今回は6号館2A展示室でも展示していました「The First Space Ship to Vinus(邦題:金星ロケット発進す)」の金星ロケットコスモストレーターを造ってみます。
このコスモストレーター(米国版名称で東ドイツ・ポーランド版ではコスモクラトール)は本来火星探査用宇宙船として建造されていましたが、ゴビ砂漠で発見された謎のオーパーツが金星から飛来した宇宙船の残骸(ツングースカ隕石は宇宙船だったという説)と判明し、急遽金星探査機に変更された機体でした。
キットはペガサスホビーからリリースされた1/350スケールのインジェクションキットです。
このキットがでる前にはバキュームフォーム(Lunar Modelsだったか?)とMonster in Motionのレジンキットが発売されていました。
少ないパーツ数でこのフォルムを再現しながら、後々シルバー/クロムメッキ塗装を考慮してパーティングラインが極力目立たない様なパーツ分割(それでも研磨処理は必要ですが.......)に好感がもてます。
ただ機体デザインの忠実な再現上、非常に鋭い先端部が幾つもありますので、けがや折損に注意して作業してください。
COSMOSTRADOR製作記 前編
ロケット部の製作
このコスモストレーターは主船体と外翼に装着された3本のロケットエンジン部で構成されたデザインで主船体にはエンジンが搭載されていません。
キットではエンジン部(副船体部)は左右分割式でこれに取り付けられる2枚の安定板と逆噴射装置が内蔵されている先端ユニットパーツで構成されています。これを三本製作する事になります。
ただなめらかでシームレスな船体に映画同様のクロムメッキの様な塗装を施すとなるとパーティングライン処理は必須です。
貼合せ・ヤスリがけ開始直後
パーツ固定直後
精密ヤスリにてヤスリがけ
精密ヤスリがけ
コンパウンド(細め)から
仕上げ目で
ポリッシュ処理
左がコンパウンド処理後
安定板の装着
2枚の同型フィンを90度の角度で取付けます。
取付はピン2本にフィン状の突起を取付穴に差し込む形です。
当方ではフィン状タブをゲートと勘違いして切除してしまいましたが大小2つのピンだけでもなんとか固定できました。
このロケット噴射口にLEDを仕込もうと思ったのですが主船体に繋がるパイロン状の翼が残念ながら無垢の樹脂モールドなので配線を考え断念(残念!)
スキャニングビームの電飾を
映画では金星着陸後に360度回転しながら地表をスキャニングするビームが照射されます。
まずDVDの表紙に描かれているコスモストレーターのビーム照射位置がだいぶ下側になっていますが実際はこのキットの箱絵の方が正しく、クリアーパーツ部から照射されます。
その前に......
このキット、組立て説明図とキットのパーツ割が異なっていますのでご注意を(もう改訂されてるかな?)。
主船体の尻のパーツがあることになっていますが実際はご覧の通り船体2分割に変更されています。
たぶん塗装を考慮して極力接合部のパーティングラインを少なくしたかったのではないかと思います。
でもパーツがない!と大騒ぎしちゃいましたよ。
電飾回路は内蔵に?外部へ?
今回もハイキュー(HIQ)のお手軽超小型LEDランプ回路を使いました。
しかしながらシームレスクロムシルバー塗装を考えると電池交換やスイッチの仕込み等は考え物です。
ここは主船体ボトム溝にLEDライトのコネクタ(凸)を穴開け固定し、発光の時だけ電池回路をプラグインする方式にしました。
ボトムに3.0mmドリルで並列に2個穴を開け、これをアートナイフで連結開口します。
ここにLEDのコネクタ部がきっちり入りますので瞬間接着剤やエポキシ樹脂等で固着します。
今回コネクタ部に突き上げストレスが掛かる事を考慮してさらに内側にストッパーを仕込みました。
内部回路はこんなに簡単です。
写真ではカットされてしまっていますが先端部にはクリアーパーツのピンが入る穴横に1mmの穴を開け、LEDの頭を出しておきます。
先端部を組立て
先端部のクリアパーツの上下のピンが太めでまず先端パーツや主船体に入りません。
ここは上下のホゾ穴を少しドリルで広げてからまず先端部のパーツを低白化瞬間接着剤で固定します。
先端クリアー部の加工
クリアパーツ底のピン横に2.0mmの穴をドリルで2~3mm深さで穴を掘ります。
ここに先の極小LED発光部を縦にして納めます。
LEDが収まっている事を確認してからやはり低白化瞬間接着剤で主船体とクリアー先端部を接着固定します。
こんな感じで光ります。
組立ては完了
主船体に3つのエンジン部を瞬間接着剤で取付け、組み立ては取敢えず完了です。
次回はメッキ調の船体塗装にチャレンジ。
COSMOSTRADOR製作記 後編
マスキング
船首のクリアパーツ部と船尾の電飾用プラグ部分をマスキングテープで保護します。
その後ベース塗装を施す前に手垢等をアルコール含浸ペーパー等で全体を良く拭き取っておきます。
クリアパーツ部のマスキング
電飾用埋込プラグ部のマスキング
ベ-ス塗装
グロスブラックで全面塗装します。
焦らずに少しずつ薄塗りの重ね塗りで仕上げていきます。
ここまではなんとか上手くいってたんですけどね~
このままの方が良かったんじゃないかい?
クロームメッキ調塗装
ベースのグロスブラックが十分乾燥したらMr.ColorのSUPER METALLICシリーズのクロームシルバーを薄く塗布します。あまり厚塗りすると写真の様にシルバー調にしかなりませんのでご注意を(くそっ)。
トップシルバーが乾燥したら2箇所のマスキングを外し、境目の補修をしておきます。
最後に三本のロケット部の先端にある逆噴射装置の吹き出し部をブラックの水性ゲルペン等でアクセント塗装します。
スキャニングビームライトが点灯することも確信しました。
それにしてもなんて塗装が下手なんでしょうか(自己嫌悪.......)。
発射台を作ろう
映画では3つのロケット部に架台上のベースが設置されていました。
乗員は階段状のタラップを登り、主船体下部のハッチ(モールド有り)から船体に出入りしています。
しかしながら中央船体部は地面から相当高い位置にありやはりタワー状のアクセス施設がないと無理ですね。
まあ映画ではそのような装置類は出てきませんので適当に作ってしまいましょう。
ロケット下部のベースはサンダーバード3号の発射台のような形状で噴射排気の偏向・処理装置も兼ねているはずです。
今回丈夫な紙箱にお中元のゼリーカップの保持用プラ成形物を個々切り離して適当に加工し紙箱に120度間隔で位置決めをして埋め込んでいます。
搭乗用アクセスタワーは食玩のH2ロケットの移動発射台を塗装・流用しています。
小物は1/400スケールの航空機モデル用の空港機材モデルです。