見てもジェット機初期のものであることがわかります。

海軍の旧機体命名法(機体呼称)にはあまり時系列的な整合性はなく、この機体は艦上ジェット戦闘機としてはF-1初代ファントム、F-2バンシーに続く3番目に正式採用されたものです。朝鮮戦争時にはソ連が投入してきたミグ後退翼機には速度、機動性で大きく差を付けられ、パイロットの技量で応戦していたものの、同時期に空軍向けに開発されたF-86セイバーを海軍向けとしたJ(F1)フューリーの改良3型にその座を譲り安定性と頑丈な機体設計を買われて対地攻撃任務機へ転身。

朝鮮戦争休戦後には後退翼を採用したF-9F改良型クーガーへと置換わりつつ全機無人標的機になりました。

 

キットは古いハセガワの1/72スケール シリーズ。このシリーズは箱絵のデザインを変えて再販されています。

ハセガワのキットも今では当時まだなかった1/48スケールシリーズが主流の様で.......良い時代です。

 

 

DAUGLAS F4D-1 SKYRAY

1/48 Scale    TAMIYA

大戦中のドイツ航空技術研究の一つデルタ翼に注目していたダグラス社が1950年代の海軍ジェット艦上迎撃戦闘機要求に応えて完成させたF4Dスカイレイ。

その形態は「空のエイ」さながらの特異な無尾翼デルタ翼機で、試験運用中に早々と速度記録を樹立するなど海軍の要求を満たす優秀な性能を示した機体でした。

ただ全天候性能は持たずまた小型の機体ゆえに航続距離等にも難点があったのも事実です。

サイドワインダーを4発、または爆弾等を外部パイロンに混載して運用できました。1965年までに全機退役しています。

キットはF4D-1の決定版ともいわれるタミヤの1/48スケールキットです。

 

 

VOUGHT F7-U3/M Cutlass

1/72 Scale            Hasegawa

艦上高速戦闘機として1947年に海軍の指名を受けボート(チャンスボート)社が開発したF7-Uカットラス(船乗りの短剣、通常はダガー)。

御覧のように艦上ジェット戦闘機としては初の無尾翼ジェット戦闘機としてデビューしましたがラディカルな外観の機体設計ゆえに艦上機としては致命的な着艦性能不足による事故の多発や航続性能不足といった問題を抱え、度々の改修を受けながらも運用後8年足らずで全機退役となりました。

一部では駄作機扱いの本機ですがこのラディカルさがたまらない色物機体としてファンも多くキットもレベルや国内メーカーからリリースされてきました。

キットはこの機体がお気に入り?のFUJIMIのバリエーションモデルを2つ。

そうそう、当時の超大型空母として人気の高かったUSS CV59フォレスタㇽのモデル甲板上には小さなこのF7Uが並べられるようについていました。数年しか運用期間はなかったはずですが.....

 

 

VOUGHT F-8E Crusadar

1/72 Scale         HASEGAWA

1950年代米海軍の超音速艦上制空戦闘機開発要求の勝者として登場し、多くの改修派生型機を展開しながら1999年12月の全機退役まで海軍戦力の一翼を担い続けたボートF-8 クルセイダー(十字軍戦士)。

世界初の超音速艦上機であり、当時の空軍現役機よりも高い速度性能や運動性能、汎用性を持ち合わせた機体。A型は全天候性能を持たない昼間戦闘機に甘んじていましたがB型、C型と本格的なFCSとレーダーをアップデートしながら全天候運用能力を付与されました。。

同機の特徴としてはまず主翼後部の胴体取付け部をヒンジ機構とし、これをピボットとして胴体内の油圧ジャッキ2基で主翼前桁部を持ち上げ主翼の取付け角度を可変できる主翼取付け角可変機構をもつ唯一の実用機体であったことでしょう。これは同社の前作機F-7カットラスでの着艦性能問題との戦いに懲りた同社が超音速機の低速度域性能改善、とりわけ空母着艦性能の大きな改善策として採用したアイデア。着艦時の機体迎え角を変えずに相対的に大迎角を取れるこの機構は併せ採用した前翼スラット、後縁フラッペロンとの連携で前方視界を十分に確保しながら低速度での十分な揚力を確保して安全な着艦実現に貢献しています。

また艦上機としては珍しくジェットエンジン単発機である(あとはこのF-8を小型化したA-7コルセア位....)のも大きな特徴でしょう。

 

同機は米軍内で蔓延し出すミサイル万能神話に基づきミサイルのみを空戦兵装としたF-4等の大型戦闘機群と異なり当初から機銃を搭載したジェット戦闘機で20mm機関砲を機首左右に2機づつ内蔵しベトナム戦ではその軽快な運動性もあってミグとの空中格闘戦でも戦果を。4基の機関砲といってもその弾数は計500発弱(一基当たり125発)と貧弱でしたが有るのと無いのとでは大違いという結果を示し、その後F-4へも機銃を外部パック式で装着したり機種下面への正式搭載改修を進める原動力になりました。

 

キットは機種レドームを大型化し、レーダーFCSをさらに強化、兵装ポイントを2か所増やし対地攻撃能力を強化した海軍最終E型のハセガワ1/72スケールシリーズキットです。

 

 

Graman F-14D TOMCAT 

1/72 Scale         

Model Graphics/Fine Mold

国防大臣マクナマラの米国空・海軍共通戦闘機計画の海軍型F-111B開発から早々に逃げ出し、ミサイリアー構想をも取り込みながら行き着いたのがこの究極の艦上可変翼戦闘機 F-14。母艦空母の上空を滞空警戒しまずは長距離索敵レーダーと長距離対空ミサイルのコンビネーションで敵機を遥か遠方で撃破、万一打ち漏らせば可変翼機動で格闘戦も任せなさいという本機。

後任のF-18に空母打撃部隊の防衛を任せ全機退役した本機ですが未だ根強いファンの多い機体ですから説明の必要もないでしょう。

 

数ある同機のキットの中でも異色の存在がこのModel Graphicsが創刊30周年記念企画として2015年7~9号の3号分割で付録化したこのキットでしょう。

人気のある同機故に当時すでに出来の良いものもありましたが、あのファインモールドの協力を得て1/72スケールキットとして「これ以上のキットはない」との触れ込みのキットでした。組み立て説明図は資料写真や図面等を含め本誌の方に掲載されてます。

総パーツ数200点越えの「最強・最後のTOMCATキット(キャッチコピー)」になっています。それゆえにこのキット用として協賛企画も目白押しでした。

スケールアビエーション(SA)誌が7月号にてウェッポンセットキットをおまけに付けるわ、Model KastenからはレジンパイロットフィギュアーセットやB型への改造パーツ、デカールの追加バリエーション、塗料セットまで展開。

ファインモールドからもコクピット内のディテールアップキットがでてました。

 

同じく1/72スケールのイタレリとハセガワのキットも出てきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Grumman S2F-1(S-2A)Tracker

1/72 Scale   Hasegawa

いつ購入したかも思い出せない箱の変色著しいハセガワのGrumman S2 Trucker:トラッカ-艦上対潜哨戒機 1/72スケールキット。

何でこんなキット買ったんだろう?
この機体は海上自衛隊でも使ってましたね。
この機体の後継機が愛嬌のある機首でおなじみのLockheed S3 Viking:バイキング ジェット対潜哨戒機でしたが冷戦終結とともにこの機体もひっそりと全機退役してしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

US MARINES:米国海兵隊機

AV-8B SUPER HARRIER

1/72Scale ITALERI

もともと英国BAe(旧Hawker Siddeley 社)製の世界で唯一成功した垂直離着陸機ハリヤーGR.1が母体です。

この機体はロールスロイス社によるベクタードスラスト方式のペガサスエンジンの実用化が成功の鍵でした。ヨーロッパ諸国(英国、イタリアやスペイン)のみならず米国までもが直接購入してAV-8Aと正式命名した特筆すべき機体でした。

米国はさらにこの機体を改良し、高性能化につき英国との共同開発を模索します。結局米国主導の開発となりマクドネルダグラス社が主契約者となりAB-8B(ハリアーⅡ)として完成させました。

というわけでこの箱絵の表記はちょっと誤解を生む表記なんですがまあいいか。

機体に複合材を多様し、アビオニクスも一新。加えて翼にスパークリティカル翼や高揚力発生装置も搭載し、英国側からは推力増強型改良ペガサスエンジン105を提供され大幅に性能がアップした別機体と呼べるものになっています。

英国もGR.5として正式採用し米国から逆輸入しました。

イギリス生まれの米国育ち(えっ?イギリスを先祖に持つ米国生まれ?)としてこれほど上手くいった機体はないでしょう。

 

 

Bell -Boeing  V-22A  OSPREY

1/72 Scale                 ITALERI

米軍とNASAにより永年研究開発が続けられてきた垂直離着陸機。数々のアイデアによる試作開発機の中でなんとか実用化に漕ぎつけたチルトエンジン(ローター)式軍用機体のV-22 オスプレイ。

JVX(Joint-service Vertical take-off/landing eXperimental)四軍共同プロジェクトとしてスタートしその後(艦上運用を考慮してか)海軍の主導で開発が本格化した同機は1985年に本機案の正式採用が決定し、V-22の名称が与えられています。

直ちにまず海兵隊のCH-46シーナイトの後継機となるMV-22の先行初期量産が承認されたものの当時の国防総省内の予算削減/計画中止の動きや2度の重大な墜落事故が続いたことで配備計画の中止は免れたもののその配備計画は大きく遅延することに。原因の特定によるシステム改良に加え、運用制限設定やパイロットへの追加訓練が続けられ、2005年に全軍向け量産が決定します。空軍向けのCV-22も生産配備が開始されるとともに海軍もC-2グレイハウンド艦上輸送機の後継機にCMV-22を採用を決め、ご存じの通り日本の陸上自衛隊も海兵隊向けMV-22の導入を決めましたね。

 

キットは古いITALERIの1/72スケールものですで本機の採用決定後の初期のものでしょう。V-22と総称名表示、機体に米軍マークがあるもののどこ向けの機体なのか今では見慣れない迷彩塗装の機体が描かれた箱絵版です。多分こんな迷彩が施されていれば空軍向け機体ということなのかもしれません。陸自向けに一時期これに似た迷彩機体デザインがありましたし。

 


Japan Fighter/Attacker

大戦期のお気に入りの機体、戦後の航空自衛隊の採用機をご紹介します。

 

 

日本海軍試作局地戦闘機「震電」のキット
実は日本のレシプロ戦闘機には全くといっていいほど知識も興味も無いですがこの震電だけは特別で子供のころから唯一のお気に入りといっても良い機体です(うわ-、多くの日本機ファンの方に総スカン喰いそう)。

今回2009年の年末に予約者に先行提供された造形村1/32スケールの震電のキットとともに幾つの震電のキットも出てきましたのでまとめてご紹介します。

 

この震電は当時日本の高空を高速飛行する当時の高性能巨人爆撃機B-29を迎撃する切り札として日本海軍が開発を進めてきた試作局地戦闘機でしたが、その初飛行は終戦間際の1945年8月3日でした。

機首に4門の30mm固定機銃を詰め込み、その高速性能を生かしてB-29に前方から機銃攻撃かけた後、再度Uターンして再び2度目の攻撃をかける2殺戦法を想定していました。

高速性能を得るためのパワープラントは大馬力の星形複列18気筒2130Hpの三菱ハ43に可変ピッチ機構搭載の6翔プロペラによる推進式(プッシュ式)。エンテ翼(先尾翼の斬新的な機体でした。

この配置形式は飛行中の搭乗員の緊急脱出時や胴体着陸時の安全性に問題が残る形式だですが緊急脱出時には爆薬でプロペラを後方に吹き飛ばす機構が搭載される予定でした。また本機のエンジンをジェット化する計画もあったと言われていますがこれは具体的なものでは無かったとの説も。

しかしながら想定されていた敵であるB-29の波状爆撃によってエンジン開発を手がけていた三菱の製造工場が壊滅的な打撃を受け、この大事なエンジン開発に遅れが生じたことも登場遅延の主因の一つです。 ただもう少し早く登場していたところで戦局の行方は到底覆らなかったことでしょうし、先尾翼形式等による飛行安定性の問題が解決できたかどうかも定かではありません。 ましてやジェット化でもしたらそれこそ恐ろしくて飛べなかったのではないかと思われるのですが?

それでもこのデザインは秀逸です。

高性能を期待させ、さらにジェット化といった夢を思い描かせるに十分な機体であったのは事実でしょう。

少し前(いやもうだいぶ前か)に話題になったフルCG空戦記アニメムービー「スカイクロ-ラ」に登場する戦闘機「散香マークB」は誰が見てもこの震電の改良タイプを意識していました。

 

 

最初のキットはタミヤの古い1/100スケールのキットです。

このシリーズは小さめながら総じて出来が良いキットが多かったと思います。

懐かしいチューブ式の接着剤が同梱されていた時代のキット。

最近、当シリーズが再販された記憶が...........

2つめはハセガワの1/48スケールキットで造形村のキットが出るまではベストキットとも言うべきものでした。

 

そして最後が造形村の1/32スケール、スーパーウィングシリーズNo.1 震電 先行予約の第一期生産分です。

この震電、内部構造まで精密再現された大型キットで年末(先行予約分)から新年に掛けてリリ-スされることが模型雑誌の広告や予約窓口のボ-クスさんのホ-ムペ-ジで紹介されたのが2009年の夏ごろでした。

キットが事前予約者に先行配布され、期待に違わない出来栄えであることを改めて確認したものでした。

一般販売は2010年1月15日。とにかく完成度へのこだわりと、ファンに対するきめ細かい配慮がなされたキットで、商業的に成り立つのかと心配してしまったほど。

このキットは瞬く間に完売となり、後日第2次生産が追加販売されましたが現在はSold Outとなっています。

購入機数でフィギュアー等のおまけの内容も変わり、また後日改造パーツが幾つもリリースされ、当館も幾つか買い求めていました。

幻のジェットエンジン「ネ20超」もリリースされましたが買い逃しました......

造形村のスーパーウイングシリーズもいつの間にか機種も10を超えているんですね。

 


航空自衛隊の使用機の系譜

日本の空を守る航空自衛隊歴代装備機を手持ちのキットでご紹介します。

 

North American F-86F-30  Saber

 1/72 Scale          FIJIMI

航空自衛隊が始めて手にした後退翼ジェット戦闘機North American F-86F Sable/Saber:セ-バ-。

ゴジラを筆頭とする東宝の初期の怪獣映画で迎え撃つ航空自衛隊の主力戦闘機として登場していた機体ですね。

朝鮮戦争時、まだレシプロ機や直線翼のジェット戦闘機が主流であった米軍に対して中国義勇軍がソ連から調達装備した後退翼ジェット戦闘機Mig-15が襲いかかり制空権の確保に米軍は苦戦を強いられます。

この苦境を救ったのがこのF-86であり、その後設立された自衛隊にもエンジンをより強力なJ-47に換装し、改良された後退翼(6-3翼)を採用したF型が協与機として装備されました。その後ライセンス生産に切り替わり、永く日本の空の盾としての任務を保持しました。

当時、子供時代に一度はお世話になるジェット機プラモデルの代名詞でした。

またこのF-86には大型のレド-ムを装備した全天候型F-86D:Saber-dog:セイバ-ドッグがありますが、このD型も自衛隊に供与され一時期運用されていました。しかしすべてが中古機故に真空管式の電子アビオニクスの故障率が高く早々と次期F-X機と交代してしまいます。

 

キット自体は大小合せて相当数の名作が世に出ていますが、手持ちのものは比較的新しいフジミの1/72 F-86F-type30米国供与機のみ。

このキットは航空自衛隊に供与された最初の7機のうちの一号機401と二号機402を再現できるものですが、通常はキャノピー枠側面にレタリングされる当時フェリ-をしてきた米空軍パイロットの名もデカ-ルで再現されておらず(個人情報だから?)また箱絵にはこのことと401号機のデカール以外は入っていないと断り書きがされているのですが実際は前述の如く402号機分も入っているし、機体番号のバリエーション用数字は7号機分まで入っています。 

どうも古いキットにスペシャルデカールを同梱しての再生産というパターン故に表記がちぐはぐなのかもしれません。

でもキット自体の出来は良いものです。

 

 

LOCKHEED F-104J  Star Fighter

1/72 Scale          Hasegawa

「最後の有人戦闘機」のキャッチフレ-ズで日本の次期主力防空戦闘機(第一次F-X)の選定においてグラマンF-11F(G-98)と熾烈な商戦を演じたLockheedのF-104J(C/D)超音速戦闘要撃機。

ロッキードのF-104が最終勝者となってJ型として国内ライセンス生産にて装備されましたが、小説「不毛地帯」でもこの間の経緯が(取りあえず)架空の出来事として取上げられ、テレビドラマシリ-ズとして放映されました。

ロッキ-ド・スカンクワークスの総責任者であり、国防総省への強い影響力をもつロビ-ストであった設計者のケリ-・ジョンソンの手腕もありこのF-104はカナダ、ドイツ、イタリアなど14カ国以上で採用されていますが本来の開発主目的であった米空軍向け制空戦闘機としてはその航続性能や運動性、兵装の低さから米本国での採用機数は伸び悩む結果に。採用した国をみればカナダを除いてさほど広大な面積を持たない狭い国であることを考えれば敵の領空侵犯に対して短時間で迎撃体制に入ることに専念する要撃機としての用途を見出せたのがこの機体の運の良いところだったといえるでしょう。

最後の有人戦闘機というキャッチフレ-ズが出るほどミサイル万能時代といわれた時勢でしたから制空戦闘機の存在意義そのもののが低下していたことも事実です。

 

この機体のキットも色々出ていますが手持ちはハセガワの1/72コレクションシリ-ズF-104J。その他にマッチボックスの個人所有の高速記録保持機レッドバロン:F-104G改造機があるはずなのですが。

 

 

McDonel Douglas F-4EJ FantomⅡ

 1/72 Scale            Hasegawa

日本の第2次F-X選定において先のロッキ-ドF-104の改良型CL1200/1010 Lancer:ランサ-や初の自衛隊装備の欧州機となったかもしれないダッソーミラージュF-1やSAAB AJ-37 ヴィゲンとともにF-86Fの後継機の座を争ったマクドネルダグラス社のF-4E Phantom II。

主に海軍機を手がけるマグドネル社が大型翼にGE-J79大出力エンジンを双発としてやや強引に作り上げた大型超音速艦上防空戦闘機でしたが、できあがった機体は頑丈な機体に余裕の兵器搭載力と長大な航続力に加え、そこそこの格闘性能と超音速性能を兼ね備える機体に仕上がり、ダグラス社との合弁後の生産分も含めて生産数総計5200機弱に上るベストセラー機にのし上がった機体で、本機には熱烈なファンが多いのも事実です。

当時選定候補のひとつロッキ-ドランサ-は今だモックアップのみで誰も興味を示さず、サ-ブビゲンは日本の国情に適した運用設計とその高性能から自衛隊でも真剣に採用が論議された様ですが、やはり米国機一辺倒の自衛隊ゆえに結局ミラージュF-1共々欧州機という不利な立場を克服できずF-4Eの改良型EJがその勝者に。

F-4登場時はミサイル至上主義が蔓延するご時世。艦上機もミサイリアーが主流となるであろうと機関砲等の固定武装は廃止・搭載されないようになっていました。これが後々大きな問題になるとも知らずに...............。

空母の防空戦闘機ならば母艦近傍の上空域で搭載するミサイルを撃ち尽くしても直ちに帰還という戦法も有りなのですが、空軍機となるとそうはいかず、ミサイルを撃ち尽くした後は遠い基地に逃げ帰るしかありません。機銃一丁搭載していればパイロットの腕次第で格闘戦に持ち込む事もできます。なにより敵機側からこの格闘戦に持ち込んでこられようものなら本機は対抗手段がなく逃げるしかありませんでした。

当時搭載する新型の中距離ミサイルスパローは命中率の低さで当てにならず(これは火器管制アビオニクスとのマッチングのせいとも言われていますが)、短距離赤外線追尾式のサイドワインダーの方がよっぽど命中率が高かったのですから堪ったものではありません。

F-14のようにまだ相手が自機を視認できないうちに高性能の超音速長距離ミサイルで確実に撃墜できればまだしも、お宝のミサイルを撃ち尽くしてしまって近接格闘戦に持ちこまれては負けは見えていました。

日本においての主任務は防空要撃であり、万能機的な性格故に大した問題を露呈せずに活躍できた本機ですが、やはり海軍機の系譜故か航空自衛隊のライトグレーを主体としたF-4EJのカラースキームの方がF-4G等のワイルドな迷彩色よりもこのファントムには似合っている様に思えます。

そうそう、この老兵F-4EJの代替機選定が今ちまたで騒がれている次期F-XなわけでF-22の禁輸に加えて生産終了という追い打ちをかけられた今、最近まで採用実現性ゼロと言われていたロッキード・マーチンのF-35に金星が。

確かにステルス性能は重要ですがこの選択、ほんとに正解なのか.....ねえ?

 

キットはハセガワの1/72スケールです。

 

 

 MITSUBISHI F-1   

1/72 Scale   Hasegawa

戦後日本のジェット機の開発はまず

パイロット訓練用高等練習機の国産化からスタートしました。

最初の純国産ジェット高等練習機である富士T-1はそのパワープラントのジェットエンジンまで独力で国産化した機体でした。

練習機と言ってもほぼ実践クラスの能力を有する機体故に、このような高等練習機は日本を含め多くの国でも有事の際は実用戦闘機に転用できる様になっています。

超音速要撃機F-104Jが主力の座についたことで自衛隊は退役間近のF-86Fに爆装をさせ戦闘爆撃支援航空部隊として流用したのですが、機体の老巧化と旧式化で次期航空支援機の必要性が高まるとともに同じ様にT-1高等練習機のリプレースもこなしうる機体開発計画としてFS-X計画がスタート。

まずT-2高等ジェット練習機の開発を進め、この機体をそのまま単座の高性能次期支援戦闘機F-1とする計画とし、実際に複座の練習機T-2は有事には実戦に転用できるよう考慮されています。

このFS-X計画には米国製の低価格軽量戦闘機ノースロップF-5とその練習機型T-38が名乗りを上げて立ちふさがりましたが結局国産機開発派が輸入案をうっちゃって機体開発は三菱が受け持つことに。

当時欧州で開発が先行していたジャギュアに似た中出力エンジンの双発・高翼配置の機体デザインからジャギュアのコピーと揶揄されましたが開発目的と機体仕様がほぼ同じであるが故の当然の帰結とも(ただ確かに一時期国内米軍基地に飛来していたジャギュアの見学時に技術陣が寸法等を必死に計測したという話も..........)。

しかし猫背の様ないかにも後方視野が悪そうなこのコクピット配置はどうにかならなかったのでしょうか?

T-2の後方座席(教官席)を潰して電子機器スペースとしているためにそれなりに心臓部を守る必要があったのかもしれませんが完全にめくらにされています…….

確かに複座のT-2の方もバルクヘッドで前後席が区切られているもののキャノピー中間部もグラス構成ですから後方視界の点は悪くないはずです。

一説によると単にコスト低減策から後部座席部をこの板金カバーで覆う方式が採用されたとも。ただしコクピット前方のグラスシ-ルドはバードストライクを考慮して枠無しになっています。

1975年6月の初飛行から30年以上も日本の支援攻撃の主任務を任されながらも搭載可能な対艦ミサイル対応策以外の改良は施されず、同じ三菱F-2にバトンタッチして2006年に全機退役しています。

 

キットはこれもハセガワ1/72スケールです。

 

 

McDonel Douglas F-15J  EAGLE

1/72 Scale        Hasegawa

1980年の初飛行からいまだ航空自衛隊の主力戦闘機であるF-15J/DJイーグル。

航空自衛隊主力戦闘機の第三次FX選定作業において当時世界最高の格闘戦闘機といわれたMcdonel DouglasのF-15C/Dを国内ライセンス生産方式により三菱重工業(主契約)で国産化された機体です。

外観はほぼC/D型ですが日本導入当初はまだ米国議会から戦術統合コンピューターや最新のAIMの運用能力等の重要機密システム類の技術移管提供が認められず国産技術による日本独自開発仕様で乗りきってきました。

その後も適時近代化・延命化改修が行われ、日本独自の第一級要撃戦闘機になるに至っています。残念ながら原型機の開発時期が古く、ステルス性の概念が導入されておらず将来ステルス機に置き換わることは避けえないでしょう。

 

F-4FJ代替機に決まった第5世代ステルス戦闘機F-35A(一部VTOL型35Bも導入予定)の国産ライセンス生産が開始された現在でもF-15J/DJにはさらなる近代化改修計画が進行しており、当面F-2/F-35と共に第一線に残りながら近い将来国産または国際共同開発機種となるであろう第6世代主力戦闘機と交代するまで日本の空を守る槍として活躍し続けるはずです。

 

 

MITSUBUSHI F-2A/B

1/72 Scale     Hasegawa

純国産超音速支援戦闘機F-1の後継機選考となるFS-Xは当時米国との貿易摩擦の真っ只中で実施されたため、純国産機の開発継続、外国機の導入(F-16、F-18や欧州勢のトーネードIDF)、F-15の改造や米国との共同開発の動きが入り乱れ、結局F-16をベースとする米国との共同開発案に決まって開発がスタート。とはいえ決定時の新ブッシュ政権と米議会は共同開発において日本の先端炭素繊維複合材料関連技術の移転、F-16の最先端技術・プログラムソースコードは提供しないを明言。挙句の果てに搭載エンジン技術の移転禁止までを言い出し、共同開発は米国側に翻弄されます。

搭載予定の新型ファイズドアレイレーダーは三菱電機が独自開発にこぎつけていたため、飛行ソースコードを当時のT-2CCV研究機を使い一から独自で並行開発へ。さらにこの共同開発の肝となるF-16のF-110エンジンの技術移転禁止の動きにはさすがにブッシュ政権も拒否権発動を匂わせ、結局米国議会においても薄氷の差で本案が否決され石川島播磨(IHI)にライセンス生産が認められました。

これらの経緯に自衛隊、日本の航空産業界や航空ファンはどれほど煮え湯を飲まされたことか.......

そんな訳でこのF-2を失敗作とする向きもありますが、まあ叩かれ、叩かれて育った子は大柄なF-16?という外観の中に日本の技術者連の血と汗の結晶を幾つも忍ばせた機体として日本の空に舞い上がったのでありました。

 

キットはハセガワの1/72っスケールのF-2 A(単座)/B(複座型:実用型練習機)です。まあF-2のキットなどは日本でしかつくらないでしょうから1/72のベストキットとしておきましょう。同社1/48スケールの方もお勧めです。

 

 

Boeing F-15SE(Silent Eagle)

1/144 Scale      TOMYTEC

F-15Jとともに超音速要撃機として永らくその任についてきた老兵F-4EJファントム退役に伴いその代替機選考第4次FXにて第一候補というよりも唯一の選択肢であったF-22が米国議会の海外輸出禁止法の決定によりその導入の望みが断たれて選考が振出しに戻った時、突如ボーイングがFX候補案として発表したのがこのサイレントイーグル。

日本以外のF-15採用諸外国への海外輸出用次世代機案という形でありましたがどう見ても日本のFXがメインターゲットであとは原則F-35で決まっていたお隣韓国への次機主力機選定での調達コスト対策提案といったところ。

各国で主力要撃戦闘機として運用中のF-15イーグルに前方ステルス性能を付与するもので外観上の差異としては外側に10度傾斜させた双垂直尾翼、日本では運用実績のない機体左右のエアインテイク外側に装着する2基のコンフォーマル燃料タンクを改造したミサイル内蔵式格納ベイを導入する点ですが

F-35同様に外部兵装ポイントへの各種兵装搭載でのビーストモードでの運用を戦況に応じて適時選択し作戦運用する狙いをアピールしました。

見えない部分にもインテーク内のエンジンレーダー波ブロッカーの設置、機体全般に電波吸収素材を採用し、キャノピーもレーダー波低反射型とするステルス対策を施し、最新のアビオニクス/レーダーFCS群へのアップグレードに加えてデジタルフラバイワイヤを本格導入するといったこれまでのF-15の性能を一新するという触れ込みでした。

F-22の導入へとひたすら走っていた自衛隊は突如梯子を外された形となり、同じく弟分となる第五世代ステルス機のF-35の開発参加国にはその名すら連ねていなかった(計画未参加)ため、日本にこのF-35導入にするには開発参加国優先配備という大きなハードルが存在し、希望しても時期がいつになるか不確定という状況になっていました。そんな状況でステルス機を渇望する航空自衛隊に向けてイーグルだってまだまだ使えまっせとボーイングがアピールしたSE。

まずはモックアップの公式発表セレモニー、次いで既存E型機を改修した選考デモンストレータの初飛行とその内蔵ベイからのAIM-120AMLAAMの発射実演と次々に秋波が送られてきました。

日本の航空機ファンや雑誌もこれこそ日本に最適な次世代要撃機と期待を表明したものの完全な第五世代ステルス機を導入したい自衛隊の目論見から時間とともに情勢が変わり航空雑誌もF-35優勢に傾くものが出始める状況に。

結局F-35開発参加国に無理やり割り込み早期導入を取り付けての採用に至った次第。

実質的に日本の第4次FX向け特化計画機であったSEは米国内や他の諸外国でも大した興味も示されずに萎んでしまいましたとさ。

その後にUSAFにて正式採用された最新型のF-15EXはF15E型のワンマンオペレーション進化型といった機体でフライバイワイヤの正式採用、FCSの最新化と兵装の大幅増強といったアップグレード機でステルス性自体は考慮されていません。

 

キットはトミーの技ミックスシリーズとしてモックアップ公開時とその後自衛隊配備機といった架空機体をBoxアートにしたものです(むろんデカ-ㇽは航空自衛隊仕様ですよ)。これらも唯一のキットなんじゃないかと........

色々と問題を内在するF-35を無理やり導入せずに4.5世代機でもいいからまずはこのSEクラスを導入して、次の第6世代となるF-3日の丸戦闘機開発へ邁進するのが王道だろうと考えた航空機ファンも多かったはずでは。

まあF-35でもいいんですがやっぱり日の丸SE見たかったな.....。

 


USSR Air Force ’s  Fighter & Attacker

ソビエト/ロシア空軍の航空機

SUKHOI Su-27 FLANKER-B

1/72 Scale    ITALERI

旧ソビエト空軍のジェット戦闘機が西側専門家も目を見張る形態と性能を見せつける様になったのはスホーイ設計局のこのフランカーからではなかったでしょうか?

それまでは広大な領土の守る要撃機、爆撃機いった特異な分野において優秀な機体は幾つかありましたが悪く言えば総じて西側現有機の周回遅れ的なコピー機ばかりといった感じが抜けませんでした。

まあコピー期間が短くなっただけという方もいらっしゃるかもしれませんが、このフランカーシリーズはソビエト/ロシアの航空技術力の結晶でしょう。初飛行は1977年。

「デザインは機能を具現する」と言われますが(常にそうとも限らない.......)このフランカーのデザインは将来性を感じさせるように光っていましたね。

事実このフランカーはその後幾つもの派生改良タイプを生み、本国だけでなく幾つかの海外空軍においても多少性能を落とした輸出型が採用されています。

 

 

SUKHOI Su-34/32 

STRIKE KLANKER

1/72 Scale     ITALERI/TAMIYA

フランカーの派生系譜となる長距離戦闘爆撃機です。

FB-111/F-111同様にコクピットは大型化されサイドバイサイド型とし、後部には長距離飛行のための簡易キッチンやベトイレまで完備されています。

F-111のようにコクピットは脱出モジュール化はされていませんが大型機のように機体底面からラダーを下ろし乗降します。

開発当初はSu-27IPと呼ばれていました。

Su-32は対潜哨戒・攻撃機仕様でソノブイや爆装に換えて対潜/対艦ミサイルを装備させたものです。

 

 

SUKHOI Su-35 VERSATILE

1/48 Scale   ZHENGDEFU(正徳福)

格闘戦闘機Su-27直系の系譜となるSu-35。当初はSU-27Mとされていました。

海軍仕様機同様にインテーク直前の主翼付け根に小型の全遊動式カナードを装備しています。

この機体をベースにエンジンに推力偏向式ノズルを装備し、その代わりにカナードを撤去したものがスーパーフランカーと呼ばれたSu-37です。

 

正徳福模型は台湾のメーカーでメーカーオリジナルキットなのかコピーなのかは不明。

ただご覧の通りキットはそれなりの出来でした。カナードが一体成形なのが残念なところ。

 

 

Mig-29 FULCRUM

1/72 Scale   FUJIMI/HASEGAWA

旧ソビエト連邦時代から戦闘機開発を特異としていた航空機設計局ミグがフランカー同様に一皮むけた戦闘機を世に送り出したのがこのMig-29フルクラムでしょう。

初飛行はフルクラムと同じく1977年です。

今もってミグの屋台骨を支えるベストセラー機として改良・派生型が開発されています。

特にコストパフォーマンスの高さからダウングレード型機体の輸出が成功し、スホーイのフランカーに比べ、圧倒的に採用されている国が多いのも特徴でしょう。

特に東ドイツに配備されていたこのフルクラムが東西ドイツ併合によってNATO加盟国ドイツでも運用されていた(現在は全機退役)のも興味深いところですね。

 

 


企画展示

1/144ジェットプレーンキット

今から数十年前、今は消滅してしまったLSを中心にクラウン、OTAKI、ARII等多くのメーカーがコンパクトな1/144スケールのジェット戦闘機シリーズを次々と出してきた時代がありました。

一箱100~200円のお手軽価格ながらそのフォルム、モールドは上々の出来のキットが多く、狭いスペースに多くの機体が並べられるメリットは海外生まれのスケールながら日本独自に成長したコレクションシリーズだったのではないでしょうか。

現在でも1/144スケールキットはそれなりの地位を保ち、古い金型は幾つものメーカーに流れながら再販されていますがどちらかというと大型機のコンパクトサイズとしてのキットが多いような........。

でもまあ今は昔の大きいだけですべてが大甘なキットと異なり、高価ですが超精密な超絶ビックスケールキット全盛時代ですからね。

当時結構の数をちまちまと造ったこの1/144シリーズですが完成品は親類の子にあげたり、破損してゴミとなったりして跡形もありませんが未製作ストックキットが古い段ボールに詰められた状態で見つかりました。

トーネードなんかタイヤとレドーム塗装途中でしまってありました。

HOBBYのキットはたぶん再販または新金型の比較的遅い時期のキットだと思います。F-104Jとしながらドイツ空軍のデカールも入っていたり(ドイツはGなのに、まあ近いから良いか)。

今では何時どこで買ったのかも全く思い出せません。