昨年長編アニメの製作上映を停止したジブリ。名作を毎年発表してくれていただけに残念です。
宮崎さんの作品を意識し出したのはやはり「ルパン三世 カリオストロの城」からでしょうか。とても綺麗な絵を描く人だなといった位でした。
それ以前の「未来少年コナン」、「名探偵ホームズ」といった作品や「アルプスの少女ハイジ」に宮崎さんが関わっていたことすら後で知った様な始末です(まあ、アルプスの少女はメカと無縁ですからね)。
よってカリオストロまでの作品に登場したメカキットの入手は手遅れ状態でした。
そのようなわけで館長お気に入りの作品から収蔵キットをご紹介します(放映順ではありませんのでご容赦のほどを)。
写真は収蔵庫から出てきた1997年7月号(Vol.93)のModel Graphix。
宮崎駿3Dワールドと当時販売されていたキットの作例特集がメインでした。
天空の城ラピュタ
この年になっても落ち込んだ時、気がのらない時に見るDVDの一つがこの「天空の城ラピュタ」。
地が単純なのか観終わると「よし!」と気が入ります(笑)。
「魔女の宅急便」も同じ部類に入るのですが.............。
何度もTV放映され、その度に「バルス」儀式でネットを賑わす不思議な映画です。
ドーラ役声優だった初井 言榮さんにはもうすこしジブリアニメで活躍してもらいたかったですね。
Tigermoth号
1/1350 Scale Unifive
いまでこそ色々なキットが出ていますがこのエッチングパーツで組むキットとしては初期のキットではなかったでしょうか?
基本スケルトン(骨格)キットですが設定同様に仕上がりますのであとは紙や布張りしてアニメと同じ機体に仕上げることも可能でしょう。
内部も再現されており、あのシータが料理作りに奔走する台所の流し等附器類やコクピット機器類、乗組員(むろんのことボンタン姿のシータやパズーも)がホワイトメタルで再現・付属されており、あの観測用グライダーも再現されてます。
箱絵からしますと紅の豚のサボイアS.21もアイテム化されていたのですね。
エッチングパーツ、ホワイトメタルパーツ類
FLAPTER
1/48Scale TUKUDA HOBBY
映画後半で大活躍するフラップター。
このキットは初版です。
ナウシカ関係のキットは度々再販されましたがラピュタものは再版回数が少なく、特にこのフラップターは永らく再販されませんでした。
一説にこのフラップタ-の金型が初回生産時におシャカになったという情報も。
最近店頭に再販版が並ぶようになり、金型オシャカ説がガセだったのか、今の最新金型製作技術で新たに再生なったのかどちらかでしょうね。
このツクダのジブリシリーズは出来の良いキットですから喜ばしいことです。
風の谷のナウシカ
ジブリアニメを不動の位置に据えた長編アニメ第一作目のナウシカ。
実のところ自身は当時あまりピンと来ませんでした。世界が一度滅び再生へと進む中、そこに生きる人類よりも再生過程の世界を守る動植物の方が上位にある設定は秀逸でした。
TV再放送やDVDで見直す度にじわじわと入ってくる一作でした。
風の谷のナウシカ ガンシップ 1/72スケール ツクダ
このキットは何度か再販されています。
この箱絵は最初の再版品ではないかと思います。直近の再版版はこの箱絵を縦に置き換えたタイプに変えられていますので。
ダイブブレーキの開閉や着陸脚展開等が選択式になっており、シリーズの中でも良くできたキットだと思います。
悪役1号&隊員集合セット
1/72 Scale TASCA
宮崎駿氏の雑想ノートに登場する多砲塔戦車悪役1号をTASCAが1/72スケールでキット化したものです。
ナウシカ関連のキットではありませんが風の谷に乗り込んできたトルメキア軍がこの悪役一号に似せた戦車大隊を繰り出してきました。
当時メーベやオームのキットは映画自体への興味の低さから買い逃してまして....
悪役一号ペ-パ-トイ
1/100 Scale モデルアート連載
ゼネラルプロダクト
上のTASCA製キットが出るだいぶ前、
宮崎さんの雑想ノートが連載されているMODEL GRAPHICSにおまけでついていた悪役1号のペーパートイの連載企画です。
結局作りませんでしたが..............
紅の豚
「紅の豚」は大戦期のレシプロ機、飛行艇のオンパレード(飛行機乗りの話だから致し方ないか。複葉機は苦手なのですが飛行艇は好きなアイテムなので別展示室で取り上げています。
当時のイタリアンラインのフラッグシップでありブルーリボンホルダーの豪華客船REXを彷彿とさせる豪華客船「地中海の女王号」等々(REX:皇帝ではなく女王というネーミングがまた。就航時期が若干ずれているようなのですがまあ誤差範囲かな)クラシックメカファンにはたまらないアニメの一つでしょう。
ストーリーはここで取り上げるまでもないと思うので早々にキットのご紹介を。
といっても結局主人公のポルコ・ロッソの愛機「SAVOIA:サボイア S21」と宿敵の米国人ドナルド・カーチスの「CURTISS :カーチス R3C-0」のみ。
ともにFine Moldの1/72スケールの初期のキットです。同社からは両者の1/48スケールキットも出ています。写真のキット、当時はモデルカステンから出ていたものだと思うのですが、別金型のキットでしょうか?どちらにしても良くできたキットです。
SAVOIA S21は先のラピュタのタイガ-モスと同じくユニファイブからオールブラスエッチングのキットも出ていました。
映画には同じくSAVOIA S55という双胴型飛行艇がイタリア正規空軍機としてでてきまだが写真はその民間向け改良機のSAVOIA S66の1/200スケールメタルモデル(デルプラド)。M55は翼上に取り付けられたプッシュプル方式の双発エンジンナセル一基なのに対し、こちらはプッシュ式に改め3基搭載しています。ただ下から見上げた姿はまさに直系の血筋であることは自明ですね。
プッシュプル方式とは機体(エンジン)の前方及び後方の両方にプロペラが装着された形で、前方ペラの回転による後方流で機体を引っ張るような推力を発生させ、後方ペラの回転による推力は直接機体を押すように作用させるためこのように呼ばれています。
ただし概して後方ペラ駆動用エンジンの冷却効率の低さに直面する事が多くほとんど成功したためしがない形式です。まあ後方ペラ推進のみのプッシュ式も似たようなもので、まだ射出座席のなかった時代には乗員脱出時の巻き込み危険性や機体が地面にクラッシュした際、エンジンが前方移動して乗員の生存率を低下させるといったデメリットからプロペラ機といえばプル方式が王道に(もっと複雑なメリット、デメリットもあるようですが)。
唯一以前に取り上げた全翼機や少しでも航続距離を稼ぎたい大型機においては例外的に翼内にエンジンをマウントし、翼上の気流を安定させ揚力効率を稼ぐために気流を撹乱するプロペラは翼の後ろにマウントされました。
でもなぜかプッシュ式ってSFチックな外観になりますよね。
本題にもどりましょう。その他のキットとしてはポルコがまだ人間だった頃の回想シーンで操縦していたレシプロ複葉戦闘機マッキM5も海外メ-カ-からキット化されていたはずです。
SAVOIA S.21F
CURTISS RC-0
SAVOIA Marchetti S66
ルパン三世 カリオストロの城
奪取編 オートジャイロ
1/48 Scale Gunze
カリオストロの城はジブリ作品ではありませんが宮崎駿さん初監督映画でした。ルパンお馴染みの面々以外のキャラクター、風景等ジブリファンにはここにも、そこにも、あそこにもとお馴染みの姿がありました。
アルプスの少女ハイジのおじいさんは庭師の老人、クラリスは言わずと知れた...........
幽閉されていたクラリスを奪還せんとカリオストロ城の発着デッキから奪ったオートジャイロ(というよりもこれはロータダインやラムジェット4発搭載ローターのヒラーHJ-1ヘリコプターに近い)の発進ジオラマが出来そうなキットでした。カリオストロ城で一時休戦共闘した銭型警部とルパンのフィギュアーと箱絵のポストカードが付いていました。
このオートジャイロ、1/20スケールのバキュームキットもでていました。
写真のムックは初上映当時に双葉社から出たもの(編集後記を見ましたら映画上映後から1年半たっての出版でした)ですが最近少し前に完全復刻版が出版されています。
フィギュアーパーツ
上映当時発売された映画解説設定集
FIAT 500D 1/24 Scale
Mr. Hobby(GSI Creos)
カリオストロで序盤と最後に登場し、活躍するルパンの愛車と言えばこのフィアット500。
映画放映当時は公式のキットもなく、みなさんこのキットを黄色く塗って改造製作していました。箱絵は真っ赤ですが車体整形色は白ですので。
リアのエンジンアクセスドアを切り離してエンジンにターボチャージャーを追加搭載したり....。
先のモデルグラフィックスのジブリ特集の中でも改造作例と実車の細部写真特集が載っていました。
今ではフィギアー付きのジオラマキットが数種発売されていますからこのキットを使う人はもういないでしょう。
Château de CAGLIOSTRO:カリオストロ城
空想物件検証録「ルパン三世 カリオストロの城」(昼 ver.)1/2000Scale Geplus製をCastle Miniatureコーナーに展示しています。
ハウルの動く城
AERO-KAYAK ハウルの動く城より
COMINICA
ジブリの「ハウルの動く城」において
王宮のサリマンの元から脱出を計るハウル一行を乗せたアエロカヤックのフィギュアーです。
当時ジブリものの精巧なフィギュアーの数々が賞賛を浴びたCOMINICA製ですが会社は経営トラブルで消滅。
一時期在庫がAmazon等で捨て値同然の価格で放出されていました。
中々の出来ですがソフィーがおじさん顔で........
フィギュアー内容
カヤック上の4人組
銘板
ジブリ もののけ姫Boxスタンド
スチール棚でほこりをかぶっていた木製Box。
映画公開時か後日かにジブリグショップで購入した記憶が。
右は写真フォルダーで、左側は映画の世界を模したミニ情景。
Boxは4分割されてますが夜になると蓄光処理されたコトダマ達がボーッと光ります。