CYGNUS from Disney Movie「BLACK HOLE」
1979年(日本公開は翌年1980年)、ディスニー初の本格SFスペースオペラと大きく前宣伝された映画「The BLACK HOLE」。
その舞台となる宇宙船シグナス号は当初ポップで明るい巨大船としてイラスト画がスターログ誌に掲載載されてました。
公開された映画は興行的には今一歩でしたがブラックホールの淵で幽霊船の如くたたずむ消息を絶っていたUSS CYGNUSが主人公達の通信による呼びかけに一転満艦飾のライトを点灯させたときはエッフェル塔の如く巨大で精緻な鋼鉄トラス組みの構造が露わになってびっくりしたものです。公開前の明るいイラストのイメージとは正反対のゴシック調の重厚なイメージには驚かされました。
この強烈な印象から公開直後にMPCから発売されたCYGNUSのキットをすぐに買い求め、なんとか電飾を仕込みあの映画のシーンを再現できないかとキットを眺めながら思案したものでした。
残念ながらこのキットはシルバーグレーの最中モデルで船体側面のトラス構造等その表現の多くが省略されていました。
せめて船体だけでも最中で良いからクリアーパ-ツにしてくれたらと..........。
2024.11.5 更新
現在MPC等の旧キットの再生産を生業としているメーカーRound2でこのライティングギミック用クリアープラ(または半透明プラスチック)製フルキットの再生産を企画開発中とのこと。CultTVmansのShopでPre-Order中です。
まあ2025年中リリースを目指しているとのことですが高価なレアキットと化して入手が難しいこのキットの現況を打開するといってます。販売価格帯も当時の価格程度に抑えてくれるとありがたいですね。まあクリアパーツ化改良版として多少の価格アップは致し方ないですがリリースされたら注文します!楽しみ。
キット内容
側面モールドは省略
船首部(やっぱり最中)
今回のキット
当時夢中で組み上げたキットでしたが35年以上の長い月日の果てにアンテナ等突起物はほとんど散逸し、まさに漂流幽霊宇宙船(良く残っていたものです)。
主人公たちの探査船パロミノ号もなく、最後に登場するブラックホール探査艇が何とか船体上に残っていました。
数年前に納戸の大掃除中に埃まみれのこの完成品を見つけ、いつか補修してやろうと自室の棚に移し、まずはとうの昔に絶版となったこのキットを探したところ幸運にもネットで発見。欠品はないものの幾つかパーツが折損しているからとの理由で格安で手に入れることができました。
とは言え船体の補修はそれから数年も手つかずのままに............。
3年前見付かったCYGNUSの残骸(取り敢えず埃だけは取ってやりました)
モデルの現状
当時はまだ光ファイバーやLEDはそう簡単に手に入るホビーツールではなく、麦球がほぼ唯一の光源でした。タミヤ工作キット「3チャンネルリモコン」で後部のメインエンジンや前部リバースエンジンの点灯と船体内部やタワー部の発光ギミックを仕込んだはずでした。
取りあえず埃を洗浄したところ船体のトラス構造の凸モールドを結構丁寧に塗り分けていて、トラス構造モールドすら無いところには細いマジックペンでトラス構造を描いたクリアのプラ板を切り出して張り巡らしてありました。
主船体左右の区画の上下部をくり抜き内部にトレース紙で造ったボックスを設置してその中に麦球を仕込むことでボーっと光っているようにしてあります。
全く再現されていない船首エレベーターステージ廻りやキットでは窪みに赤いクリアープラパーツをはめ込むだけの後部発着場も内部をそれなりに造ってありました。
側面モールドと発光部の再現
船首エレベーターの再現
残っていた欠損パーツ
まずは当時の電飾回路がまだ生きているかの確認からスタートです。
ところがリモコン内は電池の液漏れでご覧の様な有様。当たり前ですがバッテリーをセットしても電飾は無応答。錆の研磨をかけたところ電池接触部を繋ぐ金属回路パーツが崩壊しました(笑)。
仕方なくジャンクボックスにあった別の古いリモコンに付け替え、内部接点もすべてポリッシュして接続し直しました。
ボロボロのリモコンボックス内部
リモコンの挿げ替えの為の再配線
幸運にも電飾回路は生きていました。
後部中央の小型スペースシャトルの発着場と両サイドの機関室は当時のイラストを参考にして再現した記憶があります(映画には登場しませんでしたが当時の映画パンフに掲載されていたCYGNUSの構造解説図に載っていた小型シャトルベイを再現しています.....)。
映画の冒頭で主人公達の宇宙船パロミノ号が降りた前部ロケット発着ステージ・昇降エレベーターや前部船体内部も自作です。
麦球もこんなエンジン噴射表現には結構あっていませんか?
ただ最近見かける麦球は先端が綺麗なドーム状で昔のような引き延ばしされた尖った封入形態ではなく、時代を感じてしまいました。
前部の上下の大型ドームはクリアーパーツなので内部にホワイトを軽く吹いて擦りガラス状にしてあります。
今回の確認作業で37年前に製作したものながらさほど大きな損傷もなかったので、欠損・散逸した細かいパーツの交換や追加塗装、さらに汚し処理を入れる等の修復をします。
修復なったCYGNUS
パロミノ号を新規に作り(三本の脚柱部を開口)映画冒頭部でのCYGNUSをスキャニングしている状況にしてみました。
無塗装だったブラックホール探査艇も適当に塗装し、エンジン排気部に仕込んだ麦球頭表面の塗装剥げも再塗装しました。
後は折損、紛失しているアンテナ類を塗装新設し、船体前後を結ぶグラスチューブカーの軌道チューブをメッキシルバーで再塗装しています。
取りあえず修復なったCYGNUS全景
DVDもなく記憶を頼りに映画のカットをイメージして写真を幾つか撮ってみました。
併走するパロミノ号がCYGNUSのコントロールタワーに隠れてしまいました(失敗、失敗)。
インクジェット印刷による紙張りブラックホールは映画のシーンではもっと大きかったかな?
チューブカーの軌道は無塗装の方が良かったかもしれませんね....